独ブリンクマンを主宰するヘルムート・ブリンクマン氏は、真空管と半導体それぞれのよさを知り尽くしている。ここで紹介するエジソンMkⅡは、同社フォノイコライザーアンプの第2世代機。3系統ある入力のうち2系統はバランス/アンバランスが選択でき、合計4本のテレフンケン製(NOS)PCF803を搭載する、バイポーラ・トランジスターとのハイブリッド増幅回路が特徴である。ガラス天板からは、整然と並ぶ良質の素子が窺える。出力はXLR端子が1系統のみだ。

 本誌試聴室のリファレンス・プリアンプはエアータイトATC5でアンバランス入力である。そこでXLR→RCAアダプター(3番コールドは非接続)を用意して音を聴いている。

 プレーヤーはテクニクスSL1000R、フォノカートリッジはMC型のフェーズメーションPP2000である。

 背面のロータリースイッチで入力負荷抵抗が選択でき、ここでは200Ωを中心に聴いている。音の鮮度感が高いが刺激的なキツさが感じられないのは、管球式回路の美点といえよう。井筒香奈江のダイレクト盤は声色の生々しさが印象的で立体感も豊か。ブライアン・ブロンバーグのウッドベースでは低音域を不用意に膨らませずに、押しが小気味よい野太いジャズを聴かせる。本機はトランスフォーマー(昇圧用ではない)を搭載し、それを機能させると理想的なバランス増幅を可能にする。音数も多く魅力的な音の製品だ。

画像: ブリンクマンのフォノイコライザーアンプ第2世代機「Edison MkⅡ」は、声色の生々しさが印象的で立体感も豊か

Phono Equalizer Amp.
ブリンクマン Edison MkII
¥1,460,000

●入力端子:3系統(RCAアンバランス/XLRバランス×2、RCAアンバランス、MC/MM)●入力インピーダンス:50Ω〜47kΩ(12段階)●利得:49dB〜73dB(16段階)●使用真空管:PCF803×4 ●寸法/重量:W420×H95×D310mm/12kg(本体部)、W120×H80×D160mm/3.2kg(電源部)、12kg(御影石ボード)●備考:御影石ボード付属。トランス入力切替え、ステレオ/モノーラル切替え、ミュート、位相切替え装備。リモコン付属 ●問合せ先:(株)太陽インターナショナル TEL. 03(6225)2777

画像: リアパネル。入出力端子の配置でデュアルモノーラル構成が見て取れる。中央がXLRバランス1系統の出力端子。外側に向かってRCAアンバランスおよびXLRバランスの2系統入力。両端にRCAアンバランスのみの1系統の入力。各入力とも入力インピーダンス切替えノブを装備。ゲインはフロントパネルのノブで設定する。重量12kgの御影石ボードが付属する。

リアパネル。入出力端子の配置でデュアルモノーラル構成が見て取れる。中央がXLRバランス1系統の出力端子。外側に向かってRCAアンバランスおよびXLRバランスの2系統入力。両端にRCAアンバランスのみの1系統の入力。各入力とも入力インピーダンス切替えノブを装備。ゲインはフロントパネルのノブで設定する。重量12kgの御影石ボードが付属する。

画像: ガラス製天板の内部を見る。ゲインステージを半導体、イコライザー回路を3極5極複合管のテレフンケン製PCF803で構成するハイブリッド構成。リアパネル側にルンダール製入力トランスを装備。フロントパネルの「xfmr」切替えスイッチによってトランス受けのバランス入力が可能になる。

ガラス製天板の内部を見る。ゲインステージを半導体、イコライザー回路を3極5極複合管のテレフンケン製PCF803で構成するハイブリッド構成。リアパネル側にルンダール製入力トランスを装備。フロントパネルの「xfmr」切替えスイッチによってトランス受けのバランス入力が可能になる。

画像: chごとに2本のテレフンケン製3極5極複合管PCF803を使用。ヒートシンクを貫通する形で本体側面部に配される。

chごとに2本のテレフンケン製3極5極複合管PCF803を使用。ヒートシンクを貫通する形で本体側面部に配される。

画像: 本機を操作する三浦氏。

本機を操作する三浦氏。

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