価格が信じられない高音質。
ハートウォームな音は丸針ならでは

画像: 光カートリッジのさらなる普及を目指して開発された、ステレオサウンド社独自仕様の光カートリッジ「DS-S3」と光カートリッジ専用フォノイコライザー「SS-S3」をセットにしたのが、『光カートリッジ・ファーストトライ・セット』。現在、ステレオサウンド社のオンラインショップ「ステレオサウンドストア」にて絶賛予約受付中。価格は18万9千2百円(税込)、台数限定販売品。https://www.stereosound-store.jp/c/audio/4571177053176

光カートリッジのさらなる普及を目指して開発された、ステレオサウンド社独自仕様の光カートリッジ「DS-S3」と光カートリッジ専用フォノイコライザー「SS-S3」をセットにしたのが、『光カートリッジ・ファーストトライ・セット』。現在、ステレオサウンド社のオンラインショップ「ステレオサウンドストア」にて絶賛予約受付中。価格は18万9千2百円(税込)、台数限定販売品。https://www.stereosound-store.jp/c/audio/4571177053176

ステレオサウンド社がDSオーディオに特注したオリジナル光カートリッジ「DS-S3」

画像: フォノカートリッジ ステレオサウンド+DSオーディオ DS-S3

フォノカートリッジ
ステレオサウンド+DSオーディオ
DS-S3

画像: ●発電方式:光電型●出力電圧:70mV(3.54cm/sec、1kHz)●針圧:2~2.2g(適正針圧:2.1g)●針先形状:丸針●自重:7.7g
●発電方式:光電型●出力電圧:70mV(3.54cm/sec、1kHz)●針圧:2~2.2g(適正針圧:2.1g)●針先形状:丸針●自重:7.7g

 ステレオサウンド『光カートリッジ・ファーストトライ・セット』がついに完成した! DSオーディオに特注した光カートリッジ「DS-S3」と、SOZOデザインに設計生産を委託した専用フォノイコライザー「SS-S3」を組み合せた、ステレオサウンド社のオリジナル・イクイップメントで、今年3月にステレオサウンドストアで予約が始まるや、セット価格18万9千2百円・税込(17万2千円・税別)という驚異のロープライスがアナログフリークの間で話題となり、問合せや注文が殺到しているとか。

 次号のステレオサウンド誌(№235/2025年夏号、6月4日発売予定)の第2特集である『光カートリッジ対応フォノイコライザー13機種の試聴テスト』の取材が4月初旬におこなわれたが、この試聴テストに間に合うタイミングで製品が完成したので、テストをご一緒した宮下博さんと聴いてみた。試聴室には光カートリッジに興味津々の編集部員が何人も駆けつけ、緊張感と期待感が高まるなか、DS-S3カートリッジとSS-S3フォノイコライザーがリファレンス機器の中に組み込まれた。はたして、どんな音が聴けるのだろうか……。

 最初の音が鳴った瞬間、誰からともなくため息がもれた。ビックリするくらいよい音だ。「イイなぁ~」という呟きも聞こえる。少しくらい音がよくても驚きもしない、百戦錬磨の(と言うか、スレカラシの)編集部員も唸らせる、実力の持ち主であることにわたしも驚いた。

    

新開発の専用フォノイコライザー「SS-S3」はグランドマスターEXも鳴らしきる驚異の実力を秘めている?

画像: 光カートリッジ専用フォノイコライザー ステレオサウンド+SOZOデザイン SS-S3

光カートリッジ専用フォノイコライザー
ステレオサウンド+SOZOデザイン
SS-S3

画像: ●型式:DSオーディオ光カートリッジ専用フォノイコライザー●寸法:W130×H55×D135mm

●型式:DSオーディオ光カートリッジ専用フォノイコライザー●寸法:W130×H55×D135mm

 光カートリッジ「DS-S3」と専用フォノイコライザー「SS-S3」の組合せを聴いた後、興味が湧いたので、DSオーディオ光カートリッジの最上級モデルであるグランドマスター・エクストリーム(220万円・税込)をSS-S3につないでみた。DS-S3とSS-S3はセット販売なので、フォノイコライザー単体の価格設定はされていないが、セット価格の半分とすれば8~9万円相当だろうか。グランドマスター・エクストリームとペアを組むグランドマスター・イコライザー(440万円・税込)とは比較にならない低価格だが、ちゃんと『グランドマスター・エクストリームの音』がするから面白い。針先一体型ダイアモンドカンチレバーをもつグランドマスター・エクストリームの魅力を、確実に引き出してくれる実力を備えているのだ。

 ダイアモンドカンチレバーの光カートリッジが欲しいが、専用フォノイコライザーまでは手が回らないと悩んでいるなら、まずは、この『ファーストトライ・セット』を手にいれ、SS-S3イコライザーとの組合せで聴き始めたらどうだろう。18万9千2百円の専用フォノイコライザーを買ったら「オマケに丸針の光カートリッジが付いてきた」と思ってもらえばいい。価格的には極端にアンバランスな組合せだが、トータルサウンドに対しては、ダイアモンドカンチレバー光カートリッジの音が支配的で、SS-S3専用フォノイコライザーも第一級のクォリティを備えているから、これほど安価な専用フォノイコライザーで聴いているとは思えない、とてもいい音に驚くだろう。

     

SS仕様の光カートリッジはDSオーディオにはない丸針採用。ハートウォームな音が楽しめる

 そのうえ、丸針のDS-S3カートリッジは、楕円針やラインコンタクト針、マイクロリッジ針などを使うDSオーディオの光カートリッジ群とは、まったく異なる音質傾向なのが興味深い。楕円針のDS-E3は、音溝に刻まれた音楽信号をすべて抉り出すような尖鋭なサウンドが身上だが、丸針のDS-S3は、音楽の全体像をおおづかみに捉え、マスとして提示する。おおらかな鳴り方が特徴と言えるだろう。これはこれで楽しい音で、一度でもこの音を聴いてしまったら、丸針カートリッジが欲しくなるに違いない。

 この丸針特有のハートウォームなサウンドは、ヴォーカル曲の再生で威力を発揮する。楕円針とはひと味ことなる、優しくて温かくて魅力的な声が楽しめるのだ。トニー・ベネットの声は人肌の温もりと潤いが感じられ、石川さゆりの円熟の歌唱力、声の艶やかさや色っぽさには圧倒される。演奏が録音された場の雰囲気やアンビエンス成分を描写する能力においては、丸針は楕円針に敵わないかもしれないが、ちょっと骨太の音は丸針ならでは。ジャズのノリのよさが出色で、ウッドベースのちょっとブーミーな響きなど、泣かせてくれる音で感動した。この音こそが『光カートリッジ・ファーストトライ・セット』最大の特徴であり魅力だろう。

画像: 針先形状をざっくり図にするとおおよそ上記のようになる。円柱(もしくは角柱)の先端を円錐形に切削し、先端部分を球状に丸めたものが、丸針(音溝との接触面は円形)だ。いっぽう、楕円針は丸針の正面と背面を削り、音溝との接触面を楕円形状としたもので、一般的に楕円針のほうが情報量は多く、ワイドレンジな音の傾向を持つと言われている。丸針は楕円針と比較すると情報量や歪み感等では不利ではあるものの、骨太のおおらかな音質傾向が特徴とされる。

針先形状をざっくり図にするとおおよそ上記のようになる。円柱(もしくは角柱)の先端を円錐形に切削し、先端部分を球状に丸めたものが、丸針(音溝との接触面は円形)だ。いっぽう、楕円針は丸針の正面と背面を削り、音溝との接触面を楕円形状としたもので、一般的に楕円針のほうが情報量は多く、ワイドレンジな音の傾向を持つと言われている。丸針は楕円針と比較すると情報量や歪み感等では不利ではあるものの、骨太のおおらかな音質傾向が特徴とされる。

    

中身はDSオーディオDS-E3同等? 針先を丸針にした光カートリッジと新規開発の専用フォノイコライザーのセット

 この製品が誕生した経緯については、ステレオサウンド№234/2025年春号の記事(280~290ページ)に詳しいが、まだ読んでいない方のために、『光カートリッジ・ファーストトライ・セット』について少し説明しておこう。この製品は、光カートリッジの高性能・高音質を、一人でも多くの人に体験していただきたいと、ステレオサウンド社が企画したオリジナル・イクイップメントで、DSオーディオに特注した光カートリッジDS-S3と、SOZOデザインが新規開発した専用フォノイコライザーSS-S3をセットにして、ステレオサウンドストアを通じて販売される。

 DS-S3光カートリッジ本体は、DSオーディオのDS-E3がベースで、振動系や発電機構、ボディ構造などは、DS-E3の部品を流用。針先チップを丸針として(DS-E3は楕円針)コストダウンを図った、ステレオサウンド社の特注品だ。SS-S3光カートリッジ専用フォノイコライザーは、ソニーをスピンアウトしたオーディオ技術者集団『SOZOデザイン』に開発生産を委託した、ステレオサウンドのオリジナル・イクイップメント。8mm厚のアルミ製ベースに回路基板を固定し、部品保護のためにアクリル製トップカバーを付けたスケルトン構造が特徴で、ACアダプター形式の外部電源から給電する。そのため、より高性能な外部電源に交換して、音質をアップグレードするというウラ技が使えることも、マニアにとっては注目ポイントとなるだろう。

   

専用フォノイコライザーを必要とするハンディキャップをものともしない光カートリッジ価格破壊の問題児?

 この両者を組み合せて、18万9千2百円(税込)という驚異の低価格を実現した。想像するに、DSオーディオ、SOZOデザイン、ステレオサウンドの三社が、光カートリッジのさらなる普及のために、利益度外視で価格設定したのではないか。DSオーディオのラインナップ中、もっとも安価なDS-E3システムのセット価格(30万2千5百円・税込)と比較しても、『光カートリッジ・ファーストトライ・セット』がいかに安価か理解できる。すでにステレオサウンドストアで予約受付が始まっていて、製品のデリバリーは5月下旬からの予定という。限定数の生産なので、オーディオ店などを通じての販売は予定されておらず、準備数に達し次第、予約完了となる。

 製品の詳細については、ステレオサウンドストアも併せてお読みいただきたい。ステレオサウンド№234/2025年春号に掲載された、光カートリッジ・ファーストトライ・セットの記事も、ステレオサウンドストアからリンクをはってあるので、ぜひ、一読していただきたい。

『光カートリッジ・ファーストトライ・セット』は
ステレオサウンドストアからのみ購入が可能です!

This article is a sponsored article by
''.