映画評論家 久保田明さんが注目する、きらりと光る名作を毎月、公開に合わせてタイムリーに紹介する映画コラム【コレミヨ映画館】の第65回をお送りします。今回取り上げるのは、中世の実話をベースにしたという『最後の決闘裁判』。リドリー・スコットの描く傑作ミステリー。果たしてその結末は?とくとご賞味ください。(Stereo Sound ONLINE 編集部)

【PICK UP MOVIE】
『最後の決闘裁判』
10月15日(金)公開

画像1: 【コレミヨ映画館vol.65】『最後の決闘裁判』真実はどこにある? 見終わっても様々な解釈に惑うこと必至の1作

 14世紀のフランス。権力と地位を求めて戦う騎士ジャン・ド・カルージュ(マット・デイモン)の妻、マルグリット(ジョディ・カマー)が、宮廷から寵愛を受ける家臣のジャック・ル・グリ(アダム・ドライバー)から乱暴されたと訴える。

 だがル・グリは無実を主張し、目撃者も他にはいない。真実が闇の中に消えかけた時、マルグリットの命をかけた戦いは決闘裁判の中にゆだねられた。それはフランス国王が正式に認めた、神による絶対的な裁き。勝者は正義と栄光を手に入れ、敗者は罪人として死罪となるのだ。

 はたして、彼らの戦いはどんな結末を迎えるのか。

 デイモンとドライバー、ふたりの戦いは最初から色合いは似ている。ちがっているのはあいだにはさまれた妻のマルグリットの微妙な温度差。3人の姿を見せてこれを微妙に描きわける。

 真実はどこにあるのか。それは本当に真実なのか。見終わってからもいく重にも解釈が成り立つタペストリー。劇場を出たあとも観た人をさまざまに惑わせることだろう。

 伯爵ピエール役に、マット・デイモンの盟友ベン・アフレック。こういう役柄をやらせるとうまい。

画像2: 【コレミヨ映画館vol.65】『最後の決闘裁判』真実はどこにある? 見終わっても様々な解釈に惑うこと必至の1作

 撮影監督は『パイレーツ・オブ・カリビアン』『オデッセイ』のダリウス・コジンスキー。編集のクレア・シンプソンは『プラトーン』でアカデミー賞受賞、衣装デザイナーのジャンティ・イェーツは『グラディエーター』で同賞をと、他にもキラ星のごとく精鋭たちが揃っている。

 中身を含め、充実の布陣と言えるだろう。

映画『最後の決闘裁判』

10月15日(金)公開

監督:リドリー・スコット
出演:マット・デイモン、アダム・ドライバー、ジョディ・カマー、ベン・アフレック、ハリエット・ウォルター
原題:THE LAST DUEL
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
2021年/アメリカ/シネマスコープ/153分
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