自宅のネットワーク環境改善のために、13年ぶりに回線契約内容の見直しを考え始めたのが今年の3月のこと。そこから色々なサービスを調べてドコモ光10ギガに決定。さらに工事の段取りをして(1ヵ月待ちでした)、10Gbpsの回線が通じたのが4月に入ってからだった。
今回の我が家の契約では、ONU(光回線終端装置)とルーター(NTT東日本のXG-100NE)をドコモ側に準備してもらい、工事日に設置してもらっている。ただしルーターは光電話用のため無線機能は停止しており、WiFiルーターは自分で用意する。

今回は、eeroのWiFiルータートップモデル「Max 7」をテストした
そこについては、eeroの無線ルーター「Max7」を試してみたいと考えていた。eeroはアマゾンが販売を手掛けるブランドで、WiFi6対応の「eero 6+」、WiFi6E対応「eero Pro 6E」、WiFi7対応「eero Max 7」という3つのメッシュWiFiシステムをラインナップしている。
実は以前、Pro 6Eを自宅でテストしたことがあり、ネットワーク機器らしからぬデザインと設置の手軽さ、アプリの操作感のよさが気に入って、自宅に導入している。特にメッシュWiFiの設定が簡単で、現在はリビングのルーター直結で1台、少し離れた場所においたAVラック用に子機を1台設置して、子機にはApple TVやFire TV Cubeをつないでいる。
まずXG-100NEにPro 6Eをつないで無線LANの状態を試す。Pro 6Eは2.5Gbps対応モデルだが、それでも効果は期待できるはず。実際、Pro 6Eの前に使っていたルーターは、MacBook Air(M1)との組合せでの通信速度は『下り170〜190Mbps/上り80〜90Mbps』前後だった。これをPro 6Eに変えてみると、『下り230〜240Mbps/上り90〜100Mbps』前後にアップした。

eero Pro 6EとMacBook Air(M1)の組合せで通信速度を測定
この状態でも配信動画の4Kはストレスなく再生できるし、ハイレゾ音源の再生もスムーズに楽しめる。ファイルのダウンロードはもう少し早くなると嬉しいかなと思わなくもないが、普段使いとして不満はない。……のだけど、XG-100NEルーターまでは10Gbpsで来ていると考えると、もうちょっと贅沢をしてみたくなる。そこで、eero Max 7をXG-100NEとつないだらどうなるのかを確認する。
Max7はW184×H222×D90mmという薄型デザインで、背面下部に10Gbpsと2.5GbpsのLANポートをそれぞれふたつずつ備えている。XG-100NEの10GbpsポートをMax 7につなげば、無線接続時にもビットレートの余裕がでるはず。
なお設置に際してはこれまで親機として使っていたPro 6EをMax 7につなぎかえ、アプリのデバイス設定で「eeroを追加または交換」を選べばいい。メニューに従って設定していくだけで、メッシュ子機をいじることなく置き換えが完了した。この簡便さは大きな魅力だ。

無線ルーターをeero Max 7に交換したら、MacBook Air(M1)の速度もアップ
この状態でMax 7とMacBook Air(M1)の通信速度を確認すると、『下り480〜490Mbps/上り110〜120Mbps』をクリアー。Pro 6Eの約2倍ということで、効果あり! ……なんだけど、ふと思いついてMax 7と有線LANでつないでみたら『下り920〜930Mbps/上り360〜370Mbps』という数値が。いくら無線と有線とはいえこの差は大きいなぁ。
改めて考えてみると、MacBook Air(M1)はWiFi6対応モデル。それもあって無線と有線で差が出たのかもしれない。ということはPC側のスペックが上がれば通信速度もさらに上がるはず?
この時ちょうど別の取材でASUS「Zenbook S14」を借用していた。Zenbook S14はWiFi7モデルなので、通信速度を測ってみると『下り970〜990Mbps/上り450〜460Mbps』という結果が。つまり無線接続での数値が低めだったのはMacBook Air(M1)の問題ということになる。

eero Max 7とZenbook S14の組合せ。無線でこの数値が出れば最高でしょう
こうなると、スペックマニアとしては、我慢できない。MacBookAir(M1)も5年近く使ったんだし、と自分を納得させてMacBook Air(M4)を購入してしまいました(笑)。MacBook Air(M4)はWiFi6E対応で、確認してみたところ、『下り880〜890Mbps/上り190〜200Mbps』が実現できた次第。これならファイルダウンロードも快適だし、日常的に無線接続で生きていける。
結論として、ネットワーク環境をリニューアルしたら、10Gbps対応の通信機器が欲しくなって、さらにはPCまで買い替えることになってしまった。しかも携帯電話もiPhone12のレスポンスが気になり始めて、そろそろバッテリーの持ちが悪いしなぁと思い始めた次第。これは困った事態なのかな? (取材・文・撮影:泉 哲也)

我慢できずにMacBook Air(M4)を購入。eero Max 7との組合せではこれくらいの通信速度を実現できた