リアルアシストが新たに国内での取り扱いを開始した、中国のポータブルオーディオ機器メーカー「DD HiFi」。既報の通り、先週の4月24日には同ブランド初の(ユニバーサルタイプの)IEM(インイヤーモニター)となる「Janus」が発売されている(¥25,780・税込)。ここでは、そのJanusのインプレッションをお届けしたい。

画像: 「Janus」

「Janus」

 Janusの大きな特徴と言えば、コネクターの形状がMMCXとカスタム2ピンの両方に対応していること、スケルトンハウジングであること、の2点に集約できるだろう。

画像: コネクターは「MMCX」と「カスタム2ピン」に両対応する

コネクターは「MMCX」と「カスタム2ピン」に両対応する

 コネクターは対向で取付口が搭載されており、どちらの端子を使っても、ちょうどスティックタイプのイヤホンのような形状になるので、耳への収まりはよく、はずれて落としそうな感覚も皆無。イヤーピースによる耳穴への圧迫感は少ないこともあって、装着性も上々だ。一方で、耳穴への圧迫感が少ないことで、遮音性はそれほど高くなく、周囲の騒音は、結構耳に届いてしまう。が、実際に緊急事態宣言が出ても満員の通勤電車で使ってみたが、騒音にかき消されて音楽が聴き取りづらい、ということはなかった。

画像: イヤホン本体はT字型をしており、T字部分の両端に2種類のコネクターを装備している。本体は内部が見えるスケルトン仕様。なお、カスタム2ピンコネクターを使用時は、MMCXコネクターを塞ぐキャップも付属する

イヤホン本体はT字型をしており、T字部分の両端に2種類のコネクターを装備している。本体は内部が見えるスケルトン仕様。なお、カスタム2ピンコネクターを使用時は、MMCXコネクターを塞ぐキャップも付属する

 付属のケーブルは、パステルブルーっぽいポップな感じに仕上げられており、スケルトンハウジングと合わせ、おしゃれにまとめられている。右用はカスタム2ピンコネクター部分が赤くなっているので、左右の判別もしやすい。他社も見習ってほしい部分だ。

画像1: DD HiFiの有線イヤホン「Janus」は、初めてのバランスイヤホンに好適の一台。デザイン性と音質がマッチし、豊かな音場感、響きの余韻が楽しめる

 プラグは2.5mmのバランス仕様であり、音質にこだわるユーザーにはうれしいものと言える。同時発売で、その2.5mmを3.5mmへ変換するアダプターや、USBケーブルタイプのDACアンプ「TC44B」もラインナップされているので、スマホやパソコンでJanusを使う場合、TC44Bを組み合わせれば、より音質のいいバランス接続で音楽が楽しめることになる。

 ドライバーなどのスペック面に関しては、詳しい紹介がないので不明だが、ユニットはダイナミック型が1基、インピーダンスは32Ω、感度は97dB、周波数帯域は20Hz~20kHzという有線イヤホンとしては一般的なものとなっている。

 まずは、2.5mmのバランス接続でCDクオリティの楽曲をいくつか聴いてみると、音場感が広く、響きの余韻が美しく再現されているのが分かった。細かい音の再現性に関してはもう少しほしいと思う部分もあるが、バランス接続の優位を活かした、音の厚みが充分に感じられるサウンドにまとめられている。

 ハイレゾコンテンツ(96kHz/24bit)を聴くと、音の粒立ちがより細かくなるのを感じられるようになり、CDコンテンツ、ハイレゾコンテンツの描き分けもしっかりとされていて、ブランドのチューニングセンスのよさが光るものとなっていた。さらに、声の消え際の余韻はより美しくなり、歌い手の息吹まで感じられるほど。そこで一度、CDに戻ると、24bitが16bitに変わった=音が荒くなるような印象を覚えるほど、コンテンツに寄り添った再現性が得られた。

 なお、ここまでのインプレッションは、ノーマルタイプのイヤーピースでのもの。Janusには「低音重視のイヤーピース」も付属しているので、ここでそれに変更してみる。一聴して、低音の厚みが増し、音楽とボーカル(声)のバランスがよくなったのが分かる。イヤーピースの軸部分の硬度が上がっているようで、装着には手間がかかるものの、耳穴への装着性も向上する。低音だけでなく全体のバランスを取りたい場合には、このイヤーピースに交換するといいだろう。ちなみに、再度ノーマルタイプのものに戻したところ、音は全体的にすっきりとした印象となり、ボーカル(声)が少し浮き立つようにもなるので、ボーカルメインの楽曲が好みのユーザーは、ノーマルタイプのままでもいいだろう。

 ここで同時発売のUSBケーブルタイプのDACアンプ「TC44B」と組み合わせたインプレッションも紹介してみたい。スマートホンに接続して使ってみたところ、オーディオ専用プレーヤーの音調に比べると、全体的にすっきりしたものながら、3.5mmステレオミニ、あるいはBluetooth接続した際の音質に比べると格段に優位で、音に厚みが出て、響き感やボーカルの消え際の余韻の再現は美しくなる。オーディオ専用プレーヤーに肉薄する……とまでは行かないが、スマートホン直の音質に比べると格段に向上しているのが実感できた。

画像: USBケーブルタイプのDACアンプ「TC44B」。2.5mmと4.4mmのバランスプラグを装備する

USBケーブルタイプのDACアンプ「TC44B」。2.5mmと4.4mmのバランスプラグを装備する

画像2: DD HiFiの有線イヤホン「Janus」は、初めてのバランスイヤホンに好適の一台。デザイン性と音質がマッチし、豊かな音場感、響きの余韻が楽しめる
画像3: DD HiFiの有線イヤホン「Janus」は、初めてのバランスイヤホンに好適の一台。デザイン性と音質がマッチし、豊かな音場感、響きの余韻が楽しめる

 Janusは、デザインと音質がマッチし、バランス接続らしい音質が、手軽に楽しめる製品に仕上げられている。同社からは、今回のテストで組み合わせたUSBケーブルタイプのUSB DAC TC44Bや、各種変換アダプター類もラインナップされているので、バランス接続対応の再生機だけでなく、幅広い機器と組み合わせることもできるため、初めてのバランス接続イヤホンとしても選択にも向いているだろう。

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