画像: イプシロン Preamplifier PST-100 mk2 ¥3,800,000・税別 ●入力端子:LINE6系統(RCAアンバランス×5、XLRバランス×1)●出力端子:2系統(RCAアンバランス、XLRバランス)●入力インピーダンス:50kΩ●負荷インピーダンス:150Ω●利得:17dB(アクティヴモード時)●使用真空管:C3m(SIEMENS)、6CA4●寸法/重量:W400×H180×D410mm/25kg●備考:パッシヴ動作に切替え可能

イプシロン
Preamplifier
PST-100 mk2
¥3,800,000・税別

●入力端子:LINE6系統(RCAアンバランス×5、XLRバランス×1)●出力端子:2系統(RCAアンバランス、XLRバランス)●入力インピーダンス:50kΩ●負荷インピーダンス:150Ω●利得:17dB(アクティヴモード時)●使用真空管:C3m(SIEMENS)、6CA4●寸法/重量:W400×H180×D410mm/25kg●備考:パッシヴ動作に切替え可能

カラリと晴れ渡った音調であり微細な情報が鋭敏にふるまう

 これは、トランス類を内製する強みを生かしたトランス式アッテネーター採用のライン入力プリアンプ。減衰量は31ステップであり、最初の5ステップは3dB隔、次の5ステップが2dB次の18ステップでは1.5dB、最後の3ステップは1dBという不均等な減衰量にて限られたタップ数での実用性を確保する。

 アッテネーターは出力側にあり、その前に5極真空管C3mによる1段増幅が設けられている。ゲインは17dBで2.5:1の結合トランスを負荷にしている。つまり抵抗素子によるエネルギー損失を避ける設計思想だ。増幅段が固定バイアスというのも自己バイアス抵抗による損失を防ぐためだろう。入力の1つはホームシアター用として音量調整しない仕様。また増幅段をパスするパッシヴモードもある。増幅段用電源部は整流管6CA4とチョークコイルを採用。XLRの入出力端子はアンバランス接続だ。本体には操作部がなく、分厚くて重いリモコンで操作する。

 カラリと晴れ渡った音調であり微細な情報が鋭敏にふるまう。純度感のある音場空間に透視図遠近法の音の配列が見えるようで、これはたしかに音量調整可能な低損失のインピーダンス変換装置だと納得する。ソフトの傾向は選ばず、現代録音の高分解能も古典録音のしっとり感も受け止めつつ、わずかに細部を補筆して明瞭度を確保する趣向。パッシヴモードよりアクティヴモードのほうが音の生気を味わえた。

画像: ↑PST-100 mk2のフロント面。配置されるのはディスプレイのみ。動作は付属のリモコンで行なう(電源スイッチはフロント側左下の底面に配置)。

↑PST-100 mk2のフロント面。配置されるのはディスプレイのみ。動作は付属のリモコンで行なう(電源スイッチはフロント側左下の底面に配置)。

画像: ↑リアパネル。入力はRCAアンバランスが5系統、XLR バランスが1系統。出力はRCAアンバランスとXLRバランスが各1系統。

↑リアパネル。入力はRCAアンバランスが5系統、XLR バランスが1系統。出力はRCAアンバランスとXLRバランスが各1系統。

画像: ↑内部。中央部に増幅回路の真空管C3mが2本、右端の中央に電源回路の整流管6CA4が見える。トランス式アッテネーターは左側後方に配置し、左手前の基板に置かれたリレーによって2次側のタップを切り替えて音量調整を行なう。中央奥は段間トランス、その右がチョーク。電源トランスは右下に配置。増幅回路をパスしたパッシヴ型としても動作する。

↑内部。中央部に増幅回路の真空管C3mが2本、右端の中央に電源回路の整流管6CA4が見える。トランス式アッテネーターは左側後方に配置し、左手前の基板に置かれたリレーによって2次側のタップを切り替えて音量調整を行なう。中央奥は段間トランス、その右がチョーク。電源トランスは右下に配置。増幅回路をパスしたパッシヴ型としても動作する。

画像: ↑ほとんどの操作は付属リモコンで行なう。6つのボタンで、音量調整や入力切替えのほか、ディスプレイのON/OFF、アクディヴ/パッシヴの動作モード切替えが可能。

↑ほとんどの操作は付属リモコンで行なう。6つのボタンで、音量調整や入力切替えのほか、ディスプレイのON/OFF、アクディヴ/パッシヴの動作モード切替えが可能。

画像: ↑リアパネルの端子部を確認する吉田氏。

↑リアパネルの端子部を確認する吉田氏。

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