映画やドラマ、バラエティで大活躍の俳優・田中要次さんが、この春、念願のホームシアターを手に入れた!StereoSound ONLINEでは、田中さんが家を建てると決めた頃からホームシアターについての相談をもらっており、配線やスピーカーレイアウトについてアドバイス(という名の背中押し)をしていた。本連載では、そんな田中さんのホームシアターができるまでを紹介したい。(取材・文:泉 哲也)

画像: 田中要次(たなか ようじ)さん 1963年8月8日生まれ。長野県出身。1982年に日本国有鉄道・長野鉄道管理局に就職。1987年の国鉄分割民営化にともない、JR東海の社員となり、東海道本線大府駅や安城駅構内の職場に勤務。その頃から映画館に通い、地元の映画上映サークルと交流を深める。 1990年にJR東海を退職、俳優になる事を志して東京に移住。1991年、照明技師の安河内央之氏に師事し、竹中直人氏が監督する『無能の人』の照明助手として参加、エキストラとしても出演を果たす。その後は、俳優だけでなく撮影スタッフとして数多くの映像製作に携わった。 1994年から俳優に専念するようになり、TVドラマ『HERO』にバーテンダー役で出演した際の台詞「あるよ!」が話題となって人気を博した。以後、映画、ドラマだけでなくバラエティにも活躍の場を広げている。

田中要次(たなか ようじ)さん
 1963年8月8日生まれ。長野県出身。1982年に日本国有鉄道・長野鉄道管理局に就職。1987年の国鉄分割民営化にともない、JR東海の社員となり、東海道本線大府駅や安城駅構内の職場に勤務。その頃から映画館に通い、地元の映画上映サークルと交流を深める。
 1990年にJR東海を退職、俳優になる事を志して東京に移住。1991年、照明技師の安河内央之氏に師事し、竹中直人氏が監督する『無能の人』の照明助手として参加、エキストラとしても出演を果たす。その後は、俳優だけでなく撮影スタッフとして数多くの映像製作に携わった。
 1994年から俳優に専念するようになり、TVドラマ『HERO』にバーテンダー役で出演した際の台詞「あるよ!」が話題となって人気を博した。以後、映画、ドラマだけでなくバラエティにも活躍の場を広げている。

 田中要次さんに初めてお会いしたのは、2018年10月に新宿高島屋で開催された竹中直人さんの写真展「竹中直人の眼」の会場だった。初日のトークショウ後の懇親会で田中さんをお見かけし、図々しくお声がけさせてもらったのがきっかけだ。前々から田中さんが映画や音楽がお好きという話を聞いていたので、チャンスがあったら取材をさせてもらえればという軽い気持ちだったと思う。

 その5ヵ月後の2019年3月、竹中直人さんの誕生パーティでまた田中さんにお会いした。改めてご挨拶させてもらったところ、なんと田中さんから「今度家を建てることになりました。1階に客間を作るんですが、そこをホームシアター兼用にしたいと思っているんです。何か気をつけた方がいいことはありますか?」という相談が!

 そういうことなら喜んで! というわけでその場で田中さんが考えるホームシアターのイメージをうかがってみた。その概要は以下の通り。

・4K対応プロジェクターを導入
・スクリーンも新規に取り付ける(100インチを想定)
・スピーカーは手持ちの5.1chシステムを使う
・客間でもあるので、内装は他の部屋と同様に

 客間兼用とはいえ、100インチスクリーンや5.1chサラウンドなど、充分本格的なホームシアターになりそうな予感。せっかくならサラウンドはドルビーアトモス対応にしましょうとか、ケーブル関係はあらかじめ壁の中に通線しておきましょう、など思いついた点をご提案させてもらったわけだ。

客間を活用した、夢のホームシアターを作ります!

画像: 110インチスクリーンと5.1.2サラウンドを採用した、田中要次さんのホームシアター。ここに至るまでの顛末をじっくり紹介します

110インチスクリーンと5.1.2サラウンドを採用した、田中要次さんのホームシアター。ここに至るまでの顛末をじっくり紹介します

画像: 視聴位置後方の壁面にサラウンドスピーカー、中央の天井面にプロジェクターが天吊されている

視聴位置後方の壁面にサラウンドスピーカー、中央の天井面にプロジェクターが天吊されている

 そして翌月、田中さんから具体的な相談メールをもらうことになる。

 この時点で田中さんが気にしていたのは、壁材をどうするか。ハウスメーカーから繊維入りのクロスを貼ると吸音効果があがると提案され悩んでいるとのこと。それもひとつの案ではあるけれど、見取り図を拝見したら、その前に気になる点があった。

 田中さんのホームシアターはスクリーンに向かって右に出窓があり、厳密には左右対称ではない。そこで、左右の壁面についてはカーテンを設置し、左右が同じような吸音特性を持つようにしてはどうでしょうと提案した次第。田中さんもこの案を採用し、正面の壁(スクリーンの背後)には拡散型のパネルを貼り、左右の壁面にはカーテンを設置することでバランスを取ることにしてくれた。

 「この部屋では、音が外に漏れないように壁の中にセルローズファイバーを充填したんです。そこから室内の反響も考えなきゃということになって、天井のクロスも布系にしようかと考えていました。

 でも、山崎まさよし君のスタジオのお邪魔した時に、片面にカーテンを引いたらまったく違うということを聞いたので、わが家でもスクリーンの両側にカーテンを設置することにしました」とのことで、編集部のアドバイス以外にご自身でもリサーチをされていたようだ。

大画面とドルビーアトモスのために、プロジェクターやトップスピーカーも設置

画像: プロジェクターは熟考の末、エプソン「EH-TW8400」に落ち着いた。田中さんは天吊り金具を購入し、自分の手で天吊設置まで行っている

プロジェクターは熟考の末、エプソン「EH-TW8400」に落ち着いた。田中さんは天吊り金具を購入し、自分の手で天吊設置まで行っている

画像: トップスピーカーのJBL「C-6IC」も綺麗に埋め込み設置されている。施工時に下地を入れるなどの準備も万全

トップスピーカーのJBL「C-6IC」も綺麗に埋め込み設置されている。施工時に下地を入れるなどの準備も万全

 その他に強くお勧めしたのが、トップスピーカーの設置。田中さんはSFやアクション作品もご覧になるとのことだったので、ドルビーアトモスやDTS:Xは絶対再生できるようにしておくべだと考えていた。客間兼用ホームシアターであれば、トップスピーカーは目立たない天井埋め込みがベスト。

 田中さんは当初、天井に穴を開けてまでスピーカーを設置する必要があるのか悩んでいたようだけど、編集部のしつこさにまけて検討をしてくれ、最終的にJBLの「C-6IC」を2基使った5.1.2システムを設置することになった。

 なおC-6ICを選んだ理由は、ユニットが同軸配置なので本体(直径)が比較的コンパクトな点と、ウーファー口径が165mmで映画の低音再生にも対応できるはず、という目論見から。かつ、天井裏に73mmのスペースがあれば設置できることも大きかったとのこと。

 C-6ICを設置する場所は編集部から図面で指定させてもらい、それを元に田中さんが施工業者と相談して天井裏の補強、通線などの細かい打ち合わせを進めてくれた。その甲斐あって、C-6ICはとても綺麗に取り付けられています。

AVラックはすっきり収納。ラックの横には通線作業用の扉も!

画像: 田中さんは移動式のAVラックを使っており、視聴位置右側面にはそのラック収納するスペースも設けられている。ラックの横幅もこのスペースに合わせて修正したのだとか

田中さんは移動式のAVラックを使っており、視聴位置右側面にはそのラック収納するスペースも設けられている。ラックの横幅もこのスペースに合わせて修正したのだとか

画像: ラックの後ろには、電源コンセントやスピーカーケーブル用通線用のパネルが設置されている。さらにラック横には作業がしやすいように小さな扉も準備。これも田中さんのアイデアとのこと

ラックの後ろには、電源コンセントやスピーカーケーブル用通線用のパネルが設置されている。さらにラック横には作業がしやすいように小さな扉も準備。これも田中さんのアイデアとのこと

画像: スピーカーケーブルは全チャンネル壁内を通線し、フロントL/C/Rは各スピーカーの近くにターミナルを準備した。フロント右側にはサブウーファー用のRCAコネクターと電源コンセントもあり

スピーカーケーブルは全チャンネル壁内を通線し、フロントL/C/Rは各スピーカーの近くにターミナルを準備した。フロント右側にはサブウーファー用のRCAコネクターと電源コンセントもあり

 この頃には田中さんから、AVセンターはソニー「STR−DN1080」、プロジェクターはエプソン「EH-TW8400」にしますという連絡があり、システムは俄然具体的になっていった。なお田中さんはAV機器にも興味があって、雑誌やサイトでかなり情報を集めているようで、ご自分の使い方や好みに合いそうな製品の目星をつけてから編集部に相談をくれるので、機材選びについてはほぼご自身のチョイスで進めている。

 だがこうして機材が定まってきた頃に、予想外の展開が待っていたのです。

※9月10日公開の(その2)へ続く

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