ウィーン生まれのウィーン・アコースティクスは、クラシック系作曲家の名を愛称に採り入れたスピーカー製品が多い。このハイドン・ジュビリーは創立30周年記念として限定生産されたもので、「価格には製造コストしか含まれていません」ということで、立派な黒艶塗装に仕上がっている。

 小型の2ウェイ、リアバスレフでありスピーカー端子はシングル。代表機種にも通じる自社オリジナルのスピーカーユニットを使っている。14cm径ウーファーは独自の透明なポリプロピレン振動板が目を引く。上位機種のベートーベンCGSEの152mm径のものをアレンジしたものだ。25mmシルクドームトゥイーターはSEAS社と共同開発されたカスタム品。ネットワークはMKPコンデンサーや高精度の金属皮膜抵抗を採用する。

 88dBという低めの能率なので当初はATM3で試聴。小サイズにもかかわらず大きなスケールの音を十分な質量感で鳴らし、濃密な和声感にしてもこのメーカーの美質をよく伝える。帯域特性の上限を20kHzに収める代わりに指向性を広く保っているのだ。アンプをEL34シングルプッシュプルであるATM1Sにすると、より明るい音調となり繊細情報が浮き彫りになって爽快だ。クラシックの小編成や大編成を描き分け、濃密にして明朗な響きが得られるのだ。ジャズ系も快活なビートを刻むが、暖色照明系の基調がそこに重なってジェントルなトーンは不変だ。

画像: ジェントルなトーンは不変。ウィーン・アコースティックスHaydn JUBILEEが奏でる美質

Speaker System
ウィーン・アコースティクス
Haydn JUBILEE
¥180,000(ペア)

●型式:2ウェイ2スピーカー・バスレフ型 ●使用ユニット:ウーファー・14cmコーン型、トゥイーター・2.5cmドーム型 ●インピーダンス:6Ω ●感度:88dB/2.83V ●クロスオーバー周波数:2.5kHz ●寸法/重量:W170×H345×D300mm/7.1kg ●備考:日本発売限定数200ペア
●問合せ先:(株)ナスペックTEL.0120-932-455

画像: ウーファー振動板は3種類の高剛性・超軽量ポリプロピレンを合成した高機能樹脂X3P。同社最上位機Beethoven CG SEのミッドレンジをリデザインした14㎝口径。トゥイーターはSEAS社と共同開発したシルクドーム型。

ウーファー振動板は3種類の高剛性・超軽量ポリプロピレンを合成した高機能樹脂X3P。同社最上位機Beethoven CG SEのミッドレンジをリデザインした14㎝口径。トゥイーターはSEAS社と共同開発したシルクドーム型。

画像: リアバッフル。バスレフポートを上部に配し、入力はシングルワイヤリング。エンクロージュアはピアノブラック仕上げ。


リアバッフル。バスレフポートを上部に配し、入力はシングルワイヤリング。エンクロージュアはピアノブラック仕上げ。

画像: Haydn JUBILEEのユニットを確認する吉田氏。

Haydn JUBILEEのユニットを確認する吉田氏。

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