HUAWAI(ファーウェイ)の2021年の新製品のひとつ、ワイヤレスイヤホン「FreeBuds 4i」が先日発売された。ANC(アクディブ・ノイズ・キャンセリング)の機能を搭載しながら市場想定価格¥9,680(税込)を実現した注目モデルだ。今回、その取材機を借用できたので、音質や使い勝手についてチェックしてみた。

 同社では、ワイヤレスイヤホンとして「FreeBuds Pro」「FreeBuds」「FreeBuds i」という3つのシリーズを発売している。FreeBuds 4iはその中で若者&エンタテインメントに向けた製品ラインナップとなる。

画像: カラリングは3色展開で、カーボンブラックとセラミックホワイトが4月20日、レッドは5月の発売予定

カラリングは3色展開で、カーボンブラックとセラミックホワイトが4月20日、レッドは5月の発売予定

 そのコンセプトに準じたのだろう、本体サイズ、充電ケースとも小型・軽量でどこにでも持って行きやすい仕様になっている(イヤホン本体は片方で約5.5g、充電ケースも約36.5g)。イヤホンのデザインは従来の「FreeBuds 3i」を踏襲しながら、ややすっきりしたフォルムになっている。楕円形の充電ケースは手に平にすっぽり収まるし、角がないのでズボンのポケットにもしまいやすい。

 ドライバーはフルレンジのダイナミック型で、直径10mmの高感度ポリマー振動板を搭載。このあたりもFreeBuds 3iと同様の設計のようだ。BluetoothのコーデックはSBCとAACの2種類が使える。

 バッテリー維持時間はFreeBuds 3iから2倍近く伸びており、ノイズキャンセリング機能オンで約7.5時間(オフでは約10時間)、充電ケースの併用で最大約22時間(ノイズキャンセリング機能オフ)をクリアーしている。

画像: イヤホンは片側5.5gと小型・軽量で装着していてもストレスはない。本体ANC用のマイクは縦方向のバー部分にふたつ内蔵されている

イヤホンは片側5.5gと小型・軽量で装着していてもストレスはない。本体ANC用のマイクは縦方向のバー部分にふたつ内蔵されている

 今回はiPhoneとの組み合わせで音質チェックを実施。ペアリングはFreeBuds 4iをケースから取り出すだけでiPhone側に接続対象として表示された。なおFreeBuds 4iと同社EMUI10以上のスマートフォンやタブレットと組み合わせる場合は、充電ケースを開くだけで通知が表示され、ペアリング完了後は充電ケースを開くだけでイヤホンが自動接続されるという。

 iPhoneとの組み合わせなのでコーデックはAACということになるが、その音質はすっきりして、クリアーさを志向したもの。この印象は以前取材した「FreeBuds 3」と同様だ。

 女性ヴォーカルでは、セリーヌ・ディオンやメイヤの声が綺麗に再現され、高音の伸びも気持ちいい。ピアノやバイオリンが鮮明でテンポよく再現されているし、スタジオの残響感、音の消え際の余韻なども細かい部分まで再現されている。

画像: 充電はケーブ下部のUSB Type-Cコネクターで行うタイプで、Qiには非対応

充電はケーブ下部のUSB Type-Cコネクターで行うタイプで、Qiには非対応

 一方で低音感は控えめで、エリカ・バドゥ『Baduizm』の1曲目のずんと響く低音や、ジャズのベース、クラシックでのコントラバスなどがあっさりした印象になる。10mmフルレンジドライバーということもあるのかもしれないが、HUAWEIの音作りとして、無理に低音を欲張っていないのだろう。

 ここまでは室内でノイズキャンセリング機能・オフで聴いた印象。次にこれをオンにして同じ曲も聴いてみた。ちなみにFreeBuds 4iのノイズキャンセリングは独自のビームフォーミング技術とAIノイズリダクション技術を組み合わせたもので、最大35dBのノイズ抑制効果があるという。

 ノイズキャンセリング機能を入れると音の広がりが少しだけ制限されるような気もしたが、音そのものの情報がスポイルされるとか、どこかの帯域のバランスが崩れるといったことはない。これならノイズキャンセリング・オンのままで聴いても不満はなさそうだ。

画像: パッケージも10cm角とコンパクト。この中に充電用ケーブルも収まっている

パッケージも10cm角とコンパクト。この中に充電用ケーブルも収まっている

 そこで外出時の電車やバスの中でノイズキャンセリングのオン/オフを切り替えて試してみた。バスのエンジン音などの暗騒音が消えて音楽に集中することが出来るし、歩行中の風音もある程度なら抑えてくれる(歩行中は外音を取り込むモードがお勧め)。ノイズキャンセリングモードの切り替えは右イヤホンを長押しするだけなので、適宜使い分けるといいだろう。

 ちなみに現在、とある事情で『ルパン三世』のサウンドトラックをまとめて聞き直している。そこでFreeBuds 4iをMacBook PROにペアリングしなおし、原稿を書きながらBGM的に聴いてみた。

 大野雄二氏作曲によるお馴染みのテーマ曲や挿入歌、インストなどを抑え目のボリュウムで再生したが、ノイズキャンセリングがいい案配に効いて、社内のノイズも気にならない。ある意味でこちらの方が原稿にも集中できるし、FreeBuds 4iはビジネスのお供としても活用できるかもしれない。
(取材・文:泉 哲也)

画像: iPhoneとのペアリングも簡単だった

iPhoneとのペアリングも簡単だった

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