ネットワークプレーヤー、LUMIN(ルーミン)「T2」を紹介しよう。

 ルーミンT2はスペックも申し分なく、加えてルーミン・ブランドということを考えると価格も充分にこなれたきわめて魅力ある製品である。

ネットワークプレーヤー
LUMIN T2 ¥750,000円(税抜、Silver)、¥825,000円(税抜、Black)

画像: ルーミン「T2」で、ハイレゾファイル再生やアップコンバート機能を試す。フラッグシップの性能を受け継ぎつつ、様々な使い方で楽しめる魅力たっぷりのハイエンド・オーディオ製品だ

●DACチップ:ESS SABRE ES9028Pro DAC×2
●接続端子:アナログ音声出力2系統(RCA、XLR)、デジタル音声出力1系統(BNC)、USB Type-A 1系統、Ethernet(1000Base-T) 1系統
●対応サンプリング周波数/ビットレート:PCM 44.1kHz〜384kHz/16〜32ビット、最大DSD 22.6MHz/1ビット
●サポートフォーマット:DSD(DSF、DIFF、DoP)、FLAC、ALAC、WAV、AIFF、MQA、MP3、AAC
●特長:アップサンプリング機能、AirPlay対応、Roonレディ、Spotify Connect、Tidal、MQA、Qobuz high-res、TuneIn
●寸法/質量:W350×H62×D345mm/6kg

画像: T2の背面端子部。バランスとアンバランスのアナログ出力に加え、BNCタイプの同軸デジタル出力とUSB Type-A、LAN端子を装備する。このうちアナログと同軸、USBのどの信号で再生するかはアプリ上で選択する仕組みだ。USB端子に挿したUSBデバイスの信号も読み込み可能で、その場合もアプリ上で切り替えて使うことになる

T2の背面端子部。バランスとアンバランスのアナログ出力に加え、BNCタイプの同軸デジタル出力とUSB Type-A、LAN端子を装備する。このうちアナログと同軸、USBのどの信号で再生するかはアプリ上で選択する仕組みだ。USB端子に挿したUSBデバイスの信号も読み込み可能で、その場合もアプリ上で切り替えて使うことになる

 ご存知の方も多いと思うが、ルーミンには「X1」という旗艦モデルがあり、ひじょうに人気が高い。T2はその影に隠れていささか割を食っているような印象無きにしもあらずだが、もちろんX1はフラッグシップであり性能も究極的だ。私も自宅で聴いてX1の高性能ぶりは充分に理解している。

 ではT2の実力の程はいかがだろう。価格だけを比較すればたいへんに大きな差がある。しかしT2はX1の後発モデルであり、X1に投入されたテクノロジーを反映した、きわめてお買い得感の高いネットワークプレーヤーとなっているのではないか。

 さっそくX1とT2の違いを見てゆこう。外観は同社の「X1」「S1」「A1」に共通する質感の高い重厚なイメージがこのT2にもしっかり受け継がれている。X1のシャーシはアルミニウム削り出しだが、こちらのT2はフロントパネルのみアルミの削り出しで、ここは若干の簡略化がある。

 電源部はX1が独立した外部電源であるのに対し、T2は(この価格なので、さすがに)ボディ内部に収納となったが、シールディングされたローノイズ設計で、かつ干渉を最大限減らしたディスクリート構成である。なお、X1のセールスポイントである光LAN接続およびフェムトクロックはこのT2では見送られたようだ。DACチップはES9028Pro(X1はES9038Pro)をL/R独立で搭載である。

 以上、違いといえばこの程度で、価格を考慮すればさほど極端に大きな違いはないと言ってもよいだろう。スペックを見ても、再生可能なファイルフォーマットはDSDがネイティヴ22.6MHz、PCMが384kHz/32ビットまでと、もう申し分なしだ。

画像: ミュージックサーバーのデラN1Z/3からの信号をハブ経由でT2に送り、T2のアナログ/デジタル出力を聴いている。アンプはアキュフェーズC-3850+A-250×2、スピーカーシステムはB&W 800D3だ。操作はすべてルーミンのアプリから行っている(写真右はそのトップ画面)

ミュージックサーバーのデラN1Z/3からの信号をハブ経由でT2に送り、T2のアナログ/デジタル出力を聴いている。アンプはアキュフェーズC-3850+A-250×2、スピーカーシステムはB&W 800D3だ。操作はすべてルーミンのアプリから行っている(写真右はそのトップ画面)

 試聴はステレオサウンド試聴室にて、プリアンプはアキュフェーズ「C-3850」、パワーアンプも同「A-250」×2、スピーカーシステムはB&W「800D3」を使用している。

 T2とアキュフェーズC-3850をバランス接続として、デラ「N1Z/3」に保存した各種ハイレゾファイルを再生。

 アンドリス・ネルソンス指揮『ショスタコーヴィチ交響曲第4番』(96kHz/24ビット/flac)や、ジャズ・トランペッターのアンブローズ・アキンムシーレ『Origami Harvest』(96kHz/24ビット/flac)を聴くと、いずれもキリッと引き締まって粒立ちよく、明快で若々しい音。

 ステレオサウンドのハイレゾリューション・マスターサウンド・シリーズから『ホルスト/惑星』は、DSD11.2MHzらしい緻密な再生となった。記憶にあるX1の音はもう少し腰の据わったトルクフルな音という印象だが、こちらのライトウェイト・スポーツカーのような俊敏な音も捨てがたい。

 13ピースのサルサ・オーケストラをバックにダンサブルに躍動する女性ヴォーカル、ジャネット・ダカールの『My Standards』(48kHz/24ビット/flac)を本機オプションの「Analog Audio Re-Sampling」機能を使って、DSD2.8MHzや5.6MHzに変換して聴いてみる。確かにニュアンスが変わって、どちらもそれぞれによいのでお好みの音でということになるが、楽しむことができる。また、DSDファイルも2.8MHzと5.6MHzはPCMに変換して聴くことが可能だ。

画像: コントロールアプリ 「LUMIN APP」 (無料) ●サポートデバイス:iPad(v2以上)/iOS8.0以上推奨/Retinaディスプレイ対応、Android:Android 4.0以上推奨 ●特長:MQAサポート、Tidal/Qobuz/TuneInラジオネイティブサポート、ハイレゾリューションアートワーク対応、AirPlay対応、マルチタグ対応('Composer'タグ含む)、プレイリスト保存(Tidal, Qobuz含む)、検索機能を用意 ルーミンでは、自社製品の操作用アプリ(iOS、アンドロイド)を無償で提供している。今回はiPad版でコントロールしているが、楽曲の一覧性も高く、慣れるととても使いやすい

コントロールアプリ「LUMIN APP」(無料)
 
●サポートデバイス:iPad(v2以上)/iOS8.0以上推奨/Retinaディスプレイ対応、Android:Android 4.0以上推奨
●特長:MQAサポート、Tidal/Qobuz/TuneInラジオネイティブサポート、ハイレゾリューションアートワーク対応、AirPlay対応、マルチタグ対応('Composer'タグ含む)、プレイリスト保存(Tidal, Qobuz含む)、検索機能を用意
 
ルーミンでは、自社製品の操作用アプリ(iOS、アンドロイド)を無償で提供している。今回はiPad版でコントロールしているが、楽曲の一覧性も高く、慣れるととても使いやすい

画像: アプリの「セットアップ」→「オプション」を選ぶと、下段に「Active Audio Output」や「MQA Mode」などの設定メニューが表示される(左)。どの出力端子を使うかや、MQAデコードをどうするかなどはここで選んでおく。さらにその下に「Analog Audio Re-Sampling」という項目もあり、これを「カスタム」にすると入力信号を最大DSD5.6MHzまたは384kHz PCMにアップサンプリングできる(右)。どの信号が入力された時に、どの信号にアップコンバートするかも任意に選択可能だ(MQAデコード時は除く)

アプリの「セットアップ」→「オプション」を選ぶと、下段に「Active Audio Output」や「MQA Mode」などの設定メニューが表示される(左)。どの出力端子を使うかや、MQAデコードをどうするかなどはここで選んでおく。さらにその下に「Analog Audio Re-Sampling」という項目もあり、これを「カスタム」にすると入力信号を最大DSD5.6MHzまたは384kHz PCMにアップサンプリングできる(右)。どの信号が入力された時に、どの信号にアップコンバートするかも任意に選択可能だ(MQAデコード時は除く)

 T2はX1同様USB出力が可能なので、アキュフェーズ「DC950」(120万円、税抜)とUSB接続して、ショスタコーヴィチやアンブローズ・アキンムシーレほかを聴く。T2内臓DACとDC950の音の比較になるが、低音の押し出し感や安定感、音の滑らかさなどはさすがDC950に軍配が上がる。しかし、そもそもの価格が大幅に違うので当然といえば当然。将来的に優秀なD/Aコンバーターを購入してもT2はその豊富な機能で大いに役に立ってくれるだろう。

 T2はMQAにも対応しているので、ジョニ・ミッチェル『Blue』のMQA CDをリッピングしたデジタルファイルをMQAデコードすると、176.4kHz/24ビットにフルデコードされたことが確認出来た。ただし、MQA再生の場合は、ルーミン独自のリサンプリング機能は適用されないとのこと。設定でMQAを無効にした場合のみ、すべてのルーミン・リサンプリングおよび変換機能が働くとのことである。

 以上なかなか使い勝手が良く、いろいろな楽しみ方ができて音もよいルーミンT2。「X1は欲しいけど、さすがに手が出ないよ」という方にもぜひとお勧めしたい、手の届く、魅力たっぷりのハイエンド・オーディオ製品である。

画像: T2の音を楽しそうに聴く和田さん。44.1kHz/16ビットのCDクォリティから、弊社のDSD 11.2MHzソースまで、幅広く取材していただきました

T2の音を楽しそうに聴く和田さん。44.1kHz/16ビットのCDクォリティから、弊社のDSD 11.2MHzソースまで、幅広く取材していただきました

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