先週末に幕張メッセで開催されていた「スター・ウォーズ セレブレーション ジャパン2025」。世界中から『スター・ウォーズ』ファンが集まり、さらに今後の劇場作品についての情報も明かされるなど大いに盛り上がった。

 今回の「スター・ウォーズ セレブレーション」では、ライブステージでの発表の他にも、キャストのサイン会&写真撮影やファングループディスプレイなど様々な展示が行われており、加えて多くの『スター・ウォーズ』グッズが並んでいるのも魅力だった。

画像: 「スター・ウォーズ セレブレーション」ライブステージ

「スター・ウォーズ セレブレーション」ライブステージ

 そのひとつ、Hasbro(ハズブロ)では今回「STAR WARS: THE BLACK SERIES」(ブラックシリーズ)と「STAR WARS: THE VINTAGE COLLECTION」(ヴィンテージコレクション)の新製品13モデルを発表した。

 参考までに、ハズブロはアメリカを本拠地とする世界的玩具メーカーで、同社の『スター・ウォーズ』フィギュアは、ファンなら一度は手にしたことがある(はずの)定番アイテムだ。新たに登場したのは、映画・ドラマ・ゲームを基にしたフィギュアやヘルメットで、また今回の「スター・ウォーズ セレブレーション ジャパン」限定の商品として「ローニン&R5-D56」のフィギュアも含まれていた。

 同社ブースにはその新製品がディスプレイされていて、ファンがじっくり観察したり、写真に撮ったりとそれぞれ楽しんでいた。その中で僕が気になったのは、ブラックシリーズ「スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望 ハン・ソロ」と「チューバッカ」で、またヴィンテージコレクションの「バンサ&タスケン・レイダー」もこれまでとは違うラインナップとして興味深かった。

画像: ヴィンテージコレクションより「ジャバのセール・バージ)

ヴィンテージコレクションより「ジャバのセール・バージ)

 さて今回、ハズブロのブランド開発&マーケティングシニアグローバルマネージャーJing Houle(ジン・フーレ)さんと、プロダクトデザインマネージャーChris Reiff(クリス・ライフ)さんに、同社の物作りについてお話をうかがうことができた。以下でその内容を紹介したい。

――おふたりは、今回が初めての来日とのことでした。日本では昔から『スター・ウォーズ』のフィギュアは人気がありますが、そのことはご存知でしたか?

ジンさん 『スター・ウォーズ』のフィギュアは世界中にファンがいますからね(笑)。もちろん、日本にもファンがいるということは聞いていましたが、どんなファンなのかということは知りませんでした。

 今回直接お会いして、皆さんが私どもの製品のどういった所を見ているのか、どういう風に楽しんでいるのかを知ることができました。中には、弊社のフィギュアを親御さんから息子さんにという形で、時代を超えて使っていただいているといったお話も直接聞くことができました。そういったファンが日本にいるということが、今回よく分かりました。

画像: 左がハズブロ ブランド開発&マーケティングシニアグローバルマネージャーのジン・フーレさんで、右がプロダクトデザインマネージャーのクリス・ライフさん

左がハズブロ ブランド開発&マーケティングシニアグローバルマネージャーのジン・フーレさんで、右がプロダクトデザインマネージャーのクリス・ライフさん

――僕も含めて日本のファンは、フィギュアのディテイルや作り込みにこだわりがありますし、製品の仕上がりにも注目しています。御社の製品はそういった点でも期待に答えてくれていると思いますが、フィギュアをデザインするにあたって、注意してるポイントはありますでしょうか?

クリスさん ありがとうございます。そこについては、弊社はルーカスフィルムともつながりがありますので、元となるキャラクターや模型について、とてもいい写真が撮れるのです。そして必要があれば、実際の人物やアイテムに対しての3Dスキャンも行っています。

 それらのデータから、我々のチームが素晴らしい原型を作ってくれるのです。それを元にして香港の会社と協力して金型を制作し、実際の製品まで仕上げています。こういった過程を踏むことで、細部まできちんとした表現ができているんだと思います。

――写真撮影や3Dスキャンの際には、撮影で使った着ぐるみや模型を使っているのでしょうか?

クリスさん そうです。実際に撮影で使ったコスチュームを着て、色々な方法で写真を撮ってくれるんです。そこではブーツやベルト、ポーチといった細かい部分まできちんと撮影してくれます。コスチュームを着た状態で3Dスキャンを撮って、その3Dデータで情報が足りない場合には、高解像度の写真を使うことによって、情報を補うことが可能になっています。

――『スター・ウォーズ』の世界では、実際には存在しないコスチュームであったり、グッズも多いと思います。そういったものの作り込みで苦労はされませんでしたか?

クリスさん そうですね、簡単なことではありませんでした。しかしわれわれのチームはみんな専門家なんです。彼らは経験が豊かで、スキルも蓄えています。専門家それぞれがしなければいけないことをする、それによって、チャレンジングな仕事ではあるんですけれども、できないことではないと思っています。

画像: 「スター・ウォーズ セレブレーション ジャパン」限定モデルの「ローニン&R5-D56」

「スター・ウォーズ セレブレーション ジャパン」限定モデルの「ローニン&R5-D56」

――今回はブラックシリーズの新製品も多く発売されました。前から気になっていたんですが、この「ブラック」というシリーズ名にはどんな意味が込められているんでしょう?

ジンさん そうですね(笑)、率直にいうとブランディング用語という意味合いが大きいですね。アメリカでは黒いスーツなどには、改まったグレードの高いものというイメージがあるので、そういった意味で使っています。

 ブラックシリーズのフィギュアは6インチサイズで、他にヘルメットなどもあります。これらはプレミアムなラインと考えてください。ビンテージシリーズではもっと小型のフィギュアもラインナップしています。

――今回発表された新製品の中では、ローニンのフィギュアが注目を集めていると聞きました。こちらはオリジナルの『スター・ウォーズ』9作品とは異なるシリーズのキャラクターですが、シリーズによってフィギュアのデザインなどを変えている部分はありますか?

ジンさん どの映画、どのシリーズに対してもそうなんですが、作品の中で表現されていたことをフィギュアとしてどう再現し直すかということが重要だと思っております。

 ローニンでは、アニメシリーズの『スター・ウォーズ:ビジョンズ』の世界観をどのようにして表現するかを考えました。今回のフィギュアでは、マントの引きずり方、広がり方がひじょうに重要ですし、特徴的だと思っています。『ビジョンズ』シリーズの中でもかなり印象的なキャラクターですので、フィギュアではマントの中にワイヤーを入れるなど、どのようにして躍動感を保っていくかを重視しました。

画像: ヴィンテージコレクションの「バンサ&タスケン・レイダー」

ヴィンテージコレクションの「バンサ&タスケン・レイダー」

――オリジナルシリーズのファンとしては、新製品の中ではバンサ&タスケン・レイダーも気になります。『ビジョンズ』とはまったく違う野生の生き物として、フィギュアを作る際のアプローチも違ったと思います。

クリスさん 今回のフィギュアのデザインで難しいと思ったのは、バンサですね。というのも、バンサには毛がありますので、その流れ方、かかり方や、あと口元の表現をどうするかがひじょうに難しかったのです。

 これまでの私たちの商品では、プラスチックと繊維を組み合わせることがあまりなかったので、それもすごく難しいところではあったんです。しかしそこについても、開発チームがうまくデザインしてくれたと思います。

――今、バンサのフィギュアを拝見して、映画のシーンにイメージが近いのでびっくりしました。この仕上がりなら、日本のファンも気に入ると思います。

クリスさん それこそ私達が望んでいることです。今回日本でバンサをリリースできたのも、いいタイミングだったと思います。

画像: メインキャラクターのライトセーバーがずらりと並んでいた

メインキャラクターのライトセーバーがずらりと並んでいた

――さて、『スター・ウォーズ』ファンとしてはライトセーバーは欠かせません。今回のブースにも色々なライトセーバーが展示されていますが、すべて実際に使える(遊べる)ようになっています。これらについて、デザインをする際の苦労点を教えていただけますでしょうか。

クリスさん デザインもそうなんですけが、ライトセーバーには光ったり、効果音が出るといった機能もついていますので、本体が大きくなりすぎないようにするのが難しかったですね。映画本編と全然違うといったことにならないように、できるだけオリジナルのイメージのままで手に取ることができるようにするのが、大きな挑戦でした。

――個人的にもすべての種類を揃えたいところですが、なかなか家族が許してくれないんですよ(笑)。置き場所はどうするんだと。

ジンさん 壁に飾るのはどうですか? そういう風にしている方もいらっしゃいますよ。

――いいですね、いつかホームシアターに飾りたいです。ハズブロさんのフィギュアは、そういった夢を持たせてくれるクォリティを備えている点も素晴らしいと思っています。今後もファンを喜ばせてくれる製品の登場を期待しています。

ジンさん そういった声を聞きたかったです。ありがとうございます。

クリスさん 私達の製品の詳細まで気にしていただいてありがとうございます。とても嬉しいお話でした。

 クリスさんがおっしゃっていた通り、これらのフィギュアやライトセーバーは、本編のイメージをどれくらい再現できているかがキーだろう。ハズブロの製品は、実際に撮影で使われたアイテムを正確にデータ化することで、その点をクリアーしていることが確認できた。同好の士の皆さんは、これからはそのことを踏まえて、ハズブロの製品を楽しんでいただきたい。

画像: ライブステージの横には、タイ・ファイターの大型模型も置かれていた

ライブステージの横には、タイ・ファイターの大型模型も置かれていた

画像: 「スター・ウォーズねぶた」も海外からの参加者に大人気

「スター・ウォーズねぶた」も海外からの参加者に大人気

(取材・文・撮影:泉 哲也)

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