画像1: Auto Sound Web Grand Prix 2020:【特別座談会】ブロンズアワード獲得 ダモーレエンジニアリングA1500シリーズパワーアンプの魅力を語る

オートサウンドウェブグランプリ2020のブロンズアワードのひとつとなったダモーレエンジニアリングのパワーアンプA1500.2およびA1500.4。ステレオ機ではデュアルモノーラル設計、4ch機ではデュアルステレオ設計とし、電源回路までも分離して搭載する。定格出力は4Ω負荷時で350W×2(A1500.2)、325W×4(A1500.4)、ブリッジ接続時には2,000W×1(A1500.2、2Ω負荷)、1,000W×2(4Ω負荷)を誇る超弩級モデル。VUメーターをイメージしたLEDによる出力インジケーターが特長的なデザインだ。シャーシとヒートシンクは6061アルミ材の切削加工によるもので、重厚なルックスと実用性を兼ね備えている。ブランド名は同社創設者であり開発技術者のアンソニー・ダモーレ氏にちなむ。本記事では、グランプリ製品選考会直後に選考メンバーがダモーレエンジニアリングA1500パワーアンプの魅力を語った座談会である、最後までお読みいただきたい。[編集部]

画像: オートサウンドウェブグランプリ選考メンバー。左から石田功氏、鈴木裕氏、藤原陽祐氏、黛健司氏、脇森宏氏、長谷川圭氏。

オートサウンドウェブグランプリ選考メンバー。左から石田功氏、鈴木裕氏、藤原陽祐氏、黛健司氏、脇森宏氏、長谷川圭氏。

パネラー・オートサウンドウェブグランプリ選考メンバー
[石田功、鈴木裕、藤原陽祐、黛健司、脇森宏、長谷川圭]
(まとめ=ASW編集部/写真=嶋津彰夫)

画像2: Auto Sound Web Grand Prix 2020:【特別座談会】ブロンズアワード獲得 ダモーレエンジニアリングA1500シリーズパワーアンプの魅力を語る

ASW:ブロンズアワード獲得モデルについてお話をうかがいます。2つとなったブロンズアワードのひとつでありますダモーレエンジニアリングのパワーアンプA1500シリーズについてお話をうかがってまいりたいと思います。本ブランドは、過去にロックフォードフォズゲートで2006年にリリースされたT15KWというモンスターパワーアンプがありましたが、その開発者が独立して2011年に立ち上げたブランドですね。それではまず藤原先生からお願いします。

藤原陽祐(以下、藤原):ダモーレエンジニアリングのほうがロックフォードよりもかなりいい印象ですね。ゴージャスな感じは、アメリカのいい時代の大出力アンプという印象です。音に粘りがあって、とてもしなやかで、懐が深いというか、ここというときにはビュンと出て……AVナビで語られた一体機の世界とは全く違う……このアンプの場合、それを一言でいうとゴージャスということになるんだけれど、音場空間の出方もそうだし、楽器の音色も低音の質感もたまらないです。

 これまでも大型の大出力パワーアンプは聴いてきたけれど、こういう質感で聴けるモデルはなかなかないので、圧倒的なインパクトがありました。もう少し安かったらいいなとも思うけれど、でも、こういう音の製品は他にないですしね。

 音の方向としては、スピード方向……レスポンスの良さがあって、過渡応答というところ……だけれども、やっぱりゴージャス。細かな特性の良さもあるけれど、そういう理屈をはるかに超えた音楽の楽しみ方みたいなものを目の前に突きつけられた感じすらします。ハッとさせられる音ですね。

画像: 藤原陽祐氏。

藤原陽祐氏。

長谷川 圭(以下、長谷川):確かにそういう印象ありました。音が出た瞬間に『そうそう、こういう世界があったよね!』と思わされてしまった。

ASW:ありがとうございます。では、鈴木先生はいかがでしたか?

鈴木 裕(以下鈴木):2chと4chがあって、どちらもとてもいいんですけれど、たっぷりした鳴り方……ジューシーで濃密でやわらかくて、音楽の極上な聴かせ方という面で2chが素晴らしかった。ハイレゾでチャイコフスキーのヴァイオリンコンチェルトを聴いたときに、ヴァイオリニストが身体の向きを変えて演奏する場面をちゃんと表現するんです。その情報量の多さも素晴らしいし、位相もしっかり整っている、良くできたアンプだと思います。

 試聴時のメモには「そこらのホーム用アンプよりいい」って書いてあるんです(笑)。

一同:(笑)。

藤原:言いたくなる気持ちわかる(笑)。

鈴木:カーオーディオのコンテスト会場にはいいクルマが集まっていて……ドイツやイタリアの高級車、上質な室内で赤いレザーシートだったりするクルマに乗り込むことがあります。そういうときに思う『あぁ、こんな音が聴けたらいいなぁ』という“こんな音”がこのダモーレエンジニアリングのアンプだと聴ける。ひじょうにオーディオ的に魅力があります。最近こういう音が聴ける製品が少ないので、値段は高いけれどこのモデルがいつまでもあって欲しいと思いました。

画像: 鈴木裕氏。

鈴木裕氏。

ASW:ありがとうございます。脇森先生の印象はいかがでしたか?

脇森 宏(以下、脇森):2チャンネル機のA1500.2の話になりますが、聴いたときにオーディソンのHV Ventiそっくりだと感じたんです。なぜイタリアとアメリカのアンプの話になるか、どこでつながるのか自分でもよくわからないんですが、もしかすると同じような感性の人が造ったのかなと思ったりもしました。あと時代も違っていて、かたや10年以上昔の製品、なのですがひじょうに近いところにいる……音色など含めて音全般にそう感じました。いまこの機械を直接すぐ聴ける人って少ないかもしれないけれど、もしイメージとして捉えるのであればHV Ventiの搭載車を聴いてもらえれば、『こういうニュアンスの音が聴けるのか』と想像しやすいんじゃないかと思います。

 これは偏見だったかもしれないけれど、ああいう音ってイタリアの人が得意とする造り方なのかなと思っていたんです。でもそれがアメリカで……、ロックフォードで……なぜできたんだろう……と(笑)。

一同:(笑)。

石田 功(以下、石田):ナゾなんですね?(笑)

脇森:そう。自分の中でつながらないんです(笑)。

鈴木:この設計者にはインタビューとかしてみたいですよね。

長谷川:ダモーレさんですね。

画像: 脇森宏氏。

脇森宏氏。

ASW:輸入販売元のイース・コーポレーションに確認してみます。コロナが収束してからになるでしょうが、機会があるようでしたらお話をうかがってみたいですね。それでは、石田さんのお話もうかがわせてください。

石田:はい。あの、最初にこのアンプを見たときにはちょっと……

ASW:取材の時、微妙な表情されましたよね?(笑)。

石田:(笑)。いや、あの……。

ASW:『これを聴くの?』というように見受けられたんですが(笑)。

石田:最初はね……(笑)。でも、音を聴いてみたら、びっくりしました。弾力感があるというか、躍動感もあってね。意外に感じたのは、ちゃんと音像がはっきり出るところ。しかも実在感があるのにも驚きました。なんといっても音が楽しい。久しぶりにいい音のアンプを聴いた気がしました。A1500.2だと、モノーラルアンプを2台合体させた構成で、その良さが音によく出ていました。

 こんな音が出せるなら個人的にも欲しいと思わせるんですけれど、これを使ってマルチアンプドライブをと考えると……いろいろ大変なことになる……悩ましい製品でもあります。

ASW:試聴取材されたときに、石田先生はこのアンプでいくつかスピーカーも聴かれていましたが、スピーカーによる音の違いもよく出していましたよね?

石田:そう。はっきり出ていましたね。しかも、どのスピーカーも違ってながら全部いいんです。たとえばグランプリを獲ったイートンのスピーカーなど、ダモーレで鳴らしたとき凄くよかった。カロッツェリアのTS-Z900PRSでは鳥肌たちましたし。聴き応えがすごい。

画像: 石田功氏。

石田功氏。

ASW:ありがとうございます。続いて、黛先生はいかがでしたか?

黛 健司(以下、黛):値段も値段ですし、製品のサイズなどさまざまなことから考えて、この製品を使う人というのは限られてくると思うんです。ましてやこれを聴かないで買うというのはまずないでしょう。だからやはりデモカーなどで、自分で聴いてこの音が気に入って入手されるという方がほとんどだろうと思います。

 でも、こういう製品、たとえば今回グランプリを受賞しているマイクロプレシジョンなどもですが、よき時代のカーオーディオの世界をまた思い出させるようなところがあります。最近贅沢な物ってなくなってしまいましたよね? クルマも変わってきてしまったし、実際問題、これだけのものをどうやって載せるのか、クルマによっては載せられない物もあるだろうと思います。でも、この音が本当に良いなと感じた方は、「万難を排してでもお車につけられたらどうでしょう」と言いたい。

長谷川:確かに、いまこのアンプをどれだけの人が買われるんだろうと思いますが、でも、SNSなどではこのアンプを載せたクルマの情報がちらほら見受けられますね。

:やはり音を聴いて、完全にこの世界に魅入られて購入を決断する人がいるんですよ。それだけの魅力を持っているということですね。

画像: 黛健司氏。

黛健司氏。

長谷川:おっしゃるとおりだと思います。私も『この音を聴いたら恋に落ちるというか参ってしまう人は少なくないだろうな』と思いました。

石田:これがもっと小さいアンプだったら、迷いなく選ぶでしょうね。

長谷川:T15KWを造った人ですしね、それから比べるとA1500はかなりコンパクトになってますから、もしかしたらより小型のモデルも造ってしまうかもしれないですね。

石田:そうか、T15KWってとんでもなく大きかったですもんね。あれから比べたら確かに劇的に小さくなっている。

長谷川:要望があれば、もしかするとコンパクトなダモーレエンジニアリングアンプが誕生するかもですよ。

石田:個人的にはトップパネルのメーターとかいらないから、小さくして……。

長谷川:ブランドロゴにも描かれている象徴的なデザインですから、あのメーターがなくなるのは考えにくいでしょう(笑)。

ASW:今後の製品開発にも期待が持てるとは、A1500シリーズの評価はかなり高いことがわかりますね。この記事をお読みの皆さんにも、ぜひ聴いてみていただきたいですね。

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