アナログリラックスEX300は、多面体カットしたボディはおなじみだが、EX3などのメイプルではなくウォルナット(クルミ)無垢材を採用。硬さと響きよさからアコースティックギターにもよく採用される素材だ。針先のアルミニウム製カンチレバーへの接着は「新開発IF接着」を導入。強固な接着により、針先とカンチレバーの一体化を図っている。マグネットはネオジム、巻き線は高純度6N銅となる。

画像: アナログリラックスのカートリッジ「EX300」は、ウォルナット無垢材ボディにネオジム磁石搭載のMC型で、密度が濃く味わい深い再生

アナログリラックス
EX300
¥250,000(税別)

●発電方式:MC型●出力電圧:0.5mV(1kHz)●内部インピーダンス:15Ω●適正針圧:2g●自重:10g●針交換価格:¥175,000(税別)●問合せ先:ズートコミュニケーション TEL 03(3675)6649

 試聴に使ったフォノEQアンプはウエスギU・BROS220Rの限定仕様、トーンアームはまずは、テクニクスSL1000R搭載のものを使用した。

 中森明菜の『歌姫』(SSAR-0060)は、声の熟味と生々しさがバランスして、聴き心地がいい。しかし擦過音や子音による分節の巧みさがよく伝わって音楽の流れが明瞭。バックとの距離感も自然体だ。ピアソラの『エル・タンゴ』は、身体の芯から揺さぶる律動を誇張せず、ヴァイオリンの妖気がほどよく虚空を縫うようでテンションが十分に伝わる。

 トーンアームをグランツMH1000Sに換えると、分離がよく個々の音像の密度や実体感が向上する。中森明菜の高度な技巧を駆使した肉声に媚態や寂寞が含み香となって放散され、これは快適だ。ピアソラも律動の力点が明快となり、現場で響き合い魂魄が見え隠れする実況録音風となって訴求力を強化する。

 これは、活力も分析力も保ちつつ、密度を濃くして味わいを増す優品だ。

画像: ボディはウォルナット無垢材の削り出し。アルミカンチレバーへの楕円針の固定には、特殊接着剤とその塗布方法を採用して強固に一体化を図っている。

ボディはウォルナット無垢材の削り出し。アルミカンチレバーへの楕円針の固定には、特殊接着剤とその塗布方法を採用して強固に一体化を図っている。

画像: EX300でレコードをかける吉田氏。

EX300でレコードをかける吉田氏。

画像: 試聴に使用したフォノイコライザーアンプ ウエスギ U・BROS220R Limited Edition ¥715,000(税込)

試聴に使用したフォノイコライザーアンプ
ウエスギ
U・BROS220R Limited Edition
¥715,000(税込)

【本記事の掲載号は 管球王国 Vol.103】

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