プロサウンド的“設備”検分録
File.26 横浜みなとみらい国際コンベンションセンター
8分割可能な巨大空間の音場制御

“パシフィコ横浜”と言えば、皆さんもご存知のとおり横浜市のみなとみらい地区にある複合MICE施設です。その「パシフィコ横浜」が2020年3月、さらなるスケールアップのために既設建物の北側に隣接して国内最大規模の多目的ホールを持つ「横浜みなとみらい国際コンベンションセンター(通称:パシフィコ横浜ノース)」が竣工しました。
今回は、この施設の中の目玉でもある多目的ホールにスポットを当てて設備見聞録的にご紹介したいと思います。この施設は先進的MICE施設として建設されただけあり、音響設備にも分割制御方式やDSPのコンフィグレーションの作り方等に幾つかの新しいアイデアが投入されています。

PROSOUND FEATURE
YAMAHA RIVAGE PM5 & PM3
ベテランエンジニアによる試聴会を開催

「ヤマハ」デジタルミキシングシステムの新モデル「RIVAGE PM5」および「RIVAGE PM3」の第2回目。前回は商品企画やマーケティング担当に、新ミキサー誕生の経緯や現在の苦境のなかにありながら、リリースへと踏み切った「ヤマハ」の思い、そして機器のセールスポイントといったところをじっくりと聞いた。加えて簡単ではあったが筆者が実機に触れ、その印象や感触も併せて伝えた。しかしこれまでライヴエンジニアを生業としてきた筆者からは、新モデルの特徴やメリットといったさまざまが伝えきれたかどうかの懸念は拭えなかった。そこで、できうるかぎり読者に有用な情報をと思い、“クローズド”試聴検証会を催すことにした。
ライヴエンジニアとして活躍する2名に参加を要請し、生演奏をソースとしてミックスを行っていただいた。現状を鑑み集客はできなかったが、2台のミキサーが持つ機能や操作性にアプローチしながら時間の許す限り検証を進めた。
メンバーは山寺紀康氏、そして大内健司氏と申し分ないキャスティングが実現。両名ともに自らが持てる力を注ぎ、見事と言えるミックスを披露してくれた。

PROSOUND SPECIAL TALK
深田 晃 × オノ セイゲン
音・音楽の現在:3Dイマーシブから音楽制作全般を俯瞰する

深田 晃氏とオノ セイゲン氏のビッグ対談が実現した。
深田 晃氏は、日本のレコーディング・エンジニアの第一人者のひとりであり、このたび、ザ・レコーディング・アカデミーのメンバーにもなられた。
今回、お二人に、音・音楽の現在:3Dイマーシブから音楽制作全般を俯瞰していただいた。

PROSOUND SPECIAL
関西テレビ放送
これからの時代を見据えたイマーシブ対応のMA室

関西テレビ放送は先頃、本社社屋内にあるMA室『MA2』の全面リニューアルを実施。作業の中心となるミキシング・コンソールは、Avid S6とPro Tools | MTRX の組み合わせに更新され、同時にDolby Atmosに準拠した7.1.4ch/イマーシブ・オーディオ対応のモニター環境が構築された。新スピーカーとして選定されたのは、欧米のスタジオで人気が高まっているNEUMANNのKHモニター・スピーカーで、メインは3ウェイ・パワードのKH310、イマーシブ・オーディオ・システムはDSP内蔵のKH 80 DSPとサブ・ウーファーKH 810というセレクション。
紺を基調にした落ち着いたデザインの内装と合わせ、まるでヨーロッパのプロダクション・ルームのようなモダンかつ先進的なスタジオへと生まれ変わった。そこで本誌では、今回のリニューアルのコンセプトと新システムの詳細、さらにはNEUMANN KHモニター・スピーカーのインプレションについて関係者にインタビュー。

PROSOUND SEMINAR
音響技術者のための映像入門 第6回
ケネディハウス銀座/REAL DIVA'S

連載『音響技術者のための映像入門』では、映像オペレートに必要な基礎知識を分かりやすく解説しています。
第6回目となる今回は、前回に引き続きライブ・ハウスにおけるライブ配信の実例について紹介。今回取材したのは、東京・銀座の老舗ライブ・ハウス、ケネディハウス銀座と、東京・六本木のミュージック・バー、REAL DIVA'Sの2店舗。どちらもヒビノ・グループのライブ・ハウスであり、ハイ・レベルな音響システムが常設されているのも特徴だ。ライブ配信に興味を持っているライブ・ハウス関係者は、ぜひ参考にしていただきたい。

HALL REPORT
TACHIKAWA STAGE GARDEN

「TACHIKAWA STAGE GARDEN(立川ステージガーデン)」は、JR立川駅から徒歩8分。多摩モノレールに沿って北上した広大な敷地に立地する。テーマは「空と大地と人がつながる、新しいエンタテインメントステージ」と題し、敷地全体を俯瞰したスケールの仕掛けを持つ。
音響面のトップに立ち采配を振るったのが「東京音研(東京音響通信研究所)」の代表を務める菊地 徹氏。氏の斬新なアイデアや思いがそこかしこに広くそして深く刻まれ、最上といえる環境が構築されている。そして菊地氏が掲げるプランを漏らさず受け止め、実現に導いたのは「ヤマハサウンドシステム」の精鋭たち。音響技術者とは思えない思考の柔らかさで音楽、そして音を語る菊地氏に興味が尽きないアイデアの数々を。そしてその両脇を固める「ヤマハサウンドシステム」吉村紳平氏と宮本進也氏からは綿密な工夫とその実際を訊いた。

RECORDING REPORT
イマーシブ3Dオーディオ収録
名倉誠人『バッハ・パラレルズ』

収録し始めてから3年以上を経過しようやく完成に漕ぎ着けたマリンビスト「名倉誠人」の新アルバム『バッハ・パラレルズ』は、名倉氏と筆者の共同プロデュースによる第5作目の作品となる。彼の録音で通常のCD用の録音と並行して試行錯誤してきたイマーシブ3Dオーディオの収録法も、ほぼ10年の歳月をかけてその形が決まってきた。今回、満を期してマルチ・フォーマットでリリースするバッハ・パラレルズの収録についてレポートする。

PROSOUND最前線
オーディオ国際標準化の最新動向

プロサウンドにおける最新のトレンドであるイマーシブオーディオやAudio Over IPでも、様々な新しい国際規格の標準化作業が進んでいます。これらの国際規格や標準化動向を理解しておくことは、プロサウンド・エンジニアにとって有意義だと思います。
そこで、IEC TC 100のSecretaryやAES標準化委員会のVice Chairなどを務められてきた由雄淳一氏に、オーディオの国際標準化の意義や歴史、そして最新の国際標準化動向などについて伺いました。

PROSOUND EUROPE
3D Audio プロダクション・レポート Part 2
Polyhymnia International

近年、日本でも注目されている3D Audio。これらの流通はこれまでBlu-ray Discを中心としたメディアであったが、徐々にストリーミングに変化してきている。日本では2019年12月よりAmazon Music HDから、Dolby Atmos MusicやSony 360 Reality Audioのフォーマットでストリーミングが始まっている。前号では、2020年2月に欧州で行った3D Audio制作の研究取材の中から、ベルリンのテルデックス・スタジオの事例をお伝えしたが、今号では、オランダ・アムステルダム近郊のポリヒムニア・インターナショナルに焦点を当てレポートしたい。

https://www.stereosound-store.jp/fs/ssstore/3324

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