ラックスマンの新ブランド「LUXMAN B-side」の名前には、「B面」のほかに「Beside(そばに)」という意味も込められている。フランスのデザイン会社と組んだ「aaro studio collection」シリーズとして、ここで紹介するAmazon Alexa対応ワイヤレススピーカーのASC-S5ほか、プリアンプやワイヤレスサブウーファー、ワイヤレスアナログプレーヤーが近く発売される。創業100周年を5年後に控えた老舗メーカーながら、このセカンドライン・ブランドではミレニアル世代に寄り添った上質なオーディオを追求していくという。
正面には80㎜径ウーファーと25㎜径トゥイーターのメインユニット、両側面にはLR独立のサテライトユニットを装備。正面上部にあしらわれた直径90㎜の大型ホイールは、音量調整と電源のオン/オフ操作を受け持つ。基本的にはブルートゥースやWi-Fi経由によるワイヤレス再生がコアユースで、操作は専用の「LUXMAN CONNECT」アプリで行なうが、アナログ/光接続でのアクティブスピーカー的な使用(2台使いでステレオ化も可)や、USBメモリーからのダイレクト再生も可能だ。
Wi-Fi経由でNAS格納音源などを再生する場合は、384k㎐/32ビットまでのハイレゾファイルに対応(組合せや環境によって差異あり)。ストリーミング再生の場合はロッシー/ロスレスを問わず44.1k㎐に変換される。加えて本機ではパワーアンプ・チップに内蔵される1ビットモジュレーターがすべての信号を128fsでPWM波形に変換&増幅するため、最終的に出力される音源はDSD5.6M㎐になるという。
今回は実機を借用して、自宅リビングで試聴した。オブジェのような外観のイメージと重なる堂々としたサウンドバランスと、透明度が高く見通しのよい音場感がまず魅力だ。ストリーミング再生も悪くないが、NASから再生したハイレゾファイルを聴くとヴォーカルや弦楽器のニュアンスが豊かでドラム&ベースの安定感も上々。ハイファイ機器メーカーとしてのノウハウが音に表れていると感じた。同じような価格帯に同じようなスペックの製品が乱立するワイヤレススピーカー市場。そこに一石を投じる、際立った存在感を備えた製品だ。