中川龍太郎監督 作『やがて海へと届く』のプレミア試写会が都内で行なわれ、主演の岸井ゆきの、共演の浜辺美波、杉野遥亮、そして中川龍太郎監督が登壇した。

画像1: 映画『やがて海へと届く』のプレミア上映会が実施。「悲しくても、ほかの感情を探す楽しみを感じてほしい」

 本作は、突如いなくなってしまった親友・すみれ(浜辺美波)が残した思い出と向き合う旅に出る真奈(岸井ゆきの)の姿を描いた注目の1作。

 主演岸井は、自らが演じた真奈を、「あんまり言葉では語れない子ですね」と述懐。その姿を自らと重ね合わせて「私も私生活では、あんまり何かを友人に相談したり、多くを語って何かを求めたりってしないんです。そういう部分が似ているところかなって思います」。一方で、「真奈は、思い出とか大事だったものを抱え込んでしまいますけど、私はそのキャパが大きいので、抱えたままどこまでも信じられるし、どこまでも愛せますので、そこが(真奈との)違いかな」と語り、役作りについては「似ている部分をベースというか種として、それを大事に植えていった感じで作っていきました」と、その取り組みについて語っていた。

画像2: 映画『やがて海へと届く』のプレミア上映会が実施。「悲しくても、ほかの感情を探す楽しみを感じてほしい」

 一方、真奈の親友すみれを演じた浜辺は、(共演した)岸井について「感性が素敵ですよね。感性が素敵だからその仕草とか表情に、魅力が溢れる愛おしさが生まれるんだなって感じて、とても素直に憧れを抱きました」と絶賛。それを聞いた岸井は照れながら「ちょっとアホなだけだと思いますよ」とおどけていた。

画像3: 映画『やがて海へと届く』のプレミア上映会が実施。「悲しくても、ほかの感情を探す楽しみを感じてほしい」

 また、真奈との親友感の表現については、「親友だからこうだよねという確認は特になかったですね。現場では、一緒に風を浴びて、陽射しを感じて、ボーっとしている時も多かった」ということだ。

 完成した作品は、岸井に言わせると、当初の台本とは大きくシーンが変更されているそうで、「ファーストカットからまったく変わっていて! これが映画のマジックなのかと感じて、監督は編集が楽しかったんだろうなって一人興奮していました。ラストも、すごく印象的でしたから、どんな映像になるんだろうと思っていたら、想像を超えたものになっていて! 自分の出ている作品は客観的に観られないし、今回も観られなかったんですけど、愛情が伝わってきて、すごく嬉しかったです」と喜びを表現していた。

画像4: 映画『やがて海へと届く』のプレミア上映会が実施。「悲しくても、ほかの感情を探す楽しみを感じてほしい」

 ちなみに、クランクイン前に、浜辺と杉野については、監督との面談があり、「生きていて幸せだったこと」という哲学的な話し合いをしたそうで、それを聞いた岸井は「なんで私に聞かないんですか!」と監督に詰め寄ると、「言わなくても伝わるから」と、(監督は)岸井への信頼を口にしていた。

画像5: 映画『やがて海へと届く』のプレミア上映会が実施。「悲しくても、ほかの感情を探す楽しみを感じてほしい」

 司会より、絶妙なキャスティングだったと告げられた監督は、それぞれの起用理由について、岸井は「採れたての野菜みたいなフレッシュさ、瑞々しさがあるから」、浜辺は「(岸井に対して)透明な存在感がありながら、いい意味でわがままで力強さを感じたから」、杉野は「聡明なところ」と、その理由を説明していた。

画像6: 映画『やがて海へと届く』のプレミア上映会が実施。「悲しくても、ほかの感情を探す楽しみを感じてほしい」

 最後に岸井より、「この作品は喪失と再生の物語になっています。人には何かを失ったり、別れたりして悲しい気持ちになることが、生きていたら絶対にあると思います。私はその悲しい気持ちを持ちながらも、ほかの感情を探すことができるし、それは楽しみでもあります。私は、これからもそうした気持ちを持って生きていきたいと思うので、それをこの作品を通して皆さんに伝えたい、そう思いながらみんなで作り上げました。それが届いたらいいなと思います」という観客へ向けたメッセージを以て、上映会は終了した。

映画『やがて海へと届く』

4月1日(金)より、TOHOシネマズ日比谷ほか全国公開!

監督・脚本:中川龍太郎
製作:「やがて海へと届く」製作委員会
配給:ビターズ・エンド
2022年/日本/カラー/アメリカンビスタ/DCP/5.1ch/126分
(C)2022映画「やがて海へと届く」製作委員会

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