ディー・アンド・エムホールディングスは、イギリスのオーディオブランド、DALI(ダリ)の小型スピーカー「MENUET SE」を3月下旬から発売する。価格は¥184,000(ペア、税別)。

 MENUETシリーズは、ダリを代表するブックシェルフスピーカーだ。1992年に発売された「DALI150 MENUET」に始まり、1994年発売の「ROYAL MENUET」、2009年発売の「MENTOR MENUET」と進化してきた。現行の「DALI MENUET」(2015年発売)は4世代目のモデルとなる。

 新製品のMENUET SEはSE=スペシャル・エディションという名前の通り、現行モデルのMENUETに、さらなる魅力と可能性を引き出すための様々なチューニングを加え、コスメティック・デザインにも特別な変更を施こしている。なお、MENUETとMENUET SEは併売される。

画像1: ダリ「MENUET SE」が、3月下旬に¥184,000で発売決定。貴重な天然木を使ったワイルド・ウォルナット仕上げをまとい、より現代的で艶やかなサウンドを実現した

 ではMENUET SEの主な特長を見ていこう。

 第一の特徴は、キャビネットにワイルド・ウォルナット・ハイグロス仕上げを採用した点にある。キャビネットにはMENUET同様に高剛性MDFを採用しているが、外装にはワイルド・ウォルナット(天然木の突板)が使われている。

 ワイルド・ウォルナットは、一般的にはウォルナット・バールと呼ばれる木材だという。バールとは樹木の根元に現れる、通常の心材組織とは異なる瘤(こぶ)のような部分のことで、それを木材として切り出したのがバール材という希少材だ。バール材は大きなうねりのある杢目が特徴だが、まれにヒョウ柄のような丸状の杢目が現れることもあり、その杢目は不規則でとても美しい。

 MENUET SEでは天然木の風合いを生かすため、すべての製品でその杢目は異なっており、またすべてのバール材に丸状の杢目があらわれるわけでもない。製造時にはL/Rのペアでできるだけ近い杢目同士でのペアリングが行なわれているが、スピーカーとしての音響特性のマッチングを最優先させるため、左右で杢目が異なってしまう場合もあるそうだ。

 なおMENUET SEは、シリーズとして初めて木目仕上げにハイグロス塗装を加えた製品となる(従来はブラックのみ)。これは日本のお店からの要望が高かったことを受けて実現したものという。ハイグロス仕上げにすることで、音にもかっちりとした雰囲気が加わっているそうだ。

 次の進化点として、ネットワーク回路もブラッシュ・アップされている。

 内部配線は一般的な銅線から、オリジナルのシルバープレート(銀メッキ)無酸素銅線へとアップグレード。ネットワークボードも従来のハードボード(紙製)から、堅牢なベークライト・ボード(樹脂製)に変更されている。

 音に大きな影響を及ぼすコンデンサーがアップグレードされた点も見逃せない。 従来モデルでは、高域用/低域用のコンデンサーともに汎用の電解コンデンサーが使われていたが、MENUET SEでは、高域用にはフィルム・コンデンサーを、低域用には電解コンデンサーと使い分けられた。しかもどちらもドイツ、ムンドルフ製の高級コンデンサーが採用されている。

 もうひとつ、スピーカー端子もレギュラーモデルでは同社「RUBICON」シリーズと同等のターミナルが使われていたが、MENUET SEではより堅牢で大型の「EPICON」グレードのターミナルに変更されている。これにより、より確実に、あらゆるスピーカーケーブルの端末をホールドできるようになっている。

画像2: ダリ「MENUET SE」が、3月下旬に¥184,000で発売決定。貴重な天然木を使ったワイルド・ウォルナット仕上げをまとい、より現代的で艶やかなサウンドを実現した

 背面端子部の上には、ブラス(真鍮)製シリアルナンバープレートも装備され、シリアルナンバーの刻印の他、組み立て/検品担当者のイニシャルが添えられている。これは、デンマークの本社工場で熟練職人の手により、ハンドメイドで仕上げられたことを示している。

 また先述したようにダリのスピーカーは、測定結果やエンジニアによる試聴を通して、L/Rで音響特性が揃うように選別されている。このプレートに添えられたイニシャルは、そのエンジニアが責任を持って選別した信頼の証でもあるのだ。

 なお、同社は2019年にロゴマークをリニューアルしたが、MENUET SEは「DALI」の新ロゴバッジが採用された初めてのパッシブスピーカーでもあるそうだ。

 搭載されたユニットは、ウッドファイバーコーンを採用した115mmウーファー、28mmソフトドームトゥイーターとも従来モデルから変更されていない。これは“MENUETシリーズとしての音”を継承するための配慮という。

 ウーファーはフレーム、ボビン、ダンパーに至るまでエアフローを最適化し、エネルギーの損失を防ぐために独自技術のロー・ロス・テクノロジー(低損失技術)で設計。トゥイーターにも強力なマグネットが使われており、中高域をパワフルに再生する。

 MENUETシリーズは、艶のある高域、迫力ある低音再現が人気を集めていたが、今回のMENUET SEはそれを受け継ぎつつ、より現代的で艶やかなサウンドを実現しているそうだ。発売から28年を超えて愛されているダリ・コンパクトスピーカーの最新モデルの音を、ぜひご体験いただきたい。

「DALI MENUET SE」の主なスペック

●型式:2ウェイ2スピーカー、バスレフ型
●使用ユニット:28mmソフトドーム型トゥイーター、115mmコーン型ウーファー
●再生周波数特性:59Hz〜25kHz(±3dB)
●インピーダンス:4Ω
●感度:86dB
●クロスオーバー周波数:3kHz
●寸法/質量:W150×H250×D230mm/4.0kg

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