マランツから、ミドルクラスCDプレーヤーの新製品「CD60」(¥110,000、税込)が発表された。6月上旬の発売を予定している。

 CD60は、2020年に発売した「MODEL30」「SACD 30n」、2022年リリースの「MODEL 40n」と同様の新世代マランツデザインを採用した、CD専用再生機だ。

画像: 「CD60」はシルバーゴールドとブラックをラインナップ

「CD60」はシルバーゴールドとブラックをラインナップ

 最近は家庭での音楽再生でネットワークや音楽ストリーミングサービスを楽しむ人も増えているが、それでも過去にコレクションしたCDをいい音で聴きたいという方も多く、高品質で使いやすいプレーヤーの需要はあるそうだ。

 CD60はそんなユーザーの声に応える、ミドルレンジのCD再生のコアとなる製品として、MODEL 30、MODEL 40nはもちろん、「PM8006」や「PM7000N」「NR1200」といったプリメインアンプとの組み合わせにも使いやすい製品として企画されている。

 CDドライブも自社開発しており、音楽CDの他にCD-R/RWに対応、MP3とWMAを記録したデータディスクも再生できる。その他、フロントパネルのUSB Type-A端子を使ってWAV、FLAC、AIFF、ALAC、MP3、WMA、AAC、DSDのデータ再生も可能。WAV/FLAC/AIFFは最大192kHz/24ビット、ALACは96kHz/24ビット、DSD5.6MHzに対応済み。

画像: CDドライブは自社製で、CD-DAとCR-R/RWに対応

CDドライブは自社製で、CD-DAとCR-R/RWに対応

 音の狙いとして、上位アンプと組み合わせた場合にも充分と感じてもらえるハイファイとしての音作りを目指したという。具体的には高S/Nで、広いサウンドステージを再現できる音ということだ。大型スピーカーにも相応しい王道の音で、どれかのアンプやスピーカー最適化するといったことはないという。

 実際10万円台のCD再生専用機を買う人は今ではこだわり層で、そういったユーザーにも満足してもらえるように、電源ケーブルやインシュレーターによる使いこなしの効果もきちんと再現できる品質を達成しているそうだ。

 そのために、D/Aコンバーターは上位モデル「ND8006」と同じ32ビット対応DACチップを搭載。これに組み合わせる外付けI/V(電流/電圧)変換回路とローパスフィルター、出力バッファはマランツ独自の高速アンプモジュールHDAM、HDAM2を使ったディスクリート回路で構成されている。

画像: アナログ出力は金メッキ処理を施したRCA端子を搭載。L/Rの間隔も広くなっている

アナログ出力は金メッキ処理を施したRCA端子を搭載。L/Rの間隔も広くなっている

 さらにデジタルフィルターには、マランツオリジナルのMMDF(Marantz Musical Digital Filtering)を搭載、フィルター特性はSACD 30nのディスクリートDACで使われているものを踏襲し、PCM入力時に2種類の特性を切り替えることができる。

 DAC以降のアナログステージもHDAM、HDAM2を用いたフルディスクリート回路が使われており、HDAMについてはMODEL 40nで新規に開発された低歪タイプが採用されている。チャンネルあたり3つ(プラス、マイナス、共通回路)のJFET素子を追加しているとかで、帯域によるばらつきを改善、歪みを抑えている。

 それらのデジタルオーディオ回路やアナログ出力回路には、フィルムコンデンサーや電解コンデンサー、抵抗など、サウンドマイスターの試聴によって厳選された高音質パーツが贅沢に搭載されている。

画像: 内部コンストラクションは余裕を持った配置が実現できている。CD60ではトップカバーはコの字型に成形したスチール製に変更された

内部コンストラクションは余裕を持った配置が実現できている。CD60ではトップカバーはコの字型に成形したスチール製に変更された

 フロントパネル右には6.3mmヘッドホン端子を備えているが、このヘッドホンアンプにもHDAM-SA2を出力バッファに用いた高音質タイプをあてがっている。3段階のゲイン切り替えを備えているので、様々なヘッドホンとの組み合わせでもいい音を楽しめるはずだ。なおヘッドホンをつないでいない時には、この回路の電源は自動的にオフになる。

 先日開催された発表会で、プリメインアンプMODEL 30とCD60を組み合わせた音をきかせてもらった。

 オルガンやチェロの楽曲では音が眼前に広がり、開放的な鳴り方だ。S/Nがいいので立ち上がりが速く、インパクトのある音に感じられる。フォーカスの合った、テンポのいい弾んだサウンドといえるだろう。

画像: プリメインアンプのMODEL 30と組み合わせた試聴もお願いした

プリメインアンプのMODEL 30と組み合わせた試聴もお願いした

 比較として「CD6007」「ND8006」でも同じディスクを再生してもらったが、CD6007は腰が据わったピラミッド型の音場で、低域が充実する方向になる。ND8006も基本的には似た傾向で、弦楽器も音が太くなった印象だ。

 この音の違いは、どちらがいいということではなく、組み合わせるシステムや聴き方、ライフスタイルに応じて選び分けてもらいたいという狙いなのだろう。

 最後に、USB端子を使ってDSD2.8MHz音源も再生してもらったが、こちらは低域の余裕がでて、音に艶が加わってくる。音源の違いを素直に再現できるだけのスペックをCD60は備えているのは間違いない。なお本体パネルは英数字までの対応で、日本語の曲名は表示できないそうだ。

画像: USB DAC機能は搭載していないが、フロントのUSB Type−A端子に挿したUSBメモリーの音源は再生可能

USB DAC機能は搭載していないが、フロントのUSB Type−A端子に挿したUSBメモリーの音源は再生可能

「CD60」の主なスペック

●再生メディア:CD-DA、CD-R/RW
●対応フォーマット:WAV、FLAC、AIFF、ALAC、MP3、WMA、AAC、DSD
●接続端子:アナログ出力(RCA)、デジタル音声出力×2(光、同軸)、USB Type-A、ヘッドホン出力(6.3mm)
●消費電力:46W(待機時0.3W)
●寸法/質量:W442×H129×D396mm/8kg

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