サンバレーのSV192PROⅡは、好評だった前作の次世代モデル。12AU7を2本使った管球式出力部とアナログVUメーター、そして豊富なサンプリング変換回路が特徴の、プロユースにも適した意欲的なハイレゾ対応機だ。パワード・バイ・M2TECHとあるのは、イタリアのM2TECHによるUSB入力基板(hiFace Two)の搭載を意味している。

 豊富なデジタル入出力と外部クロック入力対応など、プロ機らしい装備を誇る本機はDACにTIのPCM1792を採用する。192kHz/24ビットまでのPCMに対応するが、DSDには非対応。DSD音源の再生には、手持ちのUSB接続のパソコン側でPCM変換するなど設定するといい。

 アキュフェーズDP950との同軸デジタル接続では、基音の明確な音という好印象だった。ブーレーズ指揮「火の鳥」やイーグルス「ホテル・カリフォルニア」も音の輪郭が明瞭であり、特徴である管球回路が滑らかさと厚みのある音に仕上げている。USB接続はDELAのオーディオ専用NASを組み合わせた関係からDSD音源は再生できなかったが、PCMのハイレゾ音源を含めて音の骨格がしっかりしている。立体感の表現も優れており、サンプリング変換機能は微妙な音質チューニングに活用するといいだろう。

 外部クロック入力を試すことができなかったが、SV192PROⅡは使いでがあってコストパフォーマンスに優れた個性派DACである。

画像: 個性派DAC・サンバレーSV192PROⅡは、コストパフォーマンスに優れプロユースにも適したPCM専用機

D/D, D/A Converoer
サンバレー SV192PRO II
¥158,000(送料込)

●デジタル入力:USB×2(hiFace含む)、AES/EBU、RCA同軸、TOS光 ●対応サンプリング周波数/ビット数:PCM〜192kHz/24bit ●クロック入力:1系統(BNC同軸)●アナログ出力:RCAアンバランス×3(固定×2、可変)、XLRバランス(600Ω、固定/可変)、ヘッドフォン ●デジタル出力:AES/EBU、RCA同軸、TOS光、USB ●使用真空管:12AU7(China)×2 ●寸法/重量:W435×H97×D290mm/6.0kg ●問合せ先:(株)サンバレーTEL. 0566(24)6881

画像: フロントビュー。左に5系統のデジタル入力切替えノブと192kHzまでの入力サンプリングレートインジケーターを配する。その下が同期クロック選択トグルスイッチ。PLL(位相同期回路)にシーラスロジック製CS2300を新たに採用し、先代モデルから出力クロックの精度を向上させた。中央寄りに、出力サンプリングレート切替えノブとインジケーター。その下が出力量子化ビット数切替えのトグルスイッチ。VUメーターの中央に2本のバッファー真空管12AU7が見える。出力レベルとヘッドフォン出力音量調整ノブが右端に配される。

フロントビュー。左に5系統のデジタル入力切替えノブと192kHzまでの入力サンプリングレートインジケーターを配する。その下が同期クロック選択トグルスイッチ。PLL(位相同期回路)にシーラスロジック製CS2300を新たに採用し、先代モデルから出力クロックの精度を向上させた。中央寄りに、出力サンプリングレート切替えノブとインジケーター。その下が出力量子化ビット数切替えのトグルスイッチ。VUメーターの中央に2本のバッファー真空管12AU7が見える。出力レベルとヘッドフォン出力音量調整ノブが右端に配される。

画像: 固定/可変を切替え可能なXLRバランス出力端子を左端に装備。RCAアンバランスのLINE出力はボリュウムを経由しない。3系統のデジタル出力、192kHz/24bitまでに対応するhiFace Two端子(USB-B)を含む4系統のデジタル入力を装備し、その右のUSB-B端子はPC接続による録音/再生用。右端に外部クロック入力端子を配する。

固定/可変を切替え可能なXLRバランス出力端子を左端に装備。RCAアンバランスのLINE出力はボリュウムを経由しない。3系統のデジタル出力、192kHz/24bitまでに対応するhiFace Two端子(USB-B)を含む4系統のデジタル入力を装備し、その右のUSB-B端子はPC接続による録音/再生用。右端に外部クロック入力端子を配する。

画像: 内部を見る。バッファー真空管の12AU7がフロント側に2本配される。


内部を見る。バッファー真空管の12AU7がフロント側に2本配される。

画像: 本機の内部を確認する三浦氏。

本機の内部を確認する三浦氏。

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