椰月美智子の同名小説を映画化した『明日の食卓』の完成報告会が5月5日、都内で行なわれ、主演 菅野美穂、高畑充希、尾野真千子、そして当日は子供の日ということあって、子役の柴崎楓雅、外川燎、阿久津慶人、そして瀬々敬久監督らが登壇した。

画像1: 普通の家庭に起こりうる闇をミステリアスに描いた『明日の食卓』の完成報告会が開催。「うまく行かない、その先にある“希望”を見つけてほしい」

 本作は、子供のいる3組の石橋家を舞台に、家族間の光と闇をサスペンスタッチに描いたオムニバス作。監督は、「幸せそうに見えるのに、どの家族かは言いませんが、子供を虐待して悲劇的な最後を迎えてしまう……。そんなドキドキするありさまが、どんな家族にも起こりうると思わせる、そんな原作が持つ緊張感を魅力と思い、映画化を決意しました」と、本作の映画化を決めた理由を説明。一方で、「悲しいだけでなく『明日の食卓』というタイトルにもあるように、明日はどんな食事が出るんだろうという希望を抱かせる部分もあり、映画ではその部分を膨らませて、再生に向かう3組を描く、そこに力を入れました。キャストのみなさんには、たいへんな芝居を要求したと思いますが、予想以上の出来栄えになっていて、感謝しています」と登壇したメンバーに向かい、感謝の言葉を述べていた。

 今回、10年ぶりの主演となった菅野は、「10、年を取りましたね」とおどけつつも、自身も二人の子を持つ親として、「運命的なタイミングで本作と出会うことになり、ぜひやりたいと思った」と、本作への出演を快諾。劇中では、自身の経験ともシンクロする部分があったそうだが、「子供をしかる部分では、その感情は知っているのにも関わらず、いざ本番となると、ポンとその記憶が遠くにいってしまい……。自分の経験をうまくいかせていない気がしましたね」と、撮影を振り返っていた。

 高畑は、パートを掛け持ちするシングルマザーを演じている。「シングルマザーってどんな風に演じたらいいんだろうという、探り探りな感じが強かったので、その部分は難しかったですね。反面、住んでいるのが大阪という設定だったのは、小さい頃に住んでいたこともあり、記憶にあるその土地の空気感を思い出しながらお芝居することができて、助けられました。ただ、怒涛の撮影だったために、辛かったという記憶しか残っていなんですよ」と、当時の記憶を絞り出しながらコメントしていた。

 尾野は、郊外に住む専業主婦という役柄で、3組の母親の中では一番ハードな展開が待っているという。「いろいろな問題を抱えすぎていて! まさかそんなことまで、という大変な役でしたけど、現実のお母さんはもっと辛いんだよと、自分に言い聞かせながら演じていました。そんな、悪い要素がてんこ盛りな役でしたけど、これからの人生の予行演習ができていると思うと、そんな状況を楽しめる気持ちも湧いてきて。結構、楽しむこともできましたよ」とおどけたコメントをしていた。

 ちなみに、菅野演じる母親の息子を演じた外川は、「菅野さん演じる留美子ママは、いつも怒っている怖いお母さん(役として)でしたけど、撮影が終わるとフォローしてくれたり、明るく話しかけてくれたりして、とても優しい人でした」と、ある意味母親(役のキャスト)よりもしっかりとしたコメントをしていた。

映画『明日の食卓』

5月28日(金)より全国ロードショー
配給:KADOKAWA/WOWOW
(C)2021「明日の食卓」製作委員会

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