画像1: Auto Sound Web Grand Prix 2020:カロッツェリアTS-Z900PRSがシルバーアワードを獲得した理由
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本当に目の前で楽器を弾いているかのような本物感だ
素材よりも構造、そして位相が重要だということに気づかされた

文=石田 功

 このスピーカーは今回の試聴前に山形県天童市にある東北パイオニアの試聴室やデモカーでも聴いていたのでその素晴らしさはわかっていたつもりだったのだが、今回の試聴でその凄さを改めて実感できた。とくにダモーレ・エンジニアリングの2chアンプと組み合わせて聴いた時の音がすごかった。試聴室で音楽を聴いて、思わず鳥肌が出るほどの感動を覚えたのは、本当に久しぶり。それほど、近年稀に見るような素晴らしい出来の組合せだった。

 特に音場感が素晴らしい。一般的に音場感が優れた機材を表現するときには、優れた音場とか音像がリアルといった言葉を使うと思うが、この新PRSスピーカーはそんな生易しい言葉では語れないリアルさ。本当に目の前で楽器を弾いているかのような本物感だ。それは、おそらくトゥイーターとミッドレンジで原理的に位相のズレが発生しないというCSTドライバーの構造によるものだろう。いくら素晴らしいユニットでも位相を管理していないスピーカーのバラバラ感はいかんともしがたく、それが故にカーオーディオではどうしても違和感とか、どこか作った感があったのだが、このスピーカーにはそれがまったく無い。聴く前はTADのCSTドライバーと比べてベリリウムがアルミのバランスドームになっているし、なんだかなぁ…と思っていたのだが(笑) 素材よりも構造、そして位相が重要だということに気づいた次第。優れたアンプとの組合せでより良さを引き出せるスピーカーだ。

「CSTドライバー」を市販車載スピーカーとして初めて実用化
8オクターブもの帯域の情報が一箇所から発音されるメリットは計り知れない

文=藤原陽祐

 パイオニアが世界に誇るハイエンドブランド、TADのコア技術「CSTドライバー」を、市販の車載スピーカーとして初めて実用化した話題のモデルだ。同技術はトゥイーターとミッドレンジを同軸上に配置したポイントソース(点音源)型同軸スピーカーで、音の出所を一点に収束することが可能。取り付け場所の制約が大きいカーオーディオの場合、その優位性は極めて大きく、自然な定位、空間の拡がりが得られる。特にCSTはトゥイーター部のマッチングホーンとミッドレンジのコーン形状をシームレス化し、トゥイーターの指向性を最適制御しているため、試聴時のサービスエリアは大きく拡大されたという。また口径73mmのCSTドライバーは通常の分離型2ウェイと同等の取り付け法で、そのまま3ウェイ化できるという大きな利点もある。

 さて実際のサウンドだが、明確なヴォーカルの定位といい、雄大な空間の拡がりといい、その情報量、表現力からスピーカーとしての素性の良さが実感できる。特に女性ヴォーカルは適度な潤いも含み、口元の動きが感じ取れるほどニュアンスが豊かだ。ウーファーはCSTドライバーの持ち味を引き立たせるためか、量感ではなく、レスポンス重視の仕上がり。天井高く、奥向き方向にスムーズに拡がる響きは重厚で、ひずみ感もない。目の前にフワッは解き放され、浸透し、消えていく様子が実に新鮮で、清々しい。8オクターブもの帯域の情報が一箇所から発音されるメリットは計り知れない。

画像: 「CSTドライバー」を市販車載スピーカーとして初めて実用化 8オクターブもの帯域の情報が一箇所から発音されるメリットは計り知れない

カロッツェリア carrozzeria
TS-Z900PRS
¥128,000(税別) 

SPECIFICATION
●型式:セパレート型2ユニット3ウェイスピーカー
●使用ユニット:ウーファー・170mmコーン型、ミッドレンジ・73mmコーン型、トゥイーター・26mmバランスドドーム型(ミッドレンジとトゥイーターは同軸構造のCSTドライバー)
●定格入力:50W
●最大入力:180W
●出力音圧レベル:84dB
●インピーダンス:4Ω
●再生周波数帯域:30Hz〜90kHz
●クロスオーバー周波数:690Hz、3.35kHz
●フィルタースロープ:ウーファーLPF・-18dB/oct.、ミッドレンジHPF・-12dB/oct.、ミッドレンジLPF・-12dB/oct.、トゥイーターHPF・-18dB/oct.

■問合せ先
パイオニア カスタマーサポートセンター
電話番号:0120-944-111 (固定電話からフリーダイヤル)/0570-037-600 (携帯電話・PHSからナビダイヤル)/050-3820-7540 (上記電話番号利用不可の場合)
受付時間:9:30~18:00(月曜~金曜)
Eメール:サイトメール

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