飛躍の時を迎えた最先端ブランド、ルーミンに注目!

ポイント①HDMI入出力端子の搭載

 香港とロサンゼルスに拠点を持つ、ネットワーク・オーディオの泰斗、LUMIN(ルーミン)がHiVi的な文脈にてきわめて注目すべきネットワークプレーヤー/プリアンプ、LUMIN P1と、コンビネーションを成すパワーアンプLUMIN AMP(以下、ルーミンアンプ)を発表した。注目の理由は多数に登るが、まずは何と言っても、LUMIN P1がHDMI入出力端子を持ったことだ。

 今、HDMIがオーディオ機器に搭載され始めた。ネットワークプレーヤーやDAC内蔵プリメインアンプがHDMI入力を持つ動きが世界的に顕在化しているが、P1の場合は特別だ。これまで音楽デジタルファイルを最高度のフィディリティで再生するネットワーク・プレーヤーとして令名が轟くルーミン製品が、HDMI入力を持った意義だ。換言すると、きわめてハイクォリティな2ch音声を伴なった、映像コンテンツ再生が可能になったということだ。実際、本記事後半の基本音質編に記したUHDブルーレイ視聴は、これまで体験したことがないほどの高品位なものだった。

 私はルーミンがHDMIを採用したことの背景には、同ブランドの出自が関係していると見る。ルーミンは、2003年に設立された香港のピクセル・マジック・システムズ社のオーディオブランドだ。今では自社ブランドのルーミンとネットワークオーディオ技術供与/OEMにて全世界25ヵ国に製品を輸出/提供するまでに成長したが、2010年にルーミンブランドをスタートさせる以前は、ホームシアター用機器やソフトの専業だった。HDMI搭載は、その意味では原点復帰と捉えられるかもしれない。

 実際のところは、高名なネットワークプレーヤーの機能/性能/音質と高い次元でバランスしたハイエンドなDAC内蔵プリアンプを搭載するにあたり、多彩多様なエンターテイメントに対応するために採用したのがHDMIであった。

 これまでも、ボリュウム機能、アナログ出力、USB出力端子を備えたネットワークプレーヤーX1があったが、P1では初めて本格的なプリアンプを搭載するのに際し、アナログからデジタル、そしてホームエンターテイメントまで、すべての音源への高品位な対応を目指した。だから入力ステージにてアナログのアンバランス&バランス、デジタルのUSB、AES/EBU、光、同軸、光LAN、さらにHDMIというアナログからデジタルに至る、現在考え得るすべての入力インターフェイスを持ったのだ。

 出力端子は、アナログはアンバランス/バランス各1系統、デジタルはUSB、BNC同軸に加え、ここでもHDMI1系統を持つ。すなわちP1はアナログ、デジタル、そして映像入力も備えた、現代最先端のオーディオセンターなのだ。

ポイント②高品位ボリュウム回路の搭載

 2番目の注目点はデジタルボリュウムの「Leedh Processing」。フランスのスピーカーメーカー、Acoustical BeautyのGiles Millot氏が開発したアルゴリズムだ。データの圧縮/伸長、フィルタリング、ボリュウム操作において、情報損失を発生させることなく処理するという画期的な信号処理が採用されている。ルーミンはこのアルゴリズムの丸め誤差が皆無というメリットを活かし、きわめてリニアリティに優れるデジタルボリュウムを実現したのである。

ポイント③本格パワーアンプの登場

 第3のポイントがP1に最高度にマッチした音質を目指し、盟友関係にあるウェストミンスターラボと共同開発したパワーアンプ「ルーミンアンプ」の開発である。電源からのすべてのプロセスをデュアルモノーラル構成にし、クロストークを極小化、カスタムの低ノイズトロイダル電源、クラスAB動作のディスクリートトランジスター……と、高音質を謳う記号性に満ちる。ウェストミンスターラボのノウハウがふんだんに取り入れられているというから、試聴が楽しみではないか。

画像1: これぞハイエンド!ネットワークプレーヤー/プリアンプ「LUMIN P1」とパワーアンプ「LUMIN AMP」徹底研究

NETWORK PLAYER / CONTROL AMPLIFIER
P1
¥1,540,000 税込(シルバー仕上げ)、¥1,694,000 税込(ブラック仕上げ)

●接続端子:デジタル音声入力5系統(同軸×1、光×1、AES/EBU×1、USBタイプA×1、USBタイプB×1)、アナログ音声入力2系統(RCA×1、XLR×1)、LAN2系統(RJ45×1、SFP×1)、アナログ音声出力2系統(RCA×1、XLR×1)、デジタル音声出力1系統(BNC)、HDMI入力3系統、HDMI出力1系統(ARC対応)
●対応プロトコル:UPnP(OpenHome)、Roon Ready、Spotify Connect、TIDAL Connect、AirPlay Compatible、On-Device Playlist
●対応ストリーミングサービス:TIDAL、Qobuz、Spotify
●寸法/質量:W350×H107×D380mm/12kg
●備考:バランス入出力HOT=2番ピン
●カラリング:ブラック、シルバー(写真)
●問合せ先:株式会社ブライトーン TEL.03(6869)0516

画像: P1は、HDMI端子を含む豊富なデジタル系の入出力端子のほか、アナログ音声入力を備えた多機能モデル。設定を適切に行なうことで、ネットワークプレーヤー、D/Aコンバーター、コントロールアンプとして使うことができる。なお、メーカーでは、「オーディオハブ」と称している

P1は、HDMI端子を含む豊富なデジタル系の入出力端子のほか、アナログ音声入力を備えた多機能モデル。設定を適切に行なうことで、ネットワークプレーヤー、D/Aコンバーター、コントロールアンプとして使うことができる。なお、メーカーでは、「オーディオハブ」と称している

画像3: これぞハイエンド!ネットワークプレーヤー/プリアンプ「LUMIN P1」とパワーアンプ「LUMIN AMP」徹底研究

POWER AMPLIFIER
LUMIN AMP
¥1,650,000 税込(シルバー仕上げ)、¥1,815,000 税込(ブラック仕上げ)

●出力:160W+160W(8Ω)、320W+320W(4Ω)、640W(ブリッジ使用時) 
●接続端子:アナログ音声入力2系統(RCA×1、XLR×1)
●寸法/質量:W350×H104×D374mm/19kg 
●備考:バランス入力HOT=2番ピン
●カラリング:ブラック(写真)、シルバー

画像: ルーミン初のパワーアンプとして、Westmin sterLabとの共同開発で誕生したのが本機。比較的コンパクトな筐体ながら、4Ω時320W×2、8Ω時160W×2の出力を叩き出すステレオパワーアンプだ。またブリッジ設定として、640W出力のモノーラルアンプとしても使用できる。電源は600VAトロイダルトランス内蔵のリニア電源仕様、出力段もAB級アナログ増幅構成。筐体は8mm厚の無垢のアルミニウムを削り出した強固なものだ

ルーミン初のパワーアンプとして、Westmin sterLabとの共同開発で誕生したのが本機。比較的コンパクトな筐体ながら、4Ω時320W×2、8Ω時160W×2の出力を叩き出すステレオパワーアンプだ。またブリッジ設定として、640W出力のモノーラルアンプとしても使用できる。電源は600VAトロイダルトランス内蔵のリニア電源仕様、出力段もAB級アナログ増幅構成。筐体は8mm厚の無垢のアルミニウムを削り出した強固なものだ

LUMIN P1&AMP徹底研究[ 基本音質編 ]
これぞハイエンド。HDMIの音も強烈だ

 P1とルーミンアンプをバランスで接続し、HiVi視聴室のリファレンススピーカー、モニターオーディオPL300Ⅱで聴く。

ルーミンの組合せがもたらす、まさしくハイエンドサウンド

 まずはUSBメモリー再生。お馴染みの『エトレーヌ/情家みえ』から「チーク・トゥ・チーク」だ。私はこの音源を製作して以来、さまざまな装置で数百回は聴いているが、ルーミンの組合せは、特別な音だった。ハイエンド的な細やかな音のグラデーションがたっぷり聴けたのである。私は「ハイエンド」とは製品価格ではなく、周波数特性、ダイナミックレンジ特性、そして時間軸特性において、細やかで緻密な階調が描かれる音だと認識している。周波数ではどれほどの範囲の高低が再現されるかに加え、その間の階調がどれほど細かいか、ダイナミックレンジ特性では弱音から強音までの階調がどれほど緻密か、そして時間軸特性ではどれほど刻みが細やかなのか……、それこそが、「ミドルクラス」と「ハイエンド」を分かつメルクマールだ。

 その意味で、P1+ルーミンアンプの音は、まさしくハイエンドであった。「チーク・トゥ・チーク」ではまずピアノ、アコースティックベース、ドラムスのトリオのイントロの演奏にて、細密な階調感が聴けた。そして、なめらかな時間軸の流れに乗った情家みえのヴォーカルが、ふたつのスピーカーの真ん中から、自然に沸き上がる。階調の細やかさを伴なった色彩感豊かな声の粒子が、HiVi視聴室の空間を躍動したのである。特筆すべきは、個々の奏者のキャラクターが生々しく再現されたことだ。ヴォーカルの情家みえの語尾の繊細な表情からは、録音当日、代々木のレコーディングスタジオの調整室で聴いていた記憶が読みがえる。

 クラシックはオイゲン・ヨッフム指揮ボストン交響楽団の『モーツァルト:交響曲第41番《ジュピター》』の第1楽章をDSDで聴く。あらゆる意味で、実にすべらかなるジュピターである。時間進行の麗しさ、音の粒子の軽やかな空間滑降、弦と管の音色の気品……と、いくつもの感嘆を禁じ得ないモーツァルトであった。本演奏は第1ヴァイオリンが左、第2ヴァイオリンが右という古典的な両翼配置で、加えてチェロとコントラバスが右側だ。P1+ルーミンアンプはこれらパートのあるべき位置を的確に再現する。それは音像再現性というオーディオ的文脈での分析だが、本当に感動的なのは、右の第2ヴァイオリンがリズムを刻み、左の第1ヴァイオリンが軽快なオブリガードを奏し、センター奥の木管が合いの手を出す……というおのおのの音進行が空中で融合した時だった。芳醇で高雅な響きに満ちた音の場が眼前に出現したのである。

 ここまではUSBメモリーを直接PIに挿して聴いたインプレッションだが、デラのサーバーに保存したネットワーク再生もオーディオ的、そして音楽的な表現性の基調は同一であった。

 配信の音はどうか。話題の今年のバレンボイムが指揮したウィーン・フィルのニューイヤー・コンサートの96k㎐/24ビットファイルをQobuzのFLACとTIDALのMQAで聴くと、見事にフォーマットの違いを描き分けた。

音楽再生と同様にHDMIの音も実に見事

 HDMIの音を聴こう。パナソニックDP-UB9000で、UHDブルーレイ『グレイテスト・ショーマン』を再生した。映像はパススルーで視聴室のリファレンスプロジェクターJVC DLA-V9Rに映す。その映像クォリティは完璧。映像信号は正しく通過し、出力された。2ch音は、まさにさきほど述べた音楽再生と同質だ。端正なダイアローグ、生々しくも上質なサウンドエフェクト、そしてダイナミックな劇伴音楽が聴けた。パーティでの会話シーンでは弱音と強音の間の階調がひじょうに細かく、見事な声質だった。

 真価を発揮したのがチャプター11の大ホールでのジェニー・リンドの歌声。オーケストラを伴なったオペラ的な歌唱の描写は、まさにルーミンの得意技。すべらかな声、オーケストラのしなやかな響き、空間の艶……など、高品位な映画音響が聴けた。特に空間に漂う響きの減衰曲線がなだらかで、その滞空時間が長い。

 シンプルにステレオ構成で高品質な映像を楽しむのもよし、AVセンターと合わせて、マルチチャンネルの中核としても大いに活躍させるのもよし、だ。

 世界最高峰のネットワークプレーヤーを内蔵したHDMI対応のプリアンプP1と、それに最適にマッチしたルーミンアンプとのコンビネーションは、すべてのAVソースを革新する。HiVi4月号を皮切りに、さらに深掘りした本製品連載が始まる。刮目して読もう。

視聴に使った機器
●8Kプロジェクター:JVC DLA-V9R
●スクリーン:キクチ グレースマット100(120インチ/16:9)
●UHDブルーレイプレーヤー:パナソニックDP-UB9000(Japan Limited)
●ミュージックサーバー:デラN1A/3
●スピーカーシステム:モニターオーディオPL300II

視聴に使ったソフト
●USBメモリー、ネットワーク再生
『Cheek to Cheek/情家みえ』(96kHz/24ビット/FLAC)
『モーツァルト:交響曲第41番<ジュピター>/ヨッフム指揮ボストン交響楽団』(2.8MHz/DSD)
●ストリーミング再生
『ニューイヤーコンサート2022/バレンボイム指揮ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団』(TIDAL・MQA studio 96kHz/24ビット。Qobuz・96kHz/24ビット/FLAC)
●UHDブルーレイ
『グレイテスト・ショーマン』、『ボヘミアン・ラプソディ』(ドルビートゥルーHDをリニアPCM 48kHz/24ビット出力で再生)

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【 本記事の掲載号は HiVi4月号 】

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