画像1: Auto Sound Web Grand Prix 2019:オーディソンTHESIS IIスピーカーがGrand Prixを獲得した理由
画像2: Auto Sound Web Grand Prix 2019:オーディソンTHESIS IIスピーカーがGrand Prixを獲得した理由

楽器の名が与えられたユニットの音色が実に魅力的
女性ヴォーカルはゾクゾクするほど色っぽい音色で聴かせる

文=石田 功

「名は体を表す」ということわざがあるが、先人は良く言ったもので、このスピーカーをよく表していると思う。オーディソン の新しいフラッグスピーカー、THESIS IIのことだ。このスピーカーには、トゥイーターのTH1.6IIに「Vionino」、ウーファーのTH6.5IIに「Sax」という具合に、それぞれのユニットに楽器の名前が与えられているが、それらの音色が実に魅力的。潤いを持っているというか艶っぽいというか響きがきれいというか。一言でいうと「エロい」音なのだ。この音を聴いて、ツボにハマる人は多いのではないかと思う。

 とくにヴァイオリンなどの弦楽器の響きは、最高に気持ち良い。またヴォーカルの声の艶っぽさ。女性ヴォーカルを聴くと、ゾクゾクするほどの色っぽい音色で唄い上げる。サックス等の管楽器は聴いていないが、おそらく同じような勢いで感動するのだろう。かなり個性的な音なので使う人は絞られそうではあるが、この音が好きな人は「これ以上のものはない」くらいにとことん好きになりそうな音である。今時のスピーカーはグローバル化が進んでいて、音でお国柄がわかることが少なくなっている。そのため、良いんだけどつまらないスピーカーも増えているように感じている。そんな中で、このような個性的なスピーカーは貴重だと思う。

 デザインの美しさも秀逸。「体は音を表す」ということわざはないが、このスピーカーには当てはまる言葉といえる。フレームを見ると、どう見ても華奢。それが、取り付けて隠してしまわずに飾っておきたいような美しさにもつながっているのだが、その見た目のように強い音はしない。しかし、表現は繊細。細かい音までクリアに聴こえるし、弱い音の表現力の高さにもつながっているようだ。今回、ウーファーの振動板を半透明のものに変えているが、見た目にも音にもその効果が表れているようだ。

 個人的にはドラムスのアタック音が強く出て欲しいので好みからはちょっと外れるが、この音が好きな人はとことんハマりそうな魅力的な音であることは間違いない。

38mmドームトゥイーターの存在感が強いサウンド
分解能高く、複雑な音色感を表現してくる

文=鈴木 裕

 イタリアのオーディソン。かつてのパワーアンプ、THESIS HV VENTIは今でも強く心に残っているが、最近のDSPなどでもヨーロピアンらしい味わいの音にメーカーの伝統を感じている。本機はフラッグシップTHESISシリーズ、その2ウェイのドライバーユニットだ。両機ともII型であり、設計思想なども共通したものを持っているようだ。

 トゥイーターTH1.5IIviolinoはシルクのソフトドームの38mm径。1.5kHz(–12dB/oct)でのクロスを可能とすべく、共振周波数を800Hz未満に設計している。高域は26kHzまで。ボディ本体はアルミの削り出しだ。

 ウーファーTH6.5IIsaxは165mm径。振動板の透明な素材はTPX(ポリメチルペンテン)で、通常のプラスチックよりも軽量。融点が220度と高温にも強い素材だ。バスケットフレームはダイキャストのアルミ製で熱伝達を最適化。乱気流を排除しつつも高い剛性を持たせるため、2本×4組というスポーク構造を取っている。いずれのユニットも磁気回路には強力なネオジウム磁石を採用。

 その音はさすがに強力なドライバー特有の高いポテンシャルを持ち、特にトゥイーターの存在感が強い。クラプトンの「アンプラグド」を聴くと、オーディエンスの拍手の手数がかなり多く、その分解能も高い。アコースティック楽器の倍音の立ち上がりが俊敏で、複雑な音色感を表現してくる。クラプトンの声のひなびたニュアンスの中に意志の強さを感じさせてくれたり、女性コーラスの漂うような艶やかさもチャーミングだった。

 クラシックのソフトではたとえばピアノの高音のキンッという響きや中域の転がるようなニュアンスがきれい。低域は清潔な音色感を持っていて、ピアノの低音やグランカッサ(大太鼓)も純度高く再生してくる。

 全体的には品の良さを持った音だ。日本市場ではDSPのチャンデバで使われるだろうが、そのおいしいところを探っていきたい、高いポテンシャルを持った2ウェイと思う。

オーディソン audison
TH1.5IIviolino/TH6.5IIsax
¥125,000/¥180,000(ペア/税別)

specification
TH1.5IIviolino
●ユニット:38mmドーム型トゥイーター
●定格入力:200W(peak、1.8kHz:-12dB/oct.)
●出力音圧レベル:93dB
●再生周波数帯域:800Hz〜26kHz
●インピーダンス:6Ω
●取付穴径:Φ66mm
●取付奥行:22.4mm(ボトムケース装着時)
●備考:グリル付属
TH6.5IIsax
●ユニット:165mmコーン型ウーファー
●定格入力:150〜300W
●出力音圧レベル:87dB
●再生周波数帯域:40Hz~4.5kHz
●インピーダンス:4Ω
●取付穴径:Φ143mm
●取付奥行:74.5mm
●備考:グリル付属

■問合せ先:
トライム株式会社
電話番号 092-986-1601

≫Auto Sound Web Grand Prix 2019受賞製品一覧

This article is a sponsored article by
''.