KEFから、先日発表された新しい音質改善テクノロジー「Metamaterial Absorption Technology」(MAT)を搭載したスピーカーが発表された。パッシブ型とアクティブ型がそれぞれ1モデルで、型番と価格は以下の通り。

●パッシブ型スピーカー
「LS50 Meta」 ¥145,000(ペア、税別、10月2日発売)
●アクティブ型スピーカー
「LS50 Wireless II」 ¥270,000(ペア、税別、11月発売)

画像: 「LS50 Meta」

「LS50 Meta」

 LS50 Metaは、同社50周年を記念モデルのLS50をベースに、MATテクノロジーを新たに搭載したスピーカーだ。

 MATテクノロジーはKEFがAcoustic Metamaterial Groupeと共同開発した技術で、メタマテリアル呼ばれるパーツをトゥイーターユニットの後に取り付けることでノイズを99%吸収、より純度の高い再生を実現する。

 同様な方式はこれまで他社からも提案されていたが、多くの場合ユニットの後に数十cmものチューブが必要だった。しかしAMTテクノロジーでは1cmほどのデバイスでこれを可能にしている。そのためにメタマテリアルには、迷路のような構造が設けられた。この迷路は長さの異なる30以上の回路で構成され、それぞれが共振器として機能することで小さな周波数帯域を効率的に吸収するという。なお今回搭載されたメタマテリアルは、600Hzから上のノイズを吸収するように設計されている。

画像: 新たに採用されたメタマテリアル。これを向かい合わせにして(間に緩衝材を挟んだ状態で)固定することで、迷路のような構造を持った薄いプレートが出来上がる

新たに採用されたメタマテリアル。これを向かい合わせにして(間に緩衝材を挟んだ状態で)固定することで、迷路のような構造を持った薄いプレートが出来上がる

 このメタマテリアルを取り付けたUni-Qは第12世代と呼ばれ、今回再設計されたドライバーとなる。キャビネットの形状をMATテクノロジーに対応できるように変更し(トゥイーター後部のチューブの形やサイズを調整)、さらに振動材の位置も最適化している。

 また低域用のウーファー部については、ボイスコイルにアルミニウムを追加し、ポールピース部を切り落とすと言った改良を加えることで音量に関わらずリニアな駆動を実現、中音域歪みを大幅に改善した。

画像: 12代目となるUno-Qユニット。図の右端にメタマテリアルを取り付けている

12代目となるUno-Qユニット。図の右端にメタマテリアルを取り付けている

 その新型Uni-Qドライバーを取り付けるキャビネットは、基本的なデザインやサイズはLS50とほぼ同じ。フロントパネルはゆるやかな曲線を描き、バッフルによる回折現象をカット、さら内部に十字に組まれた梁を配置して、同社が“ステルスキャビネット”と呼ぶ静かなエンクロージャーを実現している。

 なおLS50 Metaではリアパネルにも変更が加えられている。背面のボルトをなくしてすっきりさせ、全体に丸みを帯びた仕上げに変更された。スピーカーターミナルはシングルワイアリング仕様を継承する。

画像: LS50 Metaの本体仕上げはマット調となり、カーボン・ブラック、チタニウム・グレイ、ミネラル・ホワイトと、特別色のロイヤルブルーの4色が準備されている

LS50 Metaの本体仕上げはマット調となり、カーボン・ブラック、チタニウム・グレイ、ミネラル・ホワイトと、特別色のロイヤルブルーの4色が準備されている

 アクティブ型のLS50 Wireless IIは、既発売の「LS50 Wireless」にMATテクノロジーを搭載したものだが、その他にも多くの改良が加えられている。

 まずUni-Qは第12世代となり、内蔵アンプの出力がトゥイーター用は30Wから100W(クラスAB)に、ウーファー用は200Wから280W(クラスD)にアップした。またL/Rスピーカー間は、LS50 WirelessではLANケーブルの有線接続のみだったが、今回はワイヤレスでの接続も可能になっている。

 入力可能なデジタル信号も拡張され、最大384kHz/32ビットのリニアPCMとDSD11.2MHzに対応を果たした。ただし再生時には内部で変換処理が必要で、L/R間をワイヤレスモードでつないだ場合は96kHz/24ビット、ケーブルモードでは192kHz/24ビットの信号として処理している。

画像: LS50 Wireless IIは、カーボン・ブラック、チタニウム・グレイ、ミネラル・ホワイトの3色と、スペシャル・エディションカラーのクリムゾン・レッド仕上げが準備される

LS50 Wireless IIは、カーボン・ブラック、チタニウム・グレイ、ミネラル・ホワイトの3色と、スペシャル・エディションカラーのクリムゾン・レッド仕上げが準備される

 その他、AirPlay2、Google ChromeCast、Amazon Music、Qobus、Deezerなどにも新たに対応を果たし、スマホからの再生や各種ストリーミングサービスが簡単に楽しめるようになっている。

 そのための操作用アプリも新たに「KEF Connect」が準備される。こちらはホーム画面のカスタマイズやWake Up対応など、より使いやすさに配慮した仕様になっている。

 また今回、LS50 MetaとLS50 Wireless IIと組み合わせるスピーカースタンド「S2 Floor Stand」(¥52,000、ペア、税別)もオプションとして発売される。高さは従来の「Reference Stand」と同じ652mmで、天面にはスピーカーを固定するボルト穴が設けられている。仕上げはカーボン・ブラック、チタニウム・グレイ、ミネラル・ホワイトの3色と、スペシャルエディションとしてロイヤル・ブルー(LS50 Meta)とクリムゾン・レッド(LS50 Wireless II)を準備。

画像: Metamaterial Absorption Technology – The latest innovation in loudspeaker design youtu.be

Metamaterial Absorption Technology – The latest innovation in loudspeaker design

youtu.be

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