ラディウスから、完全ワイヤレスイヤホンの新製品「HP-NX500BT」「HP-V500BT」「HP-V700BT」が、今月発売される(NX500BTは発売中)。価格はオープンで、それぞれの想定市場価格は、HP-NX500BTが¥18,000前後、HP-V500BTは¥18,000前後、HP-V700BTは¥22,000前後となる。

画像: 左から「V700BT「v500BT」「NX500BT」

左から「V700BT「v500BT」「NX500BT」

 本来ならば、12月12日、13日に秋葉原で開催予定であった「ポタフェス」にて、展示・試聴が行なえるはずであったが、コロナ禍の影響もあり、イベントは夏に続いて中止となってしまった。

 そこでここでは、発売に先駆けてそれぞれのモデルのインプレッションを簡潔にお伝えしたいと思う。

 おおまかにモデルの特徴を紹介すると、NX500BTは、ボイルコイルのリード線を振動板に接続せず、ドライバー中央の空洞から配線を引き回す「FLW構造」とすることで、振動板に余計な負荷かかからないことから、よりピュア(歪が少ない)なサウンドが楽しめるのが特徴となる。

FLW構造のドライバー

画像1: ラディウスの新作完全ワイヤレスイヤホン「HP-NX500BT」「HP-V500BT」「HP-V700BT」の3兄弟は、「重低音」「レンジ感」「音場感」と、個性際立つ再現性を持った逸品

 SoCはクアルコムの「QCC3020」を搭載し、aptXコーデックをサポートする。ラディウス独自のディープマウントイヤーピース(先端部分に膨らみがあり、装着時に、より耳穴の奥でフィットすることで、安定性を高めた製品)が付属し、低音の量感をアップさせる効果もある。同イヤーピースは3モデル共通で付属する。

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 一方、VシリーズとなるV500BTV700BTは、6mm径のダイナミックドライバーに、カーボンファイバーペーパーをドーム状に貼り付けた「カーボンファイバードーム振動板」の搭載が特徴。制振効果のあるカーボンを使うことで、振動板全体の歪を減少させ、クリアなサウンドを聴かせるという。通常よりも軽量なボイスコイル(CCAW製)と強力なマグネットによって、パワフルな低音再生を狙うチューニングとなっているのも特筆できるだろう。

カーボンファイバードーム振動板

画像2: ラディウスの新作完全ワイヤレスイヤホン「HP-NX500BT」「HP-V500BT」「HP-V700BT」の3兄弟は、「重低音」「レンジ感」「音場感」と、個性際立つ再現性を持った逸品

 V700BTにはさらに、バランスド・アーマチュア(BA)ドライバーを搭載するハイブリッド型とすることで、高域の再現性も向上させているのがV500BTとの大きな違い(本体外装の仕上げなど、細かな部分も異なる)。

画像3: ラディウスの新作完全ワイヤレスイヤホン「HP-NX500BT」「HP-V500BT」「HP-V700BT」の3兄弟は、「重低音」「レンジ感」「音場感」と、個性際立つ再現性を持った逸品

 搭載するSoCはどちらも、クアルコムの最新「QC3040」であり、ここはNX500BTに対して大きなアドバンテージとなる部分。通信状態に合わせて転送レートを可変できるaptX Adaptiveコーデックに対応しているのも、特徴といえるだろう(対応するプレーヤーとの組み合わせが必要)。

 再生機との左右同時接続の方式は、「TrueWireless Stereo Plus」から「TrueWireless Mirroring」へと進化。再生機器の機能対応の有無に関わらず、左右イヤホンが同時に(再生機と)接続できることで、接続安定性の向上を図るものだ。

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クリアで響きの余韻が楽しめるNX500BT
 まずは、HP-NX500BTのインプレッションから紹介したい。一聴しての感想としては、FLW構造振動板による、クリアで、響きの豊かなサウンドが強く印象に残るものとなった。9.2mm径のダイナミックドライバーの奏でる低域は、少し押し出し感の強い印象もあるが、パワフルでレスポンスもよく、楽しめるもの。

 高域については、振動板自体は45kHzまで再生可能なスペックを持っており、もちろん通信の制約で再生帯域は20kHzまでに限られるものの、その素直な再現性は、ハイレゾらしさも感じられるものになっていた。響きや音の余韻も豊かで、音を楽しむという“音楽”の基本が味わえる仕上がりにまとめられている。

 ボーカルの再現性もよく、しっとりとした雰囲気も良く出ており、細かいニュアンスも感じられるものとなっていた。ちなみに本機はUSB Type-Cの充電端子を備えているが、USB-PDの充電には非対応。USB-ACからの充電となる。

充分に引き締まり量感のある重低音が楽しめるV500BT
 Vシリーズの弟分HP-V500BTは、6mm径のダイナミックドライバー1基のタイプ。そのドライバーは、先述した通りカーボンファイバーがドームを形作っており、その迫力は、口径の大きな(9.2mm径)NX500BTよりも優っている印象。高磁力のマグネットの恩恵か、とにかく低音部分の動作は強力でマッスル。しかもカーボン効果によって引き締まった、タイトな重低音が持ち味。一方で、レスポンスは今一歩の印象。タイトな分、響きも抑制されており、音場感は狭いが、音が中央に蝟集しているかのような密集感も味わえるチューニングとなっている。

ハイブリットドライバーによってレンジの広いサウンドが楽しめるV700BT
 最後は、Vシリーズの上位モデルHP-V700BTについて。本機は、V500BTと同じカーボンドーム仕様の振動板と、バランスド・アーマチュア(BA)の2ドライバーのハイブリッドタイプ。低域の再現性についてはV500BTと同じく、強力な動作と制動が掛け合わされたもので、そこに響きの豊かな中高音がプラスされる印象。クロスオーバーの設定は不詳だが、声の再現性に影響のある2kHz近辺の周波数帯域が持ち上がっていることから考えれば、そのあたりがポイントになると思われる。V500BTに比べて、しっとりした声質の再現が得られ、定位感も良好(結構、上方、目の奥の少し上あたりに定位する)となっていた。

 3モデルを試聴してのまとめとしては、音楽のレスポンスや響き(音場感を含め)を楽しみたいユーザーにはNX500BTが。とにかくパワフルな重低音がほしいユーザーにはV500BTが。重低音とボーカルの再現性、レンジ感を求めるユーザーにはV700BTが、それぞれお勧めできるだろう。

 ちなみに装着については、NX500BTは本体が角のように上方に来るタイプ。V500BT/V700BTはスティックタイプのように下方に来るタイプ。筆者の耳では、Vシリーズの下方に来るタイプのほうが、バランスを含めた装着感はよい印象だった。

画像: 左から[V700BT」「V500BT」「NX500BT」

左から[V700BT」「V500BT」「NX500BT」

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