クリプトンから、ハイレゾ対応コンパクトスピーカー「KS-55Hyper」が発表された。定価¥99,800(ペア、税別)で10月下旬の発売を予定している(KRIPTON Online Store専用商品)。本体仕上げはレッドとシルバーの2種類を準備。

 同社はUSB入力やパワーアンプを内蔵したコンパクトスピーカーとしてKSシリーズを発売してきた。今回のKS-55Hyper は2018年に発売された「KS-55」の後継機で、2010年に発売した1号機の「KS-1HQM」から数えて14機種目になるそうだ。

画像: DSD 5.6MHzも再生できるクリプトン「KS-55Hyper」に注目! DAC内蔵コンパクトアクティブスピーカーのサウンドがさらなる高みに

 本体サイズや外観はKS-55を踏襲しており、ぱっと見ただけではあまり違いは感じられない。ではいったいどこが「Hyper」になったのか?

 同社の渡邉 勝さんによると、「さらなる高音質を求めて」従来からのリニアPCM192kHz/24ビット信号に加え、DSD128(5.6MHz)の入力にも対応。4アンプ駆動によるバイアンプ構成が、総合140W出力へとパワーアップしている。

 そのアンプ部は、デジタルアンプのチップをTI製の新デバイスに変更、KS-55では合計100W/19Vだったが、KS-55Hyperは140W/24Vに一新された。両モデルとも低域・高域を別々のパワーアンプで駆動するバイアンプ方式を採用しているので、KS-55ではL/Rそれぞれ25W×2、KS-55Hyperでは同35W×2になり、それだけドライブ力にもゆとりが生まれたことになる。

 搭載されたユニットはどちらもデンマークのTymphany社製。トゥイーターが60Hzまで再生可能な30mmリングダイアフラム型、ウーファーは63.5mmコーン型で、KS-55で使われていたものから変わっていない。KS-55Hyperのコンセプトとして、KS-55と同じサイズでより大型のスピーカーに負けない音を再現したいという思いがあり、エンクロージャーやユニットは継承したのだという。

 エンクロージャーは、引き続きオーバル・ラウンドフォルムデザインのオールアルミ製。回折効果による反射と内部定在波を改善し、滑らかな音質を実現している。またフォールデッドダクトによるチューンドバスレフ方式の採用で、サイズを超えた豊かな低域再生を実現した。

画像: DSD 5.6MHzを再生している状態。赤色のLEDがふたつ点灯している。DSD 2.8MHz時は赤色LEDが1個になる

DSD 5.6MHzを再生している状態。赤色のLEDがふたつ点灯している。DSD 2.8MHz時は赤色LEDが1個になる

 DSD128への対応は、最新の音楽再生動向を踏まえたもの。音楽ファン、ハイレゾ愛好家の中にはDSD音源を楽しんでいる人も多いので、そういった方にも安心して使ってもらいたいということだ。これに伴い、右チャンネルのフロントパネルに再生中の音声フォーマットを表示するフォーマット・インジケーターも追加されている。リニアPCM再生時は緑、DSD再生時はオレンジに点灯し、LEDの数でサンプリング周波数がわかる仕組みだ。

 Bluetoothでの再生ももちろん可能で、コーデックは48kHz/24ビットファイルが伝送できるaptX HDに対応。スマホやタブレットに保存した音源を気軽に楽しんでもいいだろう。なお、さらなる本体のコンパクト化のためにBluetoothアンテナをKS-55の半分以下の長さに変更、正面からは見えないようになっている。

 先日開催された発表会でKS-55Hyperによる音の変化を聴かせてもらった。リニアPCMで女性ヴォーカルを再生すると、フォーカスの合った、細やかなサウンドが再現される。高域まで艶やかで、ハイレゾ音源としての魅力も感じられるサウンドだ。続いてDSD128での男性ヴォーカルでは、発声がナチュラルでしっとり感すらある。キレのいいリニアPCMと自然な印象のDSDという持ち味が明瞭に描き出されている。

 同じ音源をKS-55でも聴かせてもらったが、その違いは予想以上に大きい。KS-55もこのサイズでは充分な低域感と情報量を持っているが、KS-55Hyperは高域も低域もレンジが広がって、ゆとりが加わった印象だ。S/Nもよくなっているので、細かな音まで明瞭に聴き取れた。

画像: 上はKS-55Hyperのアンテナで、下がKS-55用。長さは半分以下に抑えられている

上はKS-55Hyperのアンテナで、下がKS-55用。長さは半分以下に抑えられている

 渡邉さんによるとKS-55Hyperでは入力から出力(パワーアンプ)まですべてデジタルで処理しているので、パワーデバイスの刷新等によって調整にも余力が生まれ、それが音質改善に貢献したのだという。

 昨今はデジタル入力対応アクティブスピーカーが人気だが、KS-55Hyperはそのコンパクトさとサウンドクォリティで注目を集めることだろう。デスクトップでの音楽再生だけでなく、大型テレビの横に置いて映像コンテンツを楽しむといった使い方もお薦めだ。(取材・文:泉哲也)

「KS-55Hyper」の主なスペック

●使用ユニット:30mmリングダイアフラム型トゥイーター、63.5mm ウーファー
●アンプ構成(L/R):2ウェイデジタル・バイアンプ駆動
●アンプ総合出力:140W
●クロスオーバー周波数:1,200Hz
●周波数帯域:70Hz〜60kHz
●対応サンプリング周波数:リニアPCM(44.1/48/88.2/96/176.4/192 kHz、24ビット)、DSD128(5.6MHz/1ビット)
●接続端子:USB Type-B、光デジタル入力、アナログ音声入力(ステレオミニ)、miniUSB(メンテナンス用)
●Bluetooth対応コーデック:SBC、AAC、aptX、aptX HD
●Bluetoothペアリング台数:9台
●付属スピーカーケーブル長:3m
●寸法/質量:W109×H159.5×D203.4㎜/約2kg(右)、約1.9kg(左)

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