各種オーディオ機器やテレビとのワイヤレス接続を実現するBluetoothレシーバー&トランスミッター。ストリーミングや放送など、外部の音声データを手持ちのオーディオ機器で手軽に再生できる便利アイテムだけに、数多くの製品が登場しているが、その内容は千差万別。音質と機能性、そして操作性が製品によって大きく異なるのが実情だ。

 具体的には、入出力端子が少なかったり、標準的なコーデックにしか対応していなかったり、あるいは送信機能、受信機能、どちらかに限定されたり、なにかしらの制約が伴なうケースが少なくない。

 ここで紹介するFiio(フィーオ)のBTA30 ProはLDAC/aptX HDなどの高音質コーデックに加えて、映画鑑賞やゲームには不可欠の低遅延コーデックaptX LLまでサポートした貴重なBluetoothレシーバー&トランスミッターだ。

 アルミ合金製の高剛性のボディ、充実した入出力端子、素早い音量調整が可能な専用ダイヤル、専用アプリによる音量固定出力設定が可能など、その内容はまさに「単品オーディオ」のグレード。さらにESSテクノロジーのポータブル向けDACチップの最高峰「ES9038Q2M」が投入され、384kHz/32ビットのPCM、あるいは11.2MHzのDSDまで対応したUSB DAC機能まで備えているというのだから驚きだ。

 

画像: Bluetoothレシーバーあるいはトランスミッターとして使用している際は、天面の「STATUS」の色でどのコーデックでデータをやり取りしているかがわかる。具体的には、SBC(青)、AAC(青緑)、aptX(紫)、aptX LL(緑)、aptX HD(黄)、LDAC(白)となる

Bluetoothレシーバーあるいはトランスミッターとして使用している際は、天面の「STATUS」の色でどのコーデックでデータをやり取りしているかがわかる。具体的には、SBC(青)、AAC(青緑)、aptX(紫)、aptX LL(緑)、aptX HD(黄)、LDAC(白)となる

BLUETOOTH RECEIVER / TRANSMITTER / D/A CONVERTER
Fiio BTA30 Pro
オープン価格 (実勢価格1万9,800円前後)

● 型式:Bluetoothレシーバー、同トランスミッター、D/Aコンバーター
● 接続端子:デジタル音声入力3系統(同軸[出力端子と切り替え使用]、光、USB Type C[給電端子兼用])、デジタル音声出力2系統(同軸、光)、アナログ音声出力1系統(RCA)
● Bluetoothバージョン:5.0
● Bluetooth対応コーデック:SBC、AAC、aptX、aptX HD、LDAC(受信時)、SBC、aptX、aptX LL、aptX HD、LDAC(送信時)
● 寸法/質量:W120×H25.8×D55mm/145g 
● 問合せ先:Fiio Japan

 

Bluetoothレシーバーとしてアンプ内蔵スピーカーと連携

 では早速、実力検証といこう。ここではBTA30 Proを「Bluetoothレシーバー」として使い、スマホとのワイヤレス再生を試してみる。まずジェネレックの定番アクティブスピーカーG Oneとの組合せで、Apple Musicでドゥービー・ブラザーズ『運命の掟』など、聴き慣れた楽曲を再生。スマホは、OPPO Reno5 AからLDACでBTA30 ProにBluetooth伝送し、アナログ出力をG Oneへと送り出している。

 音の勢い、分解能、空間の描き分けと、スマホからのワイヤレス接続であることを忘れてしまいそうなほど、絶対的な情報量に余裕がある。特にベース、ドラムの躍動が心地よく、ドゥービーズならではのグルーヴが実に楽しい。

 

画像1: ワイヤレスでも「本格のサウンド」を!LDAC、aptX HD対応の「小さな巨人」Fiio「BTA30 Pro」【スマホで始めるオーディオ&ネット動画】
画像2: ワイヤレスでも「本格のサウンド」を!LDAC、aptX HD対応の「小さな巨人」Fiio「BTA30 Pro」【スマホで始めるオーディオ&ネット動画】

実にコンパクトな筐体でありながら、Bluetoothレシーバー兼トランスミッター兼D/Aコンバーターという超多機能とハイパフォーマンスを両立している。ここではOPPO Reno5 Aで音楽サブスクを再生しBluetooth送信、BTA30ProをBluetoothレシーバーとして使い、ジェネレックのアンプ内蔵スピーカーの定番G-Oneと組合せた。コーデックは主にLDACを用いている

 

※一部のAndroidスマホでは、初期設定ではLDACやaptXなどの高音質コーデックが選択できないことがあります。その場合は、「開発者オプション」(設定→システム→デバイス情報→ビルド番号を7回タップすると表示される)から「Bluetoothオーディオコーデックを選択」で、「LDAC」や「aptX」などが選択できるケースがあります

 

静けさの表現力が印象的。見事なサウンドに脱帽した!

 ここまでのクォリティなら、もっと本格的なシステムでも通用するに違いない。そこで再生システムをデノンの高級プリメインアンプPMA-SX1 LIMITED(¥902,000税込)とモニターオーディオの大型3ウェイスピーカーPL300Ⅱ(¥1,760,000ペア税込)との組合せに変更。

 システム予算は250万円を超える豪華な組合せだが、ここでもBTA30 Proはたじろぐことなく、確かな仕事をなし遂げてみせた。特に印象的だったのが、精緻な空間の描き分けと、静けさの表現力。

 ダイアナ・クラール「ザッツ・オール」ではピアノのアタックは力強く、軽やか。歌声も彼女の息づかいが感じられるほど、生々しい。強引に揺さぶるような力強さと、そっと包み込むような穏やかさを感じさせる表現力が見事だ。

 

画像3: ワイヤレスでも「本格のサウンド」を!LDAC、aptX HD対応の「小さな巨人」Fiio「BTA30 Pro」【スマホで始めるオーディオ&ネット動画】
画像4: ワイヤレスでも「本格のサウンド」を!LDAC、aptX HD対応の「小さな巨人」Fiio「BTA30 Pro」【スマホで始めるオーディオ&ネット動画】

ESSテクノロジー製高性能DACチップ「ES9038Q2M」など本格的な内容が小さな筐体に盛り込まれている。そのパフォーマンスを試すため、デノンのプリメインアンプPMA-SX1 LIMITEDと、モニターオーディオPL300Ⅱスピーカーで構成した大型オーディオシステムに組み込んでみた

 

 

aptX LLモード搭載!テレビとの連携でも大活躍だ

 最後にテレビとの組合せで、aptX同等の音質を保ちつつ、より低遅延を実現したコーデックaptX LLを使ってBTA30Proを「Bluetoothトランスミッター」として使ってみることにしよう。ちなみに「LL」とは「Low Latency」、つまり低遅延の略となる。今回用意したのは、aptX LL対応のシュアのワイヤレスヘッドホンAonic50と、シャープのGoogle TV OSを採用した4Kテレビ、4T-C50EN2の組合せだ。

 接続は次の通り。4T-C50EN2の光デジタル出力をBTA30 Proへと入力。ここで光入力を選択したうえで、aptX LLコーデックを選び、Aonic50へとワイヤレス伝送する。手はじめにスマホをリモコン代わりに使えるSpotify Connectで再生機として4T-C50EN2を選び、BTA30 Pro経由でのそのサウンドを確認してみたが、これが期待以上の出来ばえ。

 リンダ・ロンシュタット「ホワッツ・ニュー」はアコースティックな響きがスムーズに拡がり、開放感に富んだ空間描写が清々しい。声は息づかいまで感じられ、ニュアンスが豊か。低音の分解能も一定レベルをクリアーし、ベースのうねり、抑揚もしっかりと感じとれる。

 続いて映画ブルーレイ『アリー/スター誕生』をBDレコーダーで再生。HDMI接続して鳴らし、リップシンク(画面と音のズレ)が揃っているか確認してみたが、彼女の歌声と口の動きが見事に一致して、違和感はまったくと言っていいほどない。熱狂的な歓声の中、スタジアムの広い空間に浸透していくように拡がる彼女の歌声が感動的だった。参考としてaptX HDなどの他のコーディックを試してみたが、音質的にはやや向上するものの、リップシンクのズレが激しくて、とても実用にならない。テレビあるいはゲームなどをワイヤレスの環境で楽しむのならば、apt X LLのサポートはきわめて重要だ。

 LADCやaptX LLなど、多彩な機能性を備えながら、本格オーディオ機器としてのクォリティも身につけた小さな巨人。この1台で、ワイヤレスオーディオの可能性が大きく拡がることになる。

 

画像5: ワイヤレスでも「本格のサウンド」を!LDAC、aptX HD対応の「小さな巨人」Fiio「BTA30 Pro」【スマホで始めるオーディオ&ネット動画】

BTA30 Proとテレビとの接続は光デジタルケーブルを使ってシンプルに行なった。USBでの給電は必要だが、多くのテレビに備わっているUSB端子を活用するのも賢い方法だろう

 

画像6: ワイヤレスでも「本格のサウンド」を!LDAC、aptX HD対応の「小さな巨人」Fiio「BTA30 Pro」【スマホで始めるオーディオ&ネット動画】

aptX LLとは、「Low Latency」つまり低遅延を強く意識したBluetoothコーデック。STATUSインジケーターが黄色になっているときがaptX LLで動作している状態を示す

 

画像7: ワイヤレスでも「本格のサウンド」を!LDAC、aptX HD対応の「小さな巨人」Fiio「BTA30 Pro」【スマホで始めるオーディオ&ネット動画】

シャープの4K液晶テレビと光デジタルケーブルでBTA30 Proと接続、BTA30 ProからシュアのワイヤレスヘッドホンAonic50にBluetooth送信している。ソースは2種試した。ひとつは、シャープのテレビにインストールしたSpotifyで、操作はOPPO Reno5 Aスマホから行なった(Spotify Connect機能を活用)。もうひとつは、シャープにHDMIでつないだBDレコーダーでのブルーレイ再生だ。なお、aptX LLは、スマホあるいはゲーム端末、テレビなどではほとんど対応している機種がなく、aptX LLを使い遅延なくBluetoothで映像再生を楽しむ場合は本機のようなアイテムの使用が必須になる

 

 

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