①「Soul Intro / The Chicken (Live)/JACO PASTORIUS」96kHz/24ビット
②「プランツ・ミュージック/一風堂」44.1kHz/16ビット
③「Love And Anger(2018 Remaster)/ケイト・ブッシュ」44.1kHz/24ビット
④「Quiet Life (2020 - Remaster)/JAPAN」44.1kHz/24ビット
⑤「Every Time You Go Away/Paul Young」44.1kHz/16ビット
⑥「Someone to Love/The Firm」44.1kHz/16ビット
⑦「想い出のサン・ロレンツォ/パット・メセニー・グループ」96kHz/24ビット
⑧「Ominous/Scott Henderson」44.1kHz/16ビット
⑨「Pinocchio/Bunny Brunel」44.1kHz/16ビット
⑩「KARMA(2019 Remastered)/プリズム」96kHz/24ビット
エレキギターもエレキベースも、基本、ネックにフレットがあることで指で弦を押さえた音程が安定する。そのフレットを撤去するとどうなるか。フレットの補助がないので音程は当然不安定になりやすい。フレットレスベースはその不安定さをむしろ積極活用することで、ヴィブラートやスライド、ピッキングによる音程(ピッチ)の揺れや変化を演出する。
フレットレスベース好きのMy東西横綱は、ジャコ・パストリアスとパーシー・ジョーンズ。
①はビッグバンド結成間際の全盛期で、この後一気に人生の終焉へとひた走る。
②はパーシーが一風堂のサポートをしていた時期で、彼独自のフレージングとギミックがすべて詰まった楽曲。
③〜⑤は個性派ヴォーカリストをサポートする英ベーシストたち。③はジョン・ギブリン、④はミック・カーン、⑤はピノ・パラディーノ。いずれもハーモニクスとスライドによって、フレットレスベースならではの「ポヨ〜ン」というトーンの独創性がユニークだ。
⑥のトニー・フランクリンはハードロック系では稀少な存在。ジミー・ペイジとポール・ロジャースの後ろでこれほど強烈なキャラを通しているのはさすが(ちなみに米フェンダー社の社員でもあるらしい)。
⑦〜⑨はインストゥルメンタルで聴ける名手のプレイ。初期パット・メセニー・グループの音楽的要は、キーボードのライル・メイズと、このマーク・イーガンの柔和なベーストーンだった。
⑧のゲイリー・ウィリスは、スコット・ヘンダーソンやアラン・ホールズワース等の速弾きギタリストに重用されたベーシスト。
⑨のバニー・ブルネルは、チック・コリアとの共演で知られる仏ベーシストで、肩から掛けたベースをアップライトベースのように立て気味にして弾くスタイル。日本代表は⑩の渡辺健。和田アキラとの双頭バンドだった頃のプリズムはやはり強力で、ここではドラムの青山純との重量級ビートが堪能できる。終盤の和田のギターソロも圧巻!
>総力特集!音楽はいい音で聴く。Qobuzのすべて【HiVi2025年春号】目次ページ はこちら
>本記事の掲載は『HiVi 2025年春号』