ヤマハから、2021年の「AVENTAGE」シリーズ3モデルが発表された。それぞれの型番と税込価格、発売日、内蔵パワーアンプ数は以下の通り。7月1日から全国の正規販売店で予約を受け付ける。

「RX-A4A」 ¥132,000(7月30日発売、7chパワーアンプ内蔵)
「RX-A6A」 ¥275,000(8月31日発売、9chパワーアンプ内蔵)
「RX-A8A」 ¥418,000(8月31日発売、11chパワーアンプ内蔵)

画像: 11chパワーアンプ内蔵の「RX-A8A」

11chパワーアンプ内蔵の「RX-A8A」

 AVENTAGEシリーズは「サウンドクォリティの追究」「あらゆる環境にフィット」「新世代の映像やゲームを楽しむ」といった要素を備えたヤマハAVセンターのアドバンスドモデルで、今年のラインナップとしては3月に「RX-A2A」が発表済み。今回の3モデルはその上位ラインナップだ。

 製品の位置づけとしては、昨年の「RX-A1080」の後継機がRX-A4A、「RX-A3080」の後継機がRX-A6Aとなる。RX-A8Aは一体型の新しいフラッグシップで、11chパワーアンプを内蔵した一体型は2007年に発売された「DSP-Z11」以来だという。

 本体はRX-A2Aでも採用されているミニマル&エレガントを目指したデザインで、ボリュウムノブをセンター、右側に入力切り替えを配置したもの(本体サイズは3機種で異なる)。

 3モデル共通の特徴としては、ドルビーアトモスやDTS:Xといったイマーシブオーディオのデコードが可能で、さらに独自のシネマDSP HD3(キュービック)の掛け合わせにも対応した。シネマDSP HD3のプログラムは、3モデルとも24種類を搭載済み。

 さらに2chや5.1ch、7.1ch音源から360度の没入感のある音場を再現する「DOLBY ATMOS with HEIGHT VIRTUALIZATION」機能も搭載済みで、RX-A6AとRX-A8Aについてはファームウェアアップデートで「AURO 3D」再生が可能になる(アップデート時期は未定)。

画像: 従来モデル「RX-A3080」の後継期に位置づけられる「RX-A6A」

従来モデル「RX-A3080」の後継期に位置づけられる「RX-A6A」

 それらのサラウンド信号のデコードや音場創生処理にはクァルコムのDSP「QCS407」とTIの「DA81Y」を使用。QCS407はヤマハAVセンターでは初めて搭載するチップだが、今回はこのチップで、DSPプログラムやドルビー、DTSなどのデコーダー等を、また、自動音場補正機能「YPAO」はTIのDA81Y で64ビット演算させている。

 さらに「SURROUND:AI」についても今回は64ビット演算となっているので、音の輪郭やヴォーカルの距離感再現などもよりクリアーに再現できることになる。

 なおD/AコンバーターチップにはESS製が奢られており、RX-A4Aは「ES9007S」、RX-A6Aは「ES9026PRO」+「ES9007S」、RX-A8Aが「ES9026PRO」を2基という構成だ。

 また3モデルとも8K/60pや4K/120pのパススルーに対応したHDMI入力7系統・出力3系統を搭載済みで、最新ゲームで使われているVRR、QMS、QFT、ALLMといった映像信号も受け付ける。最近のホームシアターではゲームも重要なソースになっており、これらを低遅延で再現できるのはファンにも喜ばれるだろう。

 パワーアンプには高スルーレートと安定した信号伝送を両立する「ハイスルーレートパワーアンプ」を採用、これらを新構造のシャーシに取り付けることで明瞭度が高いクリアーな音を実現したそうだ。

画像: 「RX-A4A」は、7chパワーアンプ内蔵で「SURROUND:AI」にも対応済み

「RX-A4A」は、7chパワーアンプ内蔵で「SURROUND:AI」にも対応済み

 AVENTAGEシリーズのシンボルとも言える5本目の足の位置も変更された。これまでは底面中央に取り付けられていたが、今回トランスの位置が前方に移動したことに伴い、フロントパネル寄りになっている。その位置はシャーシの振動解析をやり直し、ベストポジションを探った結果だそうだ。

 この他、プリント基板と電源トランスもすべてリニューアルされた。プリアンプ部には多層基板を採用し、理想的な信号、電源、グランド配線を実現することで、S/Nやクロストークの改善を図っている。トランスは電源増幅用と電圧増幅用の巻き線を分離してノイズを抑制、情報量もアップした。「Pure Direct」モード時の電源オフの設定も全面的に見直され、従来以上に高品位な音楽再生が可能になっているそうだ。

 もうひとつ、YPAOのパラメトリックイコライザーに新しいモードが追加されている。これまではスピーカーの特性を均一に設定する「フラット」、フロントスピーカーの特性に他を合わせる「フロント近似」、高域特性を下げた状態で揃えて各スピーカーの音質を設定する「ナチュラル」が準備されていたが、新たに「Low Frequency(低周波数領域)」が追加された。

 「Low Frequency」を選ぶと、室内の残響低音域がカットされ、15.6Hzからの低域を最適化してすっきりした音場を楽しめるようになる。こちらは低音のだぶつきに有効とのことなので、気になる方は試していただきたい。

 ハイレゾ音源は最大384kHz/32ビットのWAV/FLACやDSD11.2MHzに対応済み。Apple Losslessは96kHz/24ビットまでサポートしている。音楽ストリーミングの「Deezer HiFi」や「Amazon Music HD」「Spotify」なども試聴可能という(別途契約は必要)。

画像: 新たに採用されたクァルコムのDSP「QCS407」(左)。右はRX-A8AとRX-A6Aに搭載されたESS製のD/Aコンバーター「ES9026PRO」

新たに採用されたクァルコムのDSP「QCS407」(左)。右はRX-A8AとRX-A6Aに搭載されたESS製のD/Aコンバーター「ES9026PRO」

「RX-A8A」の主なスペック

●定格出力(20Hz〜20kHz、2ch駆動):150W/ch(8Ω、0.06%THD)
●実用最大出力(JEITA、1kHz、1ch駆動):220W/ch(8Ω、10%THD)
●内蔵パワーアンプ数:11ch
●接続端子:HDMI入力7系統(8K対応)、HDMI出力3系統(8K対応)、色差コンポーネント入力1系統、コンポジット映像入力2系統、デジタル音声入力5系統(同軸×2、光×3)、アナログ音声入力7系統(XLR×1、RCA×6、PHONO含む)、USB端子1系統、LAN端子1系統、プリアウト2系統(RCA11.2ch×1、XLR2ch×1)、他
●シネマDSPプログラム数:24
●オブジェクトオーディオ対応:ドルビーアトモス、DTS:X、AURO 3D(ファームウェアアップデートで対応)
●Bluetooth再生対応コーデック:SBC/AAC
●対応音声フォーマット:DSD 11.2MHz、Apple Lossless 96kHz/24ビット、WAV/AIFF 384kHz/32ビット(32bit-floatファイルは非対応)、FLAC 384kHz/24ビット、MP3/WMA/MPEG4-AAC 48kHz/24ビット
●ストリーミングサービス:インターネットラジオ、Spotify Connect、Amazon Music、Deezer HiFi対応
●消費電力:600W(待機時0.4W、HDMIコントロール/スタンバイスルー/ネットワークスタンバイOFF時)
●寸法/質量:W435×H192×D477mm(アンテナ収納時)/21.4kg

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