Apple TV 4Kの新OS「14.5」で加わったカラーキャリブレーション機能について“色々試してみたリポート第三弾”です。

 昨日の自宅チェックで、プラズマテレビのパイオニア「PDP-5000EX」では問題なく動作し、コントラスト感再現などでカラーキャリブレーションの効果も確認できました。

画像1: 昨日公開。Apple TV 4Kのカラーキャリブレーションを試す(3) 有機ELテレビでもう一度検証。ターゲットはドルビービジョン?

 が、投写型プロジェクター、ソニー「VPL-VW1100ES」ではiPhoneのセンサーが反応せず、カラーキャリブレーション自体ができませんでした。これはプロジェクターの輝度が足りていないからではないかと推測している次第。

 そして本日、不要不急の要件にて出社したついでに、StereoSound ONLINE視聴室のソニーの有機ELテレビで追加検証を実施したところ、面白いことが分かってきました。

画像2: 昨日公開。Apple TV 4Kのカラーキャリブレーションを試す(3) 有機ELテレビでもう一度検証。ターゲットはドルビービジョン?

 この有機ELテレビはドルビービジョン対応モデルなので、Apple TV 4Kをつなぐと、「ドルビービジョンを試す」という項目が現れます。Apple TV 4Kもドルビービジョンが出力できるのだから、もちろん試します。

 すると当然ながら、Apple TV 4Kのビデオフォーマットは「4Kドルビービジョン」にセットされます。この状態でメニューを開いて「ビデオとオーディオ」→「カラーバランス」を確認すると、「必要ありません」という表示が……。

画像3: 昨日公開。Apple TV 4Kのカラーキャリブレーションを試す(3) 有機ELテレビでもう一度検証。ターゲットはドルビービジョン?

 つまり今回のカラーキャリブレーション機能は、Apple TV 4Kがドルビービジョンで出力している場合には動作しないということ。試しにApple TV 4Kの出力を「4K HDR」に設定してカラーキャリブレーションを試すと、問題なく動作します。

 これらを踏まえて考えるに、今回のApple TV 4Kのカラーキャリブレーション機能はドルビービジョンをターゲットにしているのではないかと。つまり、Appleのイベント動画で語られていた「世界中の撮影監督が採用している業界標準の仕様と比較」というのは、ドルビービジョンとの比較という意味だったのかもしれません。

画像4: 昨日公開。Apple TV 4Kのカラーキャリブレーションを試す(3) 有機ELテレビでもう一度検証。ターゲットはドルビービジョン?

 あくまでも今回試した検証結果からの推測ですが、Apple TV 4Kではドルビービジョンの映像をリファレンスとして位置づけていて、ドルビービジョン非対応のテレビやモニターでは、それに近い映像になるように調整した信号を出力しているのではないでしょうか。

 もちろんカラーキャリブレーションの恩恵は確実にあるわけで、Apple TV 4Kをドルビービジョン非対応テレビと組み合わせている方は、本機能を活用することをお勧めします。

画像: 「コンテンツに合わせる」→「フレームレート」にセットした状態で、ネットフリックスのコンテンツを再生してみた。左は映画作品の『ジョーカー』で、右はオリジナルドラマ『野武士のグルメ』を再生した状態。映画は24p、ドラマは60pで出力されているのが確認できた

「コンテンツに合わせる」→「フレームレート」にセットした状態で、ネットフリックスのコンテンツを再生してみた。左は映画作品の『ジョーカー』で、右はオリジナルドラマ『野武士のグルメ』を再生した状態。映画は24p、ドラマは60pで出力されているのが確認できた

 なお、Apple TV 4KのOSをtvOS14.5にアップデートすると、ビデオフォーマットの「24p」が選べなくなります。映画ソフトは24pで見たいというファンも多く、ネット上でどうしたらいいのか議論になっているようです。

 でも心配ご無用。メニューの「コンテンツに合わせる」で「フレームレート」を選んで下さい。そうすることで、24pで配信されているコンテンツは24pのまま、60pコンテンツなら60pで出力されます。24pの映画が60pに変換されて、気持ち悪い動きになってしまうといったこともありませんので、ご安心を。(取材・文:泉哲也)

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