BTS(防弾少年団)が4月16日(土)にラスベガス公演の4日間の公演を終了。17日(日)にラスベガスでの3週間もの滞在を終え、韓国に帰国した。6月のニューアルバムの発売が発表され、コロナ禍に始まった「PERMISSION TO DANCE ON STAGE」ツアーはラスベガス公演で終了した模様。ここでは、「BTS PERMISSION TO DANCE ON STAGE」ツアーとグラミー賞授賞式の模様を振り返りたい。
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 BTSは昨年10月、新しいツアーシリーズ「BTS PERMISSION TO DANCE ON STAGE」を開始したが、10月24日に行なわれた初回の無観客ライブでは、テテことVがふくらはぎの筋肉の痛みでダンスができず、急遽椅子に座ってのパフォーマンスとなった。

 コロナ禍初の対面コンサートは、昨年11月末~12月上旬の米・ロサンゼルス(LA)で開催。LAの4回コンサートのうち、最終日12月2日のライブは生配信され、前述のテテはエンディングコメントの前の曲から、その瞬間を噛み締めるかのように歩き始め、アップになった時には一筋の涙の跡が見えるという、感動のフィナーレだった。

 2019年10月以来、約2年半ぶりに韓国・ソウルで行なわれる対面コンサートは、3月10日にスタートした。ソウル蚕室総合運動場メインスタジアムは、5万人以上を収容できる施設だが、コロナ禍の中、文化体育観光部より1公演あたり1万5000人での公演を承認された。3月6日のV LIVEでは、ジンが「観客数が4分の1」となった上に、この規模が承認されなかった時のために、隣の小規模の会場も押さえていたと明らかにする場面も。ソウルでの3回公演のセットリストは、毎日一部の曲を変更する形となった。

 ARMY(BTSのファン)にとっての心配事は、12月頭のLAコンサート後、長期休暇に入っていたメンバーたちの体力面だった。なにしろ、今回の「BTS PERMISSION TO DANCE ON STAGE」は、ソロ曲やユニット曲がなく、7人が出ずっぱりである。昨年10月の配信ライブのエンディングコメントで最年長のジンは、「長い間ツアーをしていないので、運動や、練習やリハーサルをたくさんしても、体力が足りない状況がとても残念だった」と話していた。(コンサートのエンディングコメントでは、ネガティブなことも含め、思っていることを共有してくれるのが、BTSの魅力! 過去のソウルでのコンサートでは、完璧主義者のグクことジョングクは、幸せな時間を過ごしたARMYを前に、今日は全然ダメだったと一人反省会をし、他のメンバーに「そんなことなかったよ」と慰められることもあったりと、既に決まっているコメント以上に、エンディングコメントが見所の一つとなっている。)1度目の長期休暇直後に収録した「BON VOYAGE Season4」では、ジンは休暇中毎日ゲームばかりしていたと話しており、心配は尽きなかったが、初日公演は問題なく終了した。

 3月12日の2日目の公演は、全世界75カ国・地域の3711の映画館にてリアルタイムで上映。雨が強くなり、メイクがとれてすっぴんになってしまったり、ジミンが滑って転ぶなどハプニングもありつつも、ARMYは、いいサウンドの環境の大スクリーンで見る贅沢を味わった。日本だけでも348の映画館で上映され、北米では、夜中だったにもかかわらず、684万ドルを売り上げ、金土日の3日間の興行収入ランキングで3位に!

 翌3月13日の最終公演では、エンディングコメントで、ジミンが、初日のライブ後にメンバーと、こんな経験(無歓声)はもうしたくないと話したと告白し、歓声ありのラスベガス公演に期待が高まった。

 BTSは、4月3日に「最優秀ポップデュオ / グループパフォーマンス賞」にノミネートされていた第64回グラミー賞の授賞式に出席するために渡米したが、直前の3月24日になってグループ1ダンスが上手いホビことJ-HOPEが、アメリカに到着後の3月29日にグクが、相次いで新型コロナウィルスに感染。3月30日にホビの隔離は解除されたものの、立ち位置はセンターで、グループ1の歌唱力を誇るグクの欠席が危惧されていたが、前日になり隔離が解除され、無事出席できることに!

画像: Getty Images

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 ただし、3月18日に一部損傷したジンの左手人差し指の腱は完治していなかったようで、レッドカーペットには白い包帯をして登場。”Butter”のパフォーマンスは、ラスベガスに因んで、ジャケットを使ったマジックショーのような振り付けもあったからか、他のメンバーがレーザートラップをかいくぐるなど、歌詞にある”robber”(強盗)かのような圧巻のパフォーマンスを披露する中、左手に大きな黒いプロテクターをはめたジンは司令室のようなセットから歌唱し、最後のサビ前の「ARMY」の文字を体で作るパートからダンスに合流。ラストは、元気に飛び跳ねながらパフォーマンスした。

 BTSはダントツのパフォーマンスを披露したものの、今年もグラミー賞の受賞はならず。来年こそ悲願の受賞が期待される。圧巻のパフォーマンスを見逃した方は、5月3日(火・祝)21時からWOWOWライブでの再放送でチェックされたい!

 BTSは、その後4月8日から16日までラスベガスで4回公演を行なった。最終日はオンライン・ライブストリーミングで全世界のARMYが鑑賞。ジンは、“DNA”など手を使った振り付けがある楽曲のダンスには参加できなかったが、エンディングコメントでホビが「BTSの公演では、1人抜けるのは大きなリスクですが、ジンは練習の時も一所懸命頑張って、ステージで自分のスペースが空くことがないように最善を尽くした」と影の努力を賞賛し、ジンが涙ぐむ場面も。唯一英語が流暢なリーダーのRMは、BTSが無名の2014年にリアリティ番組「防弾少年団のアメリカンハッスルライフ」でアメリカに滞在した時からの成長を振り返り、珍しく英語で話せなくなり、韓国語に切り替えるほど感極まった姿を見せた。

 ライブの最後には、6月10日にニューアルバムが発表されることが電撃発表されたBTS。昨年日本のテレビにも出まくった6月と7月の露出に期待が高まる。

テキスト:Risa Toyama
フォト:Getty Images

「第64回グラミー賞授賞式」※字幕版/再放送
5月3日(火・祝)21:00放送・配信 [WOWOWライブ][WOWOWオンデマンド]

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