アコースティックリバイブの「RHR-21」は、発売から1年以上を経た今でも話題を集めているルームチューニングアイテムだ。500mlペットボトルと同じくらいの大きさながら、室内に置くだけで定在波除去を実現してくれるという。今回は、半年ほど前からRHR-21を愛用しているという山本浩司さんのオーディオルームにお邪魔して、その効果や最適な設置位置を探ってみた。

※今回の取材に関する山本さんのコメントはこちら ↓ ↓

画像: 「RHR-21」(通称レンコン)は、ルームチューニングの革命だ。スピーカーの近くに置くだけで、サウンドの見通しがよくなった!◆ステップアップ・無限大!(14) www.youtube.com

「RHR-21」(通称レンコン)は、ルームチューニングの革命だ。スピーカーの近くに置くだけで、サウンドの見通しがよくなった!◆ステップアップ・無限大!(14)

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 今回Stereo Sound ONLINEのYouTubeチャンネルで「空気録音」のテーマとして採り上げられたのは、“Acoustic Resolution Exciter”と名付けられたアコースティックリバイブのルームチューニング・グッズ「RHR-21」。実際ぼくもリスニングルームで使ってみて、その効能に驚かされて導入したスグレモノである。その効果のほどは、ぜひ動画の空気録音で「有り」「無し」を体験してご確認いただきたい。

 そこでも話しているが、RHR-21を導入することで、ステレオイメージ、音の粒立ち、高域の伸び、低域の解像力の向上などオーバーオールの音質改善が実現でき、今ではもうぼくの部屋から外すことのできないルームチューニング・グッズとなった。

ペットボトルくらいの大きさなのに、こんなに音が変わっていいの?
驚きのルームチューニング効果を持った「RHR-21」

画像1: ステップアップ・無限大!(14)“魔法のレンコン”「RHR-21」は、ルームチューニングの革命だ! スピーカー近くに置くだけで、サウンドの見通しがよくなる不思議なアイテムを半年体験した

Acoustic Resolution Exciter RHR-21 ¥148,000(税別)

 RHR-21は、部屋のコーナー部やスピーカーの近く、ラック裏などの定在波が溜まりやすい場所に置くだけで定在波を解消し、見通しのいい透明感溢れる高音質を実現してくれるアイテムだ。直径51×高さ164mmの円柱形とひじょうに小型だが、既存の大型ルームチューニンググッズを超える定在波解消効果を実現できると話題を集めている。

 他にも、オーディオルームの不要反射や帯域の偏りを解消でき、オーディオの再生音や位相特性が飛躍的に向上するそうだ。周波数特性のピークディップもなくなるため、楽器や声の音色や質感が劇的に向上する。●寸法/質量:直径51×高さ164mm/876g

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 さて、部屋の音響特性を整えるには、波長の長い低音をどう処理(吸音)するかが重要だ。それを実現することで定在波の悪影響を抑えたスムーズでナチュラルな低音の伝送特性が得られるわけである。そのためには大型のベーストラップなどを設置するのがこれまでの常套手段だったが、逆にそれを設置することで「おいしい音」までが消えてしまって、なんだか元気のない音になってしまうという現象が生じることもあった。

 ところが、直径わずか約50mm、高さ約170mmの穴の開いた<金属製レンコン>RHR-21を置くと、音楽の生き生きとした表情を損ねることなく、すっきりとした澄明で透明感のあるサウンドが得られるのだ。う〜む、不思議だ。そこで、RHR-21を発案したアコースティックリバイブの主宰者、石黒謙さんにその秘密を訊いてみた。

――RHR-21を思いついたきっかけは?

 「録音&マスタリング・スタジオ等で、部屋の隅にワインやウイスキーの瓶をたくさん並べているのを見たのがRHR-21開発のきっかけでした。実際に音を聴いてみて、穴の形状の異なる瓶を何本か置くことで、部屋の音響特性が整う効果が得られることがわかった。それならば、径と深さの異なる穴を複数開けた1本の瓶をつくれば同じ効果が得られるのではないかと考えたわけです。実際にマスタリングスタジオにて周波数特性も計測してもらいましたが、定在波となる帯域の盛り上がりが減衰することも証明されました」

スタジオで実測した、RHR-21による周波数特性の変化測定データ

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 東京・世田谷にあるアルトフォニックスタジオで測定した、RHR-21「有り」「無し」の周波数特性の変化。ふたつの楽曲をフルコーラスで録音し、平均データを重ねて表示したものとのこと(左右スピーカーの下部に1本ずつ、2本置いた状態で測定)。グラフの青い波形がRHR-21「無し」、赤い波形がRHR-21「有り」を示している。

 どちらも低域に違いが出ているが、これは定在波と思われるもの(低域側)がRHR-21によって消滅していることを示している。また「有り」では超高周波帯のレベルが上がっていることも確認される。

――なるほど。RHR-21には3種類の径の異なる穴が25個開けられています。

 「ええ、型番に21と謳っていますが、数えたら25個でした(笑)」

――あら、数え間違い?(笑)。これらの穴は深さが違うんですね。

 「はい、いちばん浅い穴が約5mmで、いちばん深いのが約160mmです。5mmの穴から逆時計回りにだんだん深くしています。いちばん浅い5mmの穴を正面に置くのが基本となります」

――この手法で定在波解消効果が得られる。不思議です。

 「まあ論より証拠、読者のみなさんはぜひ空気録音でその違いを体験してください。使い方としては、部屋の四隅やスピーカー裏など<低音溜まり>ができやすい場所に置くのが基本です。もちろん1本でも効果は確認できますが、L/Rスピーカー周辺にそれぞれ1本ずつ置くと、より大きな効果が得られます」

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――このレンコン、材質は金属ですね。

 「はい、超ジュラルミンです。最初は響きのよさを狙って木材を使おうかと考えたのですが、木は深い穴を開けるとすぐに割れてしまうんですよ。それで特別な治具をつくって金属に穴を開けることにしたんです。いろいろ試しましたが、超ジュラルミンがいちばん結果がよかったです。もっと硬度の高い超超ジュラルミンだと反射音がきつくなる印象でした。中央にくびれを設けたのも反射を抑えるためです」

――底部は真鍮ですか。

 「ええ。真鍮は超ジュラルミンよりも比重が高い素材なので、底に用いることで安定感が増しますし、異種金属を組み合わせることで共振周波数を分散させることができ、よりクセの少ない響きが得られます」

「RHR-21」は、部屋のどこに置くのがベスト?
スピーカーの内側・外側など最適なポジションを探ってみた

 RHR-21は室内の定在波の発生しやすい場所、いわゆる「低音溜まり」に置いて音質向上を図るアイテムだ。今回の試聴ではRHR-21を2本使い、山本さんの愛用スピーカーJBL「K2 S9900」の外側(写真A:部屋のコーナー部分)と、内側(写真B:左右の壁からそれぞれ1mほど内寄り)に置いて、それぞれの設置時の音の違いを確認している。

画像: 写真A(右スピーカーの外側)           写真B(右スピーカーの内側)

写真A(右スピーカーの外側)           写真B(右スピーカーの内側)

取材時の山本邸オーディオシステム(2ch用)
●ネットワークプレーヤー:ルーミン U2
●USB DAC/SACDトランスポート:ソウルノート S-3 Ver.2
●クロックジェネレーター:ソウルノート X-3
●プリアンプ:オクターブ Jubilee Pre
●パワーアンプ:オクターブ MRE220
●スピーカーシステム:JBL K2 S9900
●ネットワークプレーヤー:デラ N1A/2
●ネットワークスイッチ:デラ S100

 以上が今回聞けた石黒さんのRHR-21開発にまつわるお話。まあなんにせよ、彼の発想力の豊かさには驚かされるばかり。

 そうそう、アコースティックリバイブには製品貸し出しサービスがあるので、興味を持った方はぜひ自室リスニングルームでその効果をご体験ください。空間情報がたっぷりと含まれた、シンプルなマイキングで録られた音源だと、RHR-21の効能がいっそうわかりやすいと思います。

画像6: ステップアップ・無限大!(14)“魔法のレンコン”「RHR-21」は、ルームチューニングの革命だ! スピーカー近くに置くだけで、サウンドの見通しがよくなる不思議なアイテムを半年体験した

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 オーディオアクセサリーは、使われる環境や部屋によって効果に違いがでてくる場合もある。“せっかく買ったのに”ということがないように、事前に自分の部屋で効果を確認できたら……、アコースティックリバイブではそんな思いに応えて、同社製品を最長2週間貸し出してくれるサービスを行っている。気になる方は、以下の関連サイトで詳細を確認のうえ申し込んでいただきたい。

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