画像: Power Amplifier カトレア the ヨーロッパ Ⅳ ¥320,000(出力管なし仕様) ●定格出力:6W+6W●入力端子:LINE1系統(RCAアンバランス、固定)●スピーカー出力端子:8Ω、16Ω●使用真空管:5U4G×1、MH4×2、PX25×2●寸法/重量:W470×H230×D320mm/23kg●備考:出力管KR製PX25の完成品仕様(¥390,000)あり

Power Amplifier
カトレア
the ヨーロッパ Ⅳ
¥320,000(出力管なし仕様)
●定格出力:6W+6W●入力端子:LINE1系統(RCAアンバランス、固定)●スピーカー出力端子:8Ω、16Ω●使用真空管:5U4G×1、MH4×2、PX25×2●寸法/重量:W470×H230×D320mm/23kg●備考:出力管KR製PX25の完成品仕様(¥390,000)あり

名球を所有している人には好適なアンプ

 カトレアブランドによるヨーロッパシリーズの出力管PX25版。KR製PX25搭載の完成品で、出力管なしの仕様も用意される。

 直熱出力管は交流点火しているがハム対策が必要だ。そこで自己バイアスカソード回路のハムバランサーとともに、独自のヒーターハムキャンセル回路をL/R別に用いている。初段は傍熱型3極管のMH4を採用。コンデンサー結合で無帰還である。出力トランスはオリエントカットコア。直熱整流管は5U4G。出力段用電源は大型チョークによる平滑だが、初段用電源は独立巻線とMOS-FETによるアクティヴ型平滑回路を採用。 

 試聴機に取り付けられたPX25はオスラムの旧型だろうか、いかにも大作りの電極支持法であり、そのためアンプの設置場所、支持法に敏感であり音質が大きく変化するので要注意。

 高い純度を持ち高密度で引き締まった音像は、どの音楽分野でも格別な魅力を振りまく。バロックヴァイオリンのアンドルー・マンゼによる「ビーバー・ソナタ集」など、弦の振動ぶりが克明で生まれたての音波を浴びる爽快感は一生脳裏に刻印されそう。長岡京アンサンブル「デビュー」(SACD)のヘンデルも個々の弦が響きあい、互いの響和成分になりつつ掛け合いしている様子が現認できる。デューク・エリントンの「リンボ・ジャズ」などホーンの押しの強さと色艶が抜きんでているし、ドラムのリムショットはスティックの硬質感が感動的だ。各種ヴォーカルも実に鮮明。ナメされた音ではないので中域が目立つこともあるが、名球を所有している人には好適なアンプだ。

画像: ↑フロント部。中央に整流管5U4G、左右にナス管のPX25、両端に前段のMH4を配置。シャーシ枠は、標準のマレーシアカリン材から今回はマホガニーへ変更された。

↑フロント部。中央に整流管5U4G、左右にナス管のPX25、両端に前段のMH4を配置。シャーシ枠は、標準のマレーシアカリン材から今回はマホガニーへ変更された。

画像: ↑上面から見る。中央部左右には、ウォールナットのカバーを付けたオリエントカットコアの出力トランスを配置する。

↑上面から見る。中央部左右には、ウォールナットのカバーを付けたオリエントカットコアの出力トランスを配置する。

画像: ↑底板を空けた内部。PX25は長寿命と安定度を考慮した交流点火。電源回路は、前段と出力段を分離することで相互の影響や干渉を抑えている。追従型のヒーターハムキャンセル回路が組み込まれている。

↑底板を空けた内部。PX25は長寿命と安定度を考慮した交流点火。電源回路は、前段と出力段を分離することで相互の影響や干渉を抑えている。追従型のヒーターハムキャンセル回路が組み込まれている。

←試聴機使用のPX25はヴィンテージ管でMarconi名(出力管の販売はされない)。現行管のKR製PX25仕様が用意される。

画像: ↑ヴィンテージ管PX25に見入る吉田氏。

↑ヴィンテージ管PX25に見入る吉田氏。

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