この原稿を書いている10月中旬、私が住む山中湖の湖畔は、木々が色づき始め、黄や赤の葉が日に日に鮮やかさを増している。四季折々の景色と向き合える楽しさは、筆舌に尽くしがたいが、オーディオ、AVの再生でも、できることならその音源に込められた演奏者、製作者の想いをそのまま、あるがまるに感じ取りたい。そんな私の思いに完璧なまでに応えてくれるスピーカーがイクリプスのスピーカーシリーズである。

 エントリーモデルからトップモデルに至るまで、エッグシェル(卵殻)形状を貫き、エンクロージャーを拳で叩いても、固有の響きはない。これは演奏者の感性、テクニックを尊重し、そこに何も加えず、消さずに、あるがままに表現するために辿り着いたもの。このデザインは単なるカッコよさではなく、いわば機能美なのである。

 さてここで紹介するTD307MK3は6.5cm径のユニットを搭載した同ブランドのスピーカーとしては末っ子となるモデル。エッグシェル構造を踏襲しつつ、従来製品比でエンクロージャー容量を約200cc拡大。同時にドライバーユニットについても、振動板が従来の紙パルプ系材料から、上級機同様のグラスファイバー系素材に変更されている。

 

画像1: ソースをあるがままに豊かに描くイクリプススピーカーをテレビと組み合せる『TD307MK3』【ネット動画を高音質で楽しむ】

SPEAKER SYSTEM
TD307MK3
¥55,000(ペア)税込

●型式:フルレンジ・バスレフ型スピーカー
●使用ユニット:65mmコーン型フルレンジ
●出力音圧レベル:80dB/1W/m
●インピーダンス:8Ω
●寸法/質量:W135×H212×D184mm/約2kg
●カラリング:ホワイト、ブラック
●問合せ先:(株)デンソーテンECLIPSE TDインフォメーション TEL 0120-027-755

 

画像2: ソースをあるがままに豊かに描くイクリプススピーカーをテレビと組み合せる『TD307MK3』【ネット動画を高音質で楽しむ】

卵型の愛らしいフォルムがイクリプススピーカーの特徴だが、これは不要な音を出さないための機能から生まれたもの。内部も振動を徹底的に抑制しつつ、ユニットの音を殺さない工夫が盛り込まれている

 

画像3: ソースをあるがままに豊かに描くイクリプススピーカーをテレビと組み合せる『TD307MK3』【ネット動画を高音質で楽しむ】

カラリングはホワイトとブラックの2色。付属のテーブルトップスタンドは、天井や壁に取り付けるブラケットとして機能する合理的な設計だ。本体とスタンドはレンチ1本で角度が自在に調整できるのも便利

 

 

 実際、そのサウンドを確認してみると、低域の厚み、量感が増して、ベースやバスドラの躍動が楽しい。同時に、持ち前のレスポンスのよさに磨きがかかり、ギター、ヴァイオリンの響きがフワッと浮き立ち、空間を漂うように減衰していく様子が実に新鮮だ。

 胸のすくような小気味いいサウンドを目の当たりにし、あるアイデアが浮かんだ。外部スピーカー出力端子を備えた東芝レグザの有機ELテレビ、X9400Sシリーズと組み合わせて聴いてみたらどうだろう。このテレビシリーズは、内蔵スピーカー用のアンプとは別に、外部スピーカー専用のアンプ(20W+20W)を装備した貴重なモデルで、当然、TD307MK3の接続も可能だ。この接続であれば、テレビとしての使い勝手はまったく変わらず、音質だけを大きくグレードアップできるのである。

 今回はシリーズの48インチモデル、48X9400SとTD307MK3をつなぎ、Prime Video『アリー/ス
ター誕生』から、アリーが大勢の観衆を前に「Always Remember Us This Way」を歌うシーンを再生してみた。囁くように歌い始める彼女の声が周辺のザワツキに埋もれることなく、目の前の映像から沸き上がるように拡がる。サビでは、場内の歓声とともに情感のこもった声が張り出し、広いスタジアムに気持ちよく拡がった。生々しい空間、微妙なニュアンスまで描き出す豊かな表現力は、まさにイクリプススピーカーの真骨頂と言っていいだろう。

 

画像4: ソースをあるがままに豊かに描くイクリプススピーカーをテレビと組み合せる『TD307MK3』【ネット動画を高音質で楽しむ】
画像5: ソースをあるがままに豊かに描くイクリプススピーカーをテレビと組み合せる『TD307MK3』【ネット動画を高音質で楽しむ】

テレビの音が不満な場合は市販のスピーカーを組み合わせることでグレードアップを図るのが定石だが、テレビとスピーカー以外に、スピーカーを駆動するアンプも必要になる。今回はテレビ自体に外部スピーカーを鳴らすためのアンプが組み込まれている東芝レグザの48X9400SとTD307MK3とを組み合わせた

 

 さらに私が感心したのは、映像に対する音場のスケール感が自然なこと。今回は48インチの有機ELテレビとの組合せだが、両者のバランスに無理がなく、自然な一体感が得られる。しかも静寂な空間に一瞬で立ち上がり、素早く消える反応の良さは、映画鑑賞用にもってこいだ。オーディオ用としても、ホームシアター用としても、次元の高いパフォーマンスを演じてみせる懐の深さ、見事だ。

 

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