AVアンプやプリメインアンプ、さらにはサウンドバー、ワイヤレススピーカーまで、デノン、マランツを中心としたさまざまなオーディオ機器に採用されているネットワーク機能、HEOS(ヒオス)テクノロジー。Wi-Fiホームネットワーク環境において、HEOSアプリがインストールされたスマホ/タブレットをコントローラー代わりに、音楽ストリーミングサービスを楽しんだり、家中の複数の対応機器を自在に制御したり、高度な使いこなしが可能になる。HEOSアプリを起動すると、同じネットワーク上にあるHEOSデバイスを検出、接続済機器の名称を表示し、各機器の動作状況の把握が可能(再生中は曲情報も表示可能)。

 そこから操作したい機器を選び、「ミュージック」タブを押すと再生可能なソースが表示され、そこで選択、選曲、そして再生スタートとなる。もちろん機器ごとの音量調整も可能。

 また、ネットワークオーディオプレーヤー機能(DLNA)をサポートしているため、同じネットワーク内のミュージックサーバー(NAS)内の音源(192kHz/24ビットまでのリニアPCMに対応。機器によっては5.6MHzまでのDSD音源もサポート)を呼び出して、再生できる。

 

HEOSって何?

画像1: 『HEOS』高音質サブスクを「快適+いい音」で楽しむ

HEOS(ヒオス)とは、簡単にいうと「デノン、マランツが開発したネットワークオーディオ再生の総合的再生機能」で、①音楽サブスク(音楽ストリーミングサービス)の「Amazon Music」「Spotify」「AWA」などを音源にして、②HEOSアプリをインストールしたスマホ/タブレットを使って、③HEOS対応オーディオ機器で、簡単に選曲/再生できる。HEOSアプリを使うことで、自らのオーディオ機器が、サブスクが用意している膨大な楽曲が快適に楽しめるわけだ。特にAmazon Musicは「HD」対応で、ハイレゾ音源を含む高音質再生をいち早く実現したことも見逃せない特徴。それ以外にもHEOSには、ネットワーク内のミュージックサーバーに収められたハイレゾ音源の対応やマルチルーム対応、複数機器の一括再生など多機能を実現している。スマホ/タブレット内の音源の再生も可能だ。

 

写真①

写真②

写真③

写真④

HEOSアプリはスマホ/タブレット向けにiOS/Android用が提供されている。アプリは、①デバイスの選択(写真①)、②ミュージックの選択(ストリーミングサービスあるいはサーバー、USBメモリー、入力切り替えなど/写真②)、③選曲操作する(写真③/ここではAmazon Music HDで『Best of 大滝詠一』を選択)流れだ。音量操作や入力切替えが可能な機器もあり、選曲から再生操作まですべてアプリで完結でき、ひじょうに便利。再生中は楽曲のアルバムアートが表示されて(写真④)楽しさもいっぱい。なお、HEOSを使うには、事前にHEOSアカウントの作成(無料)と音楽ストリーミングサービスの有料プランへのアカウント登録(Amazon MusicとSpotify、AWA)が必要となる

 

だからHEOSは楽しい!

HEOSの特徴

① ハイレゾを含む音楽サブスクが快適に楽しめる

② HEOSアプリで選曲から機器までシームレスに操作可能

③ デノン、マランツの高音質オーディオ機器に対応

④ Amazon Alexaによる音声操作

 

HEOS対応音楽サブスク

Amazon Music(HD含む)、Spotify、AWA、SoundCloud、TuneIn

 

 

【Style1】
ステレオスピーカーでシンプルに高音質サブスクを楽しむ

M-CR612の最大の特徴は音へのこだわり

 ここでHEOSテクノロジーを装備したマランツの一体型CDコンポ、M-CR612と、ダリの人気小型スピーカー、OBERON1の組合せで、HEOSを使いこなしてみたい。

 M-CR612の最大の特徴は、音への徹底したこだわりにある。特にパワーアンプについては、4ch仕様として、4スピーカー(2ペア)接続、バイアンプ接続の両方をサポート。またシングルワイアリング接続でも、よりパワフルな駆動が可能なパラレルBTLドライブモードを用意している。

 OBERON1はデンマークを代表するスピーカーブランド、DALI(ダリ)の2ウェイブックシェルフのエントリーモデル。飾りすぎない、シンプルなデザインが特徴的で、29mm径の軽量ソフトドームトゥイーターと130mm径のウッドファイバーコーンウーファーともに上級機の技術を生かした自社開発品。随所で、価格以上の価値を感じさせる人気モデルだ。

 まずアンプを通常モードのシングルワイヤリング接続で、Amazon Music HDのレディー・ガガとブラッドリー・クーパーのデュエット曲「シャロウ」(96kHz/24ビット/FLAC)を再生してみたが、癖っぽさのない、肌合いのいい聴かせ方で、2人の声と各楽器の音色、スケール感も良好だ。

 特にレディー・ガガの声はエネルギーに満ちて、ステージ中央から客席へと拡がっていく様子も実になめらか。まるでその会場に居合わせて、聴いているかのような一体感のあるライブ感を体験することができた。

 

個性が違うふたつのアンプモード

 ここでスピーカーケーブルの接続は替えず、M-CR612のアンプの設定をパラレルBTLドライブモードに変更。すると音の輪廓がより鮮明になり、ベースの躍動、スネアドラムの張り出しがより鮮明になる。力みがなく、軽やかに躍動するサウンドが身上の通常モード接続に対して、パラレルBTL接続では押し出しの強い骨太のサウンドを楽しませる。

 それぞれ持ち味が異なるが、どちらのアンプモードも実に魅力的で、取捨選択は難しい。スピーカーケーブルの接続変更の必要がないので、ここは再生する楽曲や、その時の気分に応じて、積極的に使い分けて、楽しんでみてはどうだろう。これが私からの提案だ。

 

画像: 個性が違うふたつのアンプモード

マランツ製HEOS対応オーディオコンポーネント

● ネットワークオーディオプレーヤー:NA6006(¥82,500)
● ネットワークSACDプレーヤー:SACD30n(¥297,000)
● ネットワークCDプレーヤー:ND8006(¥143,000)
● ネットワークプリメインアンプ:NR1200(¥88,000)、PM7000N(¥132,000)
● AVアンプ:NR1711(¥99,000)、SR6015(¥162,800)、SR8015(¥407,000)
※ 価格はすべて税込。生産完了品の中にもHEOS対応モデルあり

 

 

Style2
高音質サブスク対応サウンドバーでテレビも音楽も味わい尽くす

デノンが本気で開発した高級サウンドバーが登場

 オーディオ機器の一角として存在感を増しているサウンドバー。110年の歴史を誇る老舗のオーディオメーカー、デノンでも、サウンドバーの開発は実に積極的だ。直近ではDHT-S216というエントリーモデルを開発、その音のよさが評判を呼び、大ヒットとなった。

 ここで紹介するDENON HOME SOUND BAR 550は同社が本気で開発した初めての高級サウンドバーだ。最大の注目点は、単なるテレビの音の強化にとどまらず、リビングのオーディオ機器としても充分通用するクォリティに仕上げられていること。

 目指したのは、ピュアでストレートな音が楽しめるサウンドバー。各ユニットの開発から始まり、高剛性のエンクロージャー、高出力、高S/Nを両立したデジタルアンプ、強力な電源回路と、同社がHi-Fiオーディオ機器の開発で培った技術、ノウハウが惜しみなく投入。さらに独自のネットワーク機能、HEOSテクノロジーまで組み込んだ。

 Apple TVと本機をHDMIケーブルでつなぎ、本機からさらにHDMIで65インチ4Kテレビと接続。映画『アリー/スター誕生』(ドルビーアトモス音声)を再生して、そのサウンドを確認してみたが、声の質感の高さ、楽器の響きの緻密さ、そしてストレスのない空間の拡がりと、随所でスピーカーとしての素性のよさが実感できる。

 セリフを自然に定位させて、その外側に効果音、音楽が自然に拡がっていくという正攻法の音づくりで、サラウンドを極端に拡げるような違和感もない。65インチの映像から沸き上がるように拡がる、ドルビーアトモスならではの雄大な音場空間が体験できた。

デノンのHi-Fi機器と通じる本質的な音質を実現

 HEOSアプリでAmazon Music HDの『アリー/スター誕生』サントラ盤(96kHz/24ビット/FLAC)も確認してみたが、歪み感のなさ、分解能の高さは、まさに同社のHiFiオーディオ機器に通じる。テレビの音質改善にとどまらず、リビングのオーディオ機器として、充分に通用するクォリティとみた。

画像: デノンのHi-Fi機器と通じる本質的な音質を実現

デノン製HEOS対応オーディオコンポーネント

● ネットワークオーディオプレーヤー:DNP-800NE(¥66,000)
● ネットワークプリメインアンプ:PMA-150H(¥132,000)
● ネットワークCDアンプ:RCD-N10(¥63,580)
● AVアンプ:AVR-X1600H(¥65,450)、AVR-X2700H(¥99,000)、AVR-X4700H(¥198,000)、AVC-X6700H(¥363,000)、AVC-X8500H(¥528,000)、AVC-A110(¥748,000)
● サウンドバー:DHT-S516H(実勢価格8万3000円前後)
● スマートスピーカー:DENON HOME 150(実勢価格3万2000円前後)、DENON HOME 250(実勢価格4万8000円前後)
※ 価格はすべて税込。生産完了品の中にもHEOS対応モデルあり

 

結論

高音質、優れた機能性、使い勝手のよさを高次元で実現したHEOS

高感度な音楽ファンを中心に人気を広く浸透しつつある高度なネットワーク機能、HEOS。今回の取材ではそのクォリティの高さ、優れた機能性、使い勝手のよさを実感。良質な音楽に包まれた暮らしも、HEOS対応機器をもってすれば、ラクラク実現可能だ。  (藤原陽祐)

 

各製品の問合せ先 : デノン・マランツD&Mインポートオーディオ お客様相談センター ☎︎ 0570(666)112

 

アメリカ生まれの、メリハリの効いた音が魅力
ポークオーディオREACTに注目

 強者揃いの北米のオーディオ市場で高い評価を得ているPolk Audio(ポークオーディオ)が自信をもって送り出すサウンドバーREACT(リアクト)。一体型のシンプルなモデルで、高さは57mmと薄く、設置性に優れる(テレビ画面を邪魔しない)。ユニットは96×69mmの楕円型ウーファーと25mm径のアルミニウムトゥイーターの組合せ。ウーファーについては上向きに配置され、音が画面下から聴こえる違和感を軽減している。また低音増強用のパッシブラジエーター2基も搭載済だ。

 サラウンド音声はドルビーデジタル、DTS、リニアPCMの3種類に対応。HDMI ARC機能も備えるため、テレビとの接続はHDMIケーブル1本で完了する。

 実際の音は、一定のダイナミックレンジを確保しつつ、キリッと引き締まったメリハリ調の聴かせ方で、明瞭度が高い。スペックよりも、実際の聴き心地のよさを重視した仕上がりで、音源による得意、不得意も比較的少ないように感じた。

 Spotify Connectにも対応済。さらに最新のAmazon Echo Dotと同等の使いこなしが可能で、Wi-Fi環境下では単体でAmazon Musicも楽しめるという優れものだ。

画像4: 『HEOS』高音質サブスクを「快適+いい音」で楽しむ

サウンドバー
Polk Audio
REACT
オープン価格(実勢価格2万9700円前後)

● 寸法/質量:W864×H57×D121mm/2.9kg
● 本機はHEOSには対応していません

 

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