在宅勤務=リモートワークの普及に伴い、需要が高まっているのが遠隔会議システムだ。メッセンジャーやチャット・プラットホームを導入している企業であっても、業務を円滑に行うためには“音声でのコミュニケーション”は不可欠であり、最近は今まで以上に遠隔会議システムに注目が集まっている。ただ、遠隔会議システムを使用したことがあるビジネス・パーソンの80%以上が、その音質に不満を抱いているという調査結果があり、リアル会議のように意思の伝達ができない遠隔会議が、リモートワーク普及の阻害要因になっているという意見もあるほどだ。
そんな状況を受け、満を持して遠隔会議システム市場に参入してきたのが、本誌読者にはお馴染みの「Bose」である。「Bose」が今春発表した「Bose Work」は、同社が長年培ってきた音声技術を投入して開発されたまったく新しい遠隔会議ソリューションであり、かつてないクリアな音質とシンプルな操作性を実現している。中でも注目は、「Bose ES1 Ceiling Audio Solution」と名付けられたソリューションで、「Bose」製品に「Sennheiser」製のシーリング・マイクを組み合わせることで、最高品質の遠隔会議システムを実現している。「Bose Work」とは一体どのようなソリューションなのか、ここではその概要を紹介することにしよう。

新時代の遠隔会議システム“Bose Work”

画像: 在宅勤務=リモートワークの普及に伴い、世界的に需要が高まっているのが遠隔会議システム

在宅勤務=リモートワークの普及に伴い、世界的に需要が高まっているのが遠隔会議システム

 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、日本でも多くの企業が積極的に採用し始めた在宅勤務=リモートワーク。欧米では大企業を中心に、かなり以前から取り入れられてきたリモートワークだが、「Upwork」(注:世界最大のクラウド・ソーシング・プラットホーム)の調査によると、この3年間でその普及にさらに拍車がかかっているという。北米では現在、企業の約63%の部署に、少なくとも週3日は社外で仕事をしている人が在籍しているとのことで、リモートワークによって多くの企業が人の移動にかかるコストを抑制し、生産効率を向上させているのだ。

 そしてリモートワークに欠くことができないのが、遠隔会議システムである。いくらメッセンジャーやチャット・プラットホームが普及したとは言っても、離れた場所にいる人と人とが音声でコミュニケーションする手段は絶対に必要であり、生産的な会議や情報共有を行う上で、“音声”は最も重要なファクターと言われている。音声によるコミュニケーションがいかに大切かということは、企業のマネジメント層の大半が認識しており、今後3年間で年間の遠隔会議システムの導入数は約2倍になるという調査結果もあるほどだ(注:「Wainhouse Research」調べ)。

 遠隔会議を行う上で最も重要になるのが、言わずもがな音の品質である。会議の途中、映像は途切れたとしても話を続けることができるが、音が途切れてしまったらそうはいかない。人は音の品質が悪いと、その時点で聴き取るのを止めてしまうという研究結果もあり、当たり前の話だが、音の悪さはコミュニケーション=情報伝達に大きな影響を及ぼすのだ。質の低い遠隔会議は、企業の評判の低下、売上の損失、度重なるスケジュールの変更など、エンゲージメントに直接影響を及ぼすのである。これらはもちろん、その企業で働く従業員のモチベーションの低下にも繋がるだろう。

 

Bose Work に合わせて2種類の新製品が登場

 遠隔会議システムへの世界的な需要の高まりを受けて、「Bose」が今春から展開し始めたのが、「Bose Work」と名付けられた新しいソリューションだ。「Bose Work」は特定の製品名ではなく、遠隔会議のためのコンポーネント/ソリューションの総称。誰もがすぐに使うことができるシンプルな操作体系と、オーディオ専門メーカーならではのクリアな音質が「Bose Work」の大きな特徴で、あらゆる会議の生産性を向上させることを目標に開発されたとのこと。もちろん、既存のプラットホームとシームレスに連携可能で、Microsoft Teams、Google Meet、Zoomといったサービスの映像/音声の品質を格段に向上させることができる。リアル会議のような自然なコミュニケーションを実現し、仕事の効率を引き上げてくれる次世代の遠隔会議システム、それが「Bose Work」なのである。

画像: 「Bose」が長年培ってきた音声技術を投入して開発された新しい遠隔会議ソリューション、「Bose Work」。かつてないクリアな音質とシンプルな操作性を実現

「Bose」が長年培ってきた音声技術を投入して開発された新しい遠隔会議ソリューション、「Bose Work」。かつてないクリアな音質とシンプルな操作性を実現

 「Bose Work」では、様々なコンポーネントを組み合わせることで、使用する場所や規模に最適な遠隔会議システムを構築することができる。システム内では、設備音響の世界ではお馴染みのDSPプロセッサー「ControlSpace」といった既存の機器も使用されるが、「Bose Work」の展開に合わせて投入されたのが「Bose Videobar VB1(以下、VB1)」と「Bose Noise Cancelling Headphones 700 UC(以下、700 UC)」という2つの新製品だ。

 

会議用USBデバイス Bose Videobar VB1

 「VB1」は、小さな部屋から中規模の会議室まで対応する、オール・イン・ワンの遠隔会議用USBデバイス。サウンド・バーのような横型の筐体に6基のビーム・ステアリング・マイクと4K対応のウルトラHDカメラを搭載し、ラップトップPCなどとUSBで接続するだけで、高音質/高画質の遠隔会議システムを構築することができる。もちろん、Microsoft Teams、Google Meet、Zoomといった一般的なプラットホームで使用することが可能だ。

画像: Bose Videobar VB1

Bose Videobar VB1

 「VB1」の大きな特徴と言えるのが、6基搭載されたビーム・ステアリング・マイク。「VB1」は、話者の音声を検出して収音し、周囲のノイズを除去して自動EQによって音を最適化する。参加者全員の声を自動的に最適化してくれるというのは、長年音声処理を研究し続けている「Bose」製ならではの機能と言っていいだろう。4K対応のウルトラHDカメラを内蔵しているというのも「VB1」のフィーチャーで、オート・フレーミング機能と相まってプレゼンターやホワイト・ボード、フリップ・チャートなどを鮮明にキャプチャーする。これによって遠隔会議でありながら、参加者全員が同じ空間にいるような体験を提供してくれるのだ。

 その他、「Bose Work Configuration Utility」(アプリ/Webブラウザ・サービス)による簡単な設定、「Bose Work」アプリによるスマートフォンを使ったリアルタイム・コントロール、スマートフォンとBluetooth接続によってスピーカーフォンやスピーカーとして使える機能など、多くのフィーチャーを備えた「VB1」。発表間もない製品だが、世界中の設備市場で大きな注目を集めており、2月に開催された『ISE 2020』では、インストレーション部門の『BEST OF SHOW』を受賞した。

 

会議用ヘッドセット Bose Noise Cancelling Headphones 700 UC

 一方の「700 UC」は、遠隔会議のために開発されたBluetooth接続のヘッドセット。「Bose」のお家芸であるノイズ・キャンセリング機能を搭載し、アダプティブ4マイク・システムによって話者の声と周囲のノイズを完全に分離。ミュートのオン/オフの切り替えや、こちらの声が相手に聞こえているか確認したりすることなく、どんな場所でも快適にコミュニケーションすることができる。ノイズ・キャンセリング機能は11段階で調整でき、ワイヤレス接続で最大20時間使用することが可能。Microsoft Teams、Google Meet、Zoomといった会議プラットホームはもちろんのこと、Amazon AlexaやGoogleアシスタントにも対応する、広範囲に使用できるヘッドセットだ。

画像: Bose Noise Cancelling Headphones 700 UC

Bose Noise Cancelling Headphones 700 UC

 

音声システムを部屋に統合 Bose ES1 Ceiling Audio Solution

 そして「Bose Work」の一連の製品/ソリューションの中で、特に注目なのが「Bose ES1 Ceiling Audio Solution(以下、ES1)」である。「ES1」は、“音声システムが完全に統合された会議室”を実現する、包括的な遠隔会議ソリューション。スピーカーやマイクの存在を意識することなく、リアル会議のように自然に使用できる遠隔会議ソリューション、それが「ES1」なのである。

画像: Bose ES1 Ceiling Audio Solution

Bose ES1 Ceiling Audio Solution

 「ES1」は、DSPプロセッサーの「ControlSpace EX-440C」、パワー・アンプの「PowerSpace P2600A」、天井埋め込み型のスピーカー「EdgeMax EM180」、そして「Sennheiser」製の天井埋め込み型マイク「TeamConnect Ceiling 2」といったコンポーネントで構成される。注目してほしいのが、天井埋め込み型マイクとして「Sennheiser」の「TeamConnect Ceiling 2」が採用されている点で、「Bose」と「Sennheiser」という業務音響の世界を代表するメーカーのコラボレーションによって誕生した遠隔会議ソリューションなのだ。

 

画像: Bose ES1 Ceiling Audio Solutionのシステム構成

Bose ES1 Ceiling Audio Solutionのシステム構成

 

 「ES1」の大きな特徴が、音声システムと会議室が完全に一体化したソリューションであるという点。スピーカーの「EdgeMax EM180」、シーリング・マイクの「TeamConnect Ceiling 2」ともに天井埋め込み型のため、最初に施工/設定をしてしまえば、機器の存在を意識することなく遠隔会議を行うことができる。「TeamConnect Ceiling 2」は、特許取得済みの『自動話者位置検出機能』とダイナミック・ビーム・フォーミングによって、話者がどの位置に座っていようが(あるいは立っていようが)確実に音声を収音する。会議の内容/参加者の数によって、机や椅子の数/位置を変更したとしても、再調整する必要がないというのがポイントだ。スピーカーの「EdgeMax」は、「Bose」独自の『PhaseGuide』テクノロジーを採用することで、全体の音質を向上させながら部屋全体を万遍なくカバー。従来の天井埋め込み型スピーカーは、天井全体に設置する必要があったが、「EdgeMax」はディスプレイの上に設置するだけで部屋全体をカバーできるというのも大きな特徴で、「Bose」によれば、これによって参加者の意識をディスプレイ側に向けさせ、視覚と聴覚の一致による自然で疲労感の少ない体験を提供できるとのこと。「EdgeMax EM180」1台で、広さ3×4メートル、天井高2.7~3.7mの空間をカバーでき、これよりも広い部屋には「EdgeMax EM180」を複数台設置することで対応できる。

 

画像1: 音声システムを部屋に統合 Bose ES1 Ceiling Audio Solution
画像: 従来の天井埋め込み型スピーカーは、天井全体に設置する必要があったが、「EdgeMax」はディスプレイの上に設置するだけで部屋全体をカバーできる

従来の天井埋め込み型スピーカーは、天井全体に設置する必要があったが、「EdgeMax」はディスプレイの上に設置するだけで部屋全体をカバーできる

 

 そして「ES1」の肝と言えるのがDSPプロセッサーの「ControlSpace」で、会議システム用の「ControlSpace EX-440C」は 、8chのアコースティック・エコー・キャンセリング(AEC)機能を搭載。入出力は、アナログのマイク/ライン入力を4系統、アナログ出力を4系統、VoIPおよびPSTN、USB、Bose AmpLink出力を本体に内蔵し、「TeamConnect Ceiling 2」とはネットワーク・スイッチを介してDanteで接続する。定評ある「ControlSpace Designer」ソフトウェアによって、コンフィグの設定をドラッグ&ドロップで簡単に行えるのがポイントだ。

 

画像2: 音声システムを部屋に統合 Bose ES1 Ceiling Audio Solution
画像: ControlSpace EX-440C

ControlSpace EX-440C

 

 「ES1」のシステム図が(図1)で、その接続は非常にシンプル。もちろん、シーリング・マイクの替わりに、卓上マイクやワイヤレス・マイクを使用しても構わない(図2)。

 

画像3: 音声システムを部屋に統合 Bose ES1 Ceiling Audio Solution
画像4: 音声システムを部屋に統合 Bose ES1 Ceiling Audio Solution

 

 上質な音声システムと会議室が一体化した新しい遠隔会議ソリューション、「Bose ES1 Ceiling Audio Solution」。スピーカーやマイクは天井埋め込み型のため、壁や机上のデバイスを最小限にすることが可能で、会議に集中できる空間を構築することができる。参加者が座ったり立ったりはもちろん、部屋の中を自由に移動できるのも大きな特徴だ。なおこの「Bose ES1 Ceiling Audio Solution」は、世界中の企業が採用しているMicrosoft Teamsの認定を取得したソリューションであり、安心して導入することができる。さらなる詳細を知りたいという方は、ぜひ「Bose」のWebサイトにアクセスしていただきたい。

 

Bose Workに関する問い合わせ:ボーズ合同会社
https://pro.bose.com/ja_jp/solutions/bose-work.html
Tel:03-5114-2750

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