画像: JBL Fest. 2018の会場となったホテル「SLSラスベガス」正面玄関ともいえる車寄せには巨大なJBLロゴが飾られていた。

JBL Fest. 2018の会場となったホテル「SLSラスベガス」正面玄関ともいえる車寄せには巨大なJBLロゴが飾られていた。

音楽を全身で楽しませる演出も

 米国ラスベガスのホテル、SLSラスベガスにあるプール施設、プールサイドに設営されたステージではアメリカの超人気ラッパーPitbull(ピットブル)がパフォーマンスを演じている。時計は21時をまわり、プールの周辺にはアメリカはもちろん、ヨーロッパ、アジアの各国から集まったオーディエンスが、リズムに合わせて踊っている。Pitbullが演じる前には、オーストラリアの女性DJ、Tigerlily(タイガーリリー)がステージを務め、会場を大いに盛り上げた。身体の芯に響くビートとともに、楽曲の1音1音を余さず伝えてくるサウンドは、自然に身体を動かす。

 このライヴステージは、ハーマンインターナショナルが主催したJBL Fest 2018のプログラムのひとつ。会場を埋めるのは、世界から集まったゲストである。ステージから繰り出されるエモーショナルなサウンドは、もちろんJBLのアレイスピーカー、会場内には彩り鮮やかなBTスピーカーPULSE3が飾られ、マルチカラーLEDがライヴを一層もり立てている。

 JBL Festは、名前の通りグローバルオーディオブランド「JBL」の祭典だ。2017年にブランド誕生70周年を迎えたことを受けてイベント企画として開催され、1年後の今年も前年同様に世界各国からゲストを招き実施された。イベントのプログラム最大の催しが、先述したライヴなのだが、そのほかにもセミナーや試聴体験といった企画が組まれ、実に3日間にわたる大型催事となっている。

日常生活のさまざまなシーンで音を奏でるJBL

 JBL Festの最大の目的は、生活のあらゆるところにJBL製品が存在しうることを周知することで、ライヴはその最大効果を狙ったもののようだ。この目論見は、ライヴ会場に立ち入った瞬間に成功していると感じられた。ライヴ以外のセミナーでは、「JBLのある日常」とでも題されそうな演劇鑑賞があったり、「音楽の聴き方」と題された講演が組まれたりした。

 演劇では、スマートスピーカー「JBL LINK」やヘッドフォンあるいはイヤフォンが随所に登場するほか、ホームパーティのシーンではBTスピーカーも登場、音楽のある生活=生活に密着したJBL製品がフューチャーされた。劇中の登場人物はいずれも、JBLサウンドが常にある日常を満喫しており、思わず「JBLでこれだけ揃うのか……」と物欲に火が付きそうな想いを抱いたほど。

画像: 日常の暮らしを描いた劇中のワンシーン。仮装した友人同士がホームパーティで踊り出すという場面なのだが、この時の音源はスマートフォンとリンクしたBTスピーカーだった。

日常の暮らしを描いた劇中のワンシーン。仮装した友人同士がホームパーティで踊り出すという場面なのだが、この時の音源はスマートフォンとリンクしたBTスピーカーだった。

画像: ステージ上にはJBLのウォータープルーフ対応Bluetoothスピーカー BOOMBOXが鎮座し、ホームパーティシーンを演出していた。

ステージ上にはJBLのウォータープルーフ対応Bluetoothスピーカー
BOOMBOXが鎮座し、ホームパーティシーンを演出していた。

塩梅が音楽を最大限に楽しませてくれる

 個人的にとてもユニークで、興味深く感じたのは「Liten to MUSIC」というセミナー。会議室には、小さなステージが用意され、中央にドラムセット、ギターアンプやマイクスタンドも用意されており、さながら小さなライブハウスといった様相だ。このセミナーで語られたのは、音楽を構成する要素とそのバランスの重要性についてで、ギター、ベース、ドラム+ヴォーカルの小編成ユニットで実際の演奏を交えた解説が行われた。

 はじめは、イコライザーで低音をカットしたり、中音を極端に下げたり、高音をしぼったりと帯域バランスを変化させた場合に聴こえ方がどのように変化するかを紹介。次に各楽器の音量バランスを変化させた場合の聴こえ方の違いを確認した。これだけでも、正しいバランスで音楽を聴くことがいかに大切かがわかるのだが、本セミナーではさらにユニークな解説が続いた。

 来場者の面前にそれぞれ運ばれてきたのは、1枚の皿。数個のカップが伏せて並べられている。司会者に促されて、ひとつひとつのカップを持ち上げると、その下からは食材が現れた。チコリ、ブルーチーズ、ジャム、生ハム、そしてそれらの食材がひとつになったチコリボート。各食材の風味や塩味、甘みが上手くバランスして絶妙な味のハーモニーとなることを、音楽の例えのひとつとしたもので、なるほど料理と同じく塩梅がよくなければ音楽も成り立たないのだと納得した次第。

画像: 音楽の構成要素を生演奏で紹介。バンドメンバーはすべてJBLのスタッフである。

音楽の構成要素を生演奏で紹介。バンドメンバーはすべてJBLのスタッフである。

画像: 低音、中音、高音と大まかに楽器を分類して解説。その上でトーンコントロールによる、帯域ごとのレベル変化で音の聴こえ方がどのように変化するかを説明した。

低音、中音、高音と大まかに楽器を分類して解説。その上でトーンコントロールによる、帯域ごとのレベル変化で音の聴こえ方がどのように変化するかを説明した。

画像: こちらは、音楽を構成する音のバランスを料理の味にたとえて紹介したもの。皿の中央に各食材が一緒になったチコリポートが置かれ、その周りに食材が並ぶ。チコリポートを構成する食材それぞれを食べると塩味や甘みが強すぎたりするが。合わせた調理を食べると絶妙な味わいとなる。音楽もこれと同じというわけだ。

こちらは、音楽を構成する音のバランスを料理の味にたとえて紹介したもの。皿の中央に各食材が一緒になったチコリポートが置かれ、その周りに食材が並ぶ。チコリポートを構成する食材それぞれを食べると塩味や甘みが強すぎたりするが。合わせた調理を食べると絶妙な味わいとなる。音楽もこれと同じというわけだ。

盛りだくさんの3日間

 このほかにも、現代のビジネスモデルを有名企業のキーパーソンやクリエイターが語る講演「ハーマン・ユニバーシティ」が開かれた。講演内容はさまざまで、招聘された人物はChris Epple氏(マーケティング・フォー・コンシューマー・オーディオ・アメリカ/バイスプレジデント)、Paul Chamberlain氏(アライド・eスポーツ・インターナショナル/チーフクリエイティブオフィサー)、Adrian Younge & Ali Shaheed Muhammed両氏(The Midnighthour/レコーディングアーティストとコンポーザー)Chris Turkstra氏(グーグル・アシスタント/ダイレクター)など、蒼々たる顔ぶれ。

 このとき登壇したThe MidnighthourのAdrian Younge氏とAli Shaheed Muhammed氏のお二人には、短いながらインタビューすることもできたので、別項にてご紹介する。

画像: ハーマン・ユニバーシティのステージで講演するThe Midnighthourのお二人。

ハーマン・ユニバーシティのステージで講演するThe Midnighthourのお二人。

 オートサウンドウェブとして気になるのは、カーオーディオに関するトピック。JBL fest 2018では、JBL純正搭載の車両体験の機会も設けられ、トヨタの新型カムリを聴くことができた。こちらも別項で詳しくご紹介する。

画像: JBL Fest.2018のプログラムのひとつで紹介されたデータ。あくまでアメリカでの数字ながら、音楽を楽しむ場所第1位はクルマの中だという。

JBL Fest.2018のプログラムのひとつで紹介されたデータ。あくまでアメリカでの数字ながら、音楽を楽しむ場所第1位はクルマの中だという。

画像: JBLカーオーディオ搭載車両の試聴をする筆者。

JBLカーオーディオ搭載車両の試聴をする筆者。

 Stereo Soundを長くお読みいただいているオーディオファンにとってJBLといえばハイエンドスピーカーや、シアター用スピーカーのイメージが強いかもしれない。しかし近年の同ブランドは、BTアクティブスピーカーやヘッドフォン/イヤフォンなど製品ジャンルの裾野を広げて、ユーザーも年齢層を下げ多くの新時代JBLファンを獲得している。また、2016年にサムスンの傘下となったハーマンインターナショナルだが、JBLをはじめ同社のオーディオ製品開発にサムスンの関与はなく、従来通りオーディオファンに愛される製品をリリースしていくという。資本面で強化された分、これまで以上に積極的な“攻め”のコンポーネント登場も期待できそうだ。

 「音楽を愛し、音楽ファンを大切にしていきたい」そんな意志を強く感じることができたJBL Fest 2018。今後のJBL製品が楽しみで仕方がなくなる体験であった。

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