完実電気は、2021年11月5日からThunderData社、Silent Angelブランドの製品の輸入代理店業務を開始すると発表した。SilentAngelは、オーディオ用NASのメーカーで開発設計に携わっていた Ethan氏とChorus氏が、ハイレゾ音源本来のクォリティを引き出すためにはオーディオ用ネットワーク製品の開発が必要だと決意し、スタートさせたプロジェクトだ。

 ネットワークオーディオ再生で音質を左右する製品として、スイッチングハブ、ミュージックサーバーなどを開発、現在もオーディオ用ネットワーク製品の企画開発に取り組んでいる。新たに販売する製品のラインナップは以下の通り。すべてオープン価格で、11月18日の発売予定。

●ミュージックストリーマー:M1-8GBM1T-8GB
●オーディオ用スイッチングハブ:N8N16
●ミュージックサーバー:Z1

画像: DAC内蔵ミュージックストリーマー「M1」の背面端子。DAC非内蔵の「M1T」は本体のUSB端子をUSB DACにつないで使うタイプで、中央下側のアナログ音声出力が搭載されない

DAC内蔵ミュージックストリーマー「M1」の背面端子。DAC非内蔵の「M1T」は本体のUSB端子をUSB DACにつないで使うタイプで、中央下側のアナログ音声出力が搭載されない

 ハイレゾ音楽データを再生するミュージックストリーマー。NAS内の音楽データの再生はもちろん、HDDをM1に接続すればHDD上の音楽データも再生可能。最大DSD256(11.2MHz)、リニアPCM768kHzまでのハイレゾ音源の再生に対応。さらに、Spotify connect、Amazon HD、TIDALなどのストリーミングサービス、RoonReadyに対応した他、MQAのデコードも可能だ(Amazon HD、TIDAL、MQAは2022年1月以降に対応予定)。DAC搭載のM1と、DAC非搭載のM1Tをラインナップする。

 オペレーションボードにはGigabit Ethernet1000Mbps対応、高速インターフェイスを搭載、OSにはSilentAngelが開発した「VitOS」を採用する。M1のDACチップには、ESS製SABRE9018Q2Mを搭載、M1用にカスタマイズした他、オペレーションボードからの回路を最短化している。

画像: 8系統のLANコネクターを備えるスイッチングハブ「N8」

8系統のLANコネクターを備えるスイッチングハブ「N8」

 N8は、ハイレゾやロスレス・ストリーミングをハイクォリティで再生するために開発設計されたオーディオ用スイッチングハブ。楽曲の高音質化に伴って音楽データの容量は大きくなっており、ネットワークへの負荷も増えている。N8はネットワーク内外の音楽データや映像データを安定して転送するだけでなく、転送により発生するジッターをも低減させることで、音楽や映像のクォリティを損失することなく、再生機器へと届けてくれる。

 そのために、オリジナル・インターナル・クロック、SilentAngel TCXOを開発。N8筐体内での温度変化に左右されることなく、正確な水晶発振が可能なため、データ転送が正確になるだけでなく、ジッターの低減も実現する。Silent Angel TCXOは、通常の水晶発振に比べ 500倍の精度を実現しているそうだ。

画像: 「N16」は8系統のスイッチングバブ回路をふたつ内蔵する

「N16」は8系統のスイッチングバブ回路をふたつ内蔵する

 N16は、N8をベースに電源ユニットを強化。それぞれ独立した8ポートのハブを2セット、計16ポートを1Uラックマウントサイズに収めたハイグレード・スイッチングハブだ。

 完全に独立した8ポートのハブを2セット、Zone1/Zone2それぞれに搭載。電源供給回路からZoneごとに独立しているため、ノイズの回り込み等をほぼ完全に排除している。

 電源部には、漏洩磁束が少ないカスタム・トロイダルトランスを採用。Silent Angelのロゴが記載されたトロイダルトランスをエポキシ樹脂のプレートでシールディング、漏洩磁束防止効果をさらに高めている。Zone1とZone2ではトロイダルトランスの巻き線から分かれて電源供給されるため、回路上も完全に独立しており、Zoneを超えてのノイズの回り込み等を完全に防いでいる。

画像: 独自の操作用OSを搭載したミュージックサーバー「Z1」

独自の操作用OSを搭載したミュージックサーバー「Z1」

 最後のZ1は、SilentAngelの開発したネットワークオーディオ用OSのVitOSを搭載したミュージックサーバー。VitOSによりネットワーク遅延を最小化し、安定した動作を実現。また、Silent Angleオリジナル工法で削り出したアルミ合金製トップパネル、新規開発のSATAケーブル、EMIアブソーバー等、ノイズ対策を徹底し、保存されている音楽や映像のクォリティを損なうことなく、ネットワーク上のオーディオ機器へと送り届けてくれる。

 トップパネルには航空宇宙産業で使われているアルミ合金を、ボトムには鏡面仕上げのステンレス鋼を採用。同社オリジナル工法で削り出し加工し、音質劣化の原因となる外来ノイズの飛び込みや回り込みを最小限に押さえている。

 AirPlay2、Spotify connectといったストリーミングサービスの他、Roon Server、DLNAレンダラーとしても機能する。Z1の設定は、モバイルアプリ「VitOS Manager」をインストールしたiPhone/iPad、アンドロイド端末から可能だ。

「M1」「M1T」の主なスペック

●接続端子:デジタル出力×3(AES/EBU、I2S、同軸PCM=384KHz,DSD128)、USB(PCM768KHz、DSD256)、アナログ出力1系統(RCA、M1のみ)、ヘッドホン出力×1(6.3mm、M1のみ)、USB3.0×1/USB2.0×2(外部ストレージ)、LAN端子×1
●最大消費電力:10W
●寸法/質量:W155×H50.4×D110mm/1.63kg

「N8」の主なスペック

●ポート数:8ポート
●メインクロック精度:25℃で0.1ppm
●消費電力:5W
●寸法/質量:W154.5×H26×D85mm/350g

「N16」の主なスペック

●ポート数:2×8ポート
●メインクロック精度:25℃で0.1ppm
●消費電力:30W
●寸法/質量:W441×H44.1×D166mm/3kg

「Z1」の主なスペック

●接続端子:USB2.0×1(USB DAC)、USB3.0×1/USB2.0×2(容量拡張)、LAN端子×1、HDMI×1(サービス用)
●寸法/質量:W200×D200×H65mm/3.75kg

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