動画や音楽配信の普及もあり、最近は自宅でもそれらを楽しむ機会が多くなっている。さらにスマートスピーカーやセキュリティカメラなど自宅の無線ネットワークにつながる機器も、気がついたら30台近くに増加している。また最近はほぼ自宅勤務ということもあり、仕事で必要な資料をダウンロードする際の待ち時間が長く感じられることも……。
そんなこともあって、自宅のネットワーク環境を久々に見直してみることに。そもそも我が家では13年前の引っ越しの際にNTTフレッツ光に契約し、その後AsahiNetの光接続サービスで回線とプロバイダー契約を統合していた。当時は回線速度も選択肢がなく、特にその点を意識することもなかった。

13年間使っていたONU一体型無線ルーター
しかし最近は1Gbpsや10Gbpsを謳うサービスも登場していて、使用料も下がってきているらしい。ということで、一番手間とコストがかからない方法を探ってみた(あくまでも我が家の場合ですが)。
条件は、プロバイダーは変えない(メールアドレスはそのまま)、固定電話(光電話)も引き続き使用、面倒な工事は避けたい、の3つ。さらに毎月の回線&プロバイダー料金(これまでは月額¥5,368)も極端に上がらない方が望ましい。
AsahiNetが提供している光サービスは、一戸建ての場合1Gbpsが¥5,698で、10Gbpsでは¥7,128(それぞれ契約時に割引サービスあり)というもの。1Gbpsなら数百円の差でアップグレードできるけど、この先しばらく使うことを考えるとこの機会に10Gbpsにしておいたほうがいい気もする。その場合は月々2000円弱のコスト増。さてどうするか。

左が10Gbps対応のONUで、右は無線ルーターのXG-100NE。光電話を使うためにはXG-100NEが必要でした
とか考えながらネットサーフィン(もはや死語?)をしていたら、ドコモ光のサービスに行き着いた。こちらは10Gbpsで月額¥6,600、光電話サービスを追加すると¥7,150とAsahiNetの10Gbpsとほぼ同じ。そこからドコモの携帯料金が割引されるなどの特典があるという。
さっそく近所のドコモショップで見積もってもらうと、そもそも携帯電話の契約にも無駄があったようで、僕と家内の2回線をirumoに変更し、データ量も見直してもらったところ、ドコモ光+携帯料金で¥13,000〜14,000に収まりそうとのこと。これまで携帯料金が1万円弱だったので、ドコモ光に統合すれば使用料金はほぼ同じで通信速度が10Gbpsにアップグレードできることになる。しかもプロバイダーもそのままで、光電話も番号の変更なしで使えるとのことで条件はほぼクリアー。
ただし、この料金は一戸建てタイプの契約で、かつ携帯電話のギガをほとんど使わない(音声通話が中心)という条件です。僕と同じようにネット環境の変更を考えている方は、必ずご自分の使い方を説明して見積もりを取ってください。
ということで、我が家のネットワークはドコモ光の10Gbpsに変更することに。また契約時のキャンペーンで使用料を半年間値下げしてくれるとのことで、ありがたく使わせてもらう。

壁コネクターからの光ケーブルをONUにつなぎ、ONUのLAN出力をXG-100NEに入れる
さて、今回は通信速度を10Gbpsにアップグレードするので、ONU(光回線終端装置)の交換も必要になる。ドコモ光では10Gbps対応のONU一体型ルーターが準備されていないので、ONUとルーター(NTT東日本のXG-100NE)が必要になり、XG-100NEの使用料は別になるとのこと。
10Gbps対応無線ルーターについては目星をつけていたので、そちらを使おうと思っていたんだけど、ドコモショップのスタッフによると動作確認を取れているルーターはXG-100NEだけで、それ以外のルーターについては自己責任で対応してください(!)とのこと。つまり工事日にONUを取り付けてもらっても、もしルーターが対応していなかったら、改めて工事日を決めてXG-100NEを設置してもらう必要があるらしい。
ただ我が家の場合は光電話も申し込んでおり、そのためにはXG-100NEが必要なので、ONU+
XG-100NEを同時に設置してもらえた(XG-100NEの使用料は光電話の代金に含まれる)。その場合XG-100NEの無線LAN機能は停めた状態で設置されるそうだけど、上記の通り無線ルーターは心づもりがあったのでそこは問題なし。何ともややこしかったけど、結果オーライになりました。

これまでの契約内容で無線ルーターの「eero Pro 6E」とMacBook Air(M1)を組み合せた場合、通信速度は上記のような結果だった。もともとのネットワークが10Gbpsになると、もっと速くなるはず
工事自体は、30〜40分といったところ。作業員の方がONUとXG-100NEを持ってきてくれるので、今までの機材と交換し、サーバー側の回線を切り変えれば終了。晴れて10Gbpsデビューできた次第。ちなみにこれまでの回線は工事日の朝8時頃に停止、新しい回線は工事が終わるまでは使えないので、その間は家庭内ネットワークは停止します。仕事などでネット回線が必要という方は、その日だけでもモバイル環境を準備した方がよさそうです。
ということで、自宅ネットワーク環境リニューアル計画第一弾は無事終了。次回は無線LAN環境の設定と、通信速度にどんな変化があったのかを紹介します。(取材・文・撮影:泉 哲也)