沢田工業株式会社は、「宮司式MEMSカートリッジ」(¥550,000、税込、受注生産)の予約受付を2022年4月1日から開始する。楽器の街・浜松市の中小企業の技術力で開発された、世界初のマイクを使ったアナログレコード用カートリッジだ。

 ピックアップにMEMS高感度コンデンサー型マイクを搭載、カンチレバーの振動を左右の音導管に導いて、その音圧をマイクで捉える構造を採用する。マイクはコンデンサー型なので電源が必要になり、専用のヘッドアンプを使う仕組みだ。

 これまでのMM型やMC型のカートリッジの出力電圧は数ミリボルトの微弱な信号であり、電圧を増幅するフォノアンプの性能が大きく影響していた。これに対し、MEMSマイクを使った宮司式カートリッジの出力電圧は250mVと高出力で、アンプに直接入力できるので、低音の立ち上がりや、高音の切れ、高い分解能など、ダイナミックな臨場感のある音を聴くことができるという。

画像: 世界初、マイクを使ったレコードカートリッジ「宮司式MEMSカートリジ」の予約を4月1日より受付開始。楽器の街・浜松の技術力を結集して開発された

 針先はソリッドダイヤモンドの無垢針で、レコード盤の音溝に接触する面がライン状に長く伸びたラインコンタクト形になっている。溝との接触面積が多いため、細かな信号も逃さず読み取ることができ、チャンネルセパレーションや周波数特性がよく、針の長寿命化も実現した。針圧は1.5gで、ピックアップした振幅の立ち上がりや立ち下がりが速く、微細なニュアンスまで忠実に伝達可能だ。

 宮司式MEMSカートリッジは受注生産で、注文はウェブサイトで受け付けている。現在、製品のモニター3名を募集中とのことだ(6月30日まで)。

「宮司式MEMSカートリジ」の主なスペック

●形式:ステレオ
●周波数特性:12Hz〜35kHz
●出力電圧:250mV(1kHz)
●出力インピーダンス:350Ω
●チャンネルセパレーション:25dB(1kHz)
●針先形状:ソリッド・ダイヤモンド/ラインコンタクト
●カンチレバー:φ0.28mmボロン
●針圧:1.5g
●自重:10g
●寸法:W17×H14×D29mm

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