Vienna Acoustics(ウィーン・アコースティクス)から、フロア型スピーカーの新製品「Mozart SE Signature」が発売された。Rosewood仕上げが¥715,000(税込、1台)、PianoBlack/Cherry/PianoWhiteが¥632,500(税込、1台)。
同ブランドの「Mozart」スピーカーは、スリムでありながらエレガントで力強いモデルを目指して1990年に誕生した。その後、長年にわたるヨーロッパ最高峰の家具職人との協業を経て、デザイン、技術、性能のすべてにおいて進化を遂げてきた。今回のMozart SE Signatureはその到達点のひとつという。

左から、PianoBlack、Cherry、PianoWhite
「Symphony Edition」シリーズから12年が経過していること、そして「Beethoven Reference」シリーズでの大幅な性能向上を受け、全面的な技術刷新と細かなチューニングが施されている。クロスオーバー設計、内部ダンピング、バスレフポートの改良に加え、新しいモーツァルトにはリファレンスシリーズと同じ大型ツイーターが採用されている。これにより、従来モデルを凌駕する表現力と精緻な音質を可能にしたそうだ。
搭載されている28mmシルクドーム型ツイーターは、Scan Speak社との共同開発により生まれた
ウィーン・アコースティクス専用設計で、熟練の職人による手作業でひとつひとつ生産されている。
ミッドレンジとウーファーには「X3P Original SpiderCone Driver」が使われている。TPX(ポリメチルペンテン)をベースに、3種類のポリプロピレン系素材を組み合わせた独自の高機能樹脂「X3P(XPP)」を採用、質量を抑えながら高剛性と最適な内部損失を両立した素材で、広帯域にわたる滑らかで自然な音の再生を実現するという。
ミッドレンジには、精密にコントロールされたX3Pコーンと、新設計のインバーテッド・ラバーサラウンドを組み合わせることで、共振を抑えつつエネルギーロスのない理想的なダンピング性能を実現。ウーファーには、6インチサイズのスパイダーコーンを搭載。振動板に独自のクモの巣状リブ(スパイダーリブ)を施すことでさらなる剛性を確保、強力なエネルギーを無駄なく放出する。
ミッドレンジとウーファーは単純に並列接続されているのではなく、低域では両方が同時に作動し、高域に向かうにつれて下側のウーファーが緩やかに減衰する2.5ウェイを採用。周波数に応じた最適な放射パターンを実現している。
「Mozart SE Signature」の主なスペック
●形式:2.5ウェイ3スピーカー、バスレフ型
●使用ユニット:28mmシルクドーム型ツイーター、152mm X3Pミッドレンジ、152mm X3Pウーファー
●再生周波数特性:30Hz〜22kHz
●能率:90.0dB/2,83V/m
●インピーダンス:4Ω
●寸法/質量:W260×H996×D312mm(突起部、脚部含む)/23kg