DOCTOR SLEEP - 4K UHD BLU-RAY

Like Shakespeare's Titus Andronicus with chopsticks, this Korean thriller
is a modern Asian answer to the Elizabethan revenge tragedy.

Release Dates (Theater):Nov 8, 2019
Domestic Total Gross:$31,581,712
(International: $40,700,000)

画像: 映画『ドクター・スリープ』US版メイン予告【HD】2019年11月29日(金)公開

映画『ドクター・スリープ』US版メイン予告【HD】2019年11月29日(金)公開

 
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FILM

言わずと知れた巨匠キューブリック監督作『シャイニング』(80)、その40年後を舞台にした完結編。シリーズ作以外は続編を執筆してこなかったキングが、唯一手掛けた続編ホラー小説の映画化である(個人的には続編というより、スピンオフという感覚で楽しんだ)。呪われた事件から40年が経ち、惨死した父と同じ年代となったダニー(ダン)は、過去のストレスや彼に宿る特殊能力(シャイン)から逃避するかのように自堕落な生活を送っていた。貯えも底をついたダンは、ニューハンプトン州の田舎町に移り住み、そこで終末医療を行うホスピスで働き始める。そこでダンは臨終が迫る患者に寄り添い、シャイニングで心を癒し、皆が眠るように息を引き取ることからドクター・スリープとも呼ばれるようになる。そんなある日、ダンのもとに奇妙なメッセージが届く。差出人は同じシャインを持つ少女。彼女との出会いが新たな惨劇の扉を開くことに。

主演は好調を維持し続けるユアン・マクレガー。共演に『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』のレベッカ・ファーガソン、『ワイルド・スピード/スーパーコンボ 』のクリフ・カーティス、そして大抜擢となった新星カイリー・カラン。監督は『ジェラルドのゲーム』『オキュラス/怨霊鏡』、そしてシャーリー・ジャクスン著『山荘奇譚(丘の屋敷)』のNetflixドラマ化『ザ・ホーンティング・オブ・ヒルハウス』で知られるのマイク・フラナガン。

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VIDEO

撮影は『オキュラス/怨霊鏡』『ジェラルドのゲーム』、また『好きだった君へ:P.S.まだ大好きです』で監督デビューを果たしたマイケル・フィモナリ。アリ・アレクサ65/ARRIRAW 6.5K(センサーイメージ6560×3100 pixels)撮影。DIファイルは4K。HDRはHDR10とオプションとなるドルビービジョンHDR、HDR10+を採用したハイブリット仕様(peak luminance: 1000 nits)。映像平均転送レートは63.8Mbps(HDR10+)+64 kbps(ドルビービジョン=DV)。収録アスペクトは1.85:1。

鮮度の高いミント・コンディション。画面を陰鬱なアンダートーンが占拠する絵作りながら、あらゆるショットは鮮明で明瞭、印象的な深さと次元を提供する。BLU-RAY版で露わとなる軽度のバンディングとも無縁だ。細部まで充分に描画された輪郭と滑沢性の美学を両立。肌質、毛髪、(ファーガソン演じる)ローズの年季の入った帽子から、かのオーバールック・ホテルの象徴的なカーペットパターンに至るまで、繊細なテクスチャが厳正に刻印されている。『ジョーカー』同様にDNAレンズ(開発当初はアレクサ65専用)が使用されており、画面中央寄りのシャープネス感、滑らかなボケ味、旧型アナモフィックレンズのルックスを思わせる微妙なケラレや周辺解像度低下といったDNAならではのキャラクターも満喫できよう。キューブリックが被写界深度への嗜好を曝け出したかのようなレンズ操演とは対照的であり、お互いの絵作りの妙をじっくり見比べていただきたい。

HDRが提供するコントラストと明るさのバランスの顕著な改善により、オーバールックのトラウマ感覚な恐怖が蘇生。発光や反射光により顕著な白色をもたらし、リアルスティックな光沢を金属表面に与え、スペキュラハイライトも強化されている(ルーム237のドアハンドルに見惚れることしきり)。低照度ショットや濃霧の階調表現も申し分なし。鈍色の雲の描画は観どころのひとつ。全体的なカラーパレットを大幅に制限、陰鬱で不気味なムード作りが極まっている。こうした様式美感覚の絵作りながら、DVによるアップグレードは明快、WCG(広色域)と相まってクールトーンやセピアトーンのバランス、青や赤のバリエーションを映えさせる。濃いインディゴ・コバルトからセルリアンサファイアシェードまでの青系色、点在する原色を活気づけるばかりか、キャンディーローズやフルボディの鮮血色ルビークリムゾン等々、ドラマティックでインパクトに富んだカラースキームを開放、ざらりとした橙、可触的なフスキアピンク、濃厚なプラム、柔らかいスミレ色が恐怖を増幅させている。再生環境によっては、オプションのHDR10+が嬉しい贈り物となるはずだ。

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AUDIO

サウンドデザイン/音響編集監修は『ハッピー・デス・デイ』シリーズや『ゲット・アウト』のトレヴァー・ゲイツ。ドルビーアトモスの音声平均転送レートは4,579 kbps(48kHz/24ビット)。

本盤のハイライトはドルビーアトモス・サウンドトラックにあり、カークラッシュや銃撃戦とは無縁ながら通好みのシネソニックを聴かせてくれる超一級品だ。まずは『シャイニング』のシネソニックを振り返っていただきたい。『シャイニング』で大きな効果を上げていたのは、使用されるクラシックの音色だ。ポーランドの作曲家クシシュトフ・ペンデレツキによる『デ・ナトゥーラ・ソノリス第2番』。ハンガリーのバルトーク・ベーラ作曲『弦楽器と打楽器とチェレスタのための音楽』。リゲティ・ジェルジュ・シャーンドルによる管弦楽曲『ロンターノ』。すなわち、攻撃的で狂気を誘発する弦楽器の摩擦音(ペンデレツキ)。複雑に変調するハーモニーと周波数(バルトーク)。有機的なトーンクラスターと低音の唸り(リゲティ)。これらの楽曲は自然が運命的にもたらす暴力的現象を称えつつ、麻痺してしまった人間性を表現しており、『シャイニング』の音作りのハイライトであった。

対して本作の音作りは細かく練り上げられているものの、不気味で不穏なムード作りに徹するというシンプルな一面を持っている。フロントステージのイメージングは​​絶え間なく、エネルギッシュで驚くほど広大。バックグラウンドアクティビティは深い奥行きと流れるような滑動性を持っており、L/C/Rチャンネル間および画面外へと説得力を持って移動していく。明瞭度が高く濃密でダイナミックなミッドレンジ。針の先の響きまでも描音するような精度の高い高音域。恐怖を増幅するローエンドは時に攻撃的、最低音域を10Hzまで伸長させながらシャイニング世界への没入度を高めている。発声は全編を通じて終始明快。サラウンドチャンネルとハイトチャンネルによって広々としたハーフドームの音場空間が作成されているが、その魅力は開幕から全開、オーバールックの館内を走るダニー少年の三輪車音を聴くだけでも途方もない音場空間操演を聴取できよう。リスニングエリア上では、ミニマルな鳥のさえずり、木々を揺らす風、テレパシー・ヴォイスといった音彩が常に響き渡っており、奏でられる特定の楽器(ベルや木製クレーブ)は完璧にパンニング、頭上を優雅に旋回する。動的な大気エフェクトは聴きどころのひとつであり、そのハイライトとなるオーバールック・シークエンスでは不気味な環境音や背景ノイズ、無限大と思えるアンビエントを醸成している。音楽は『オキュラス/怨霊鏡』『ジェラルドのゲーム』のザ・ニュートン・ブラザーズが担当。ダニーや悪霊たちのテーマを散りばめ、楽器の音質を立たせることで恐怖のムードや強迫観念的な感覚を巧みに醸し出している。ドラマのイメージを掴む深い読解力とセンスは聴き応えがある。

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FINAL THOUGHTS

『シャイニング』へのオマージュや超能力バトルもあるにはあるが、個人的にはダウンアウトしたダニーの再生物語として楽しめた。これより原作本に手を付けてみようと思う。さてUS. UHD BLU-RAYは3層/100GBディスク仕様で152分劇場公開版のみ収録。同梱BLU-RAY版は劇場公開版と180分ディレクターズ・カットを収録。BLU-RAY版のみ日本語字幕、吹替音声収録となる(UHD BLU-RAY同様に英語ドルビーアトモス・サウンドトラック採用)。国内盤は4月8日リリース。もしも『シャイニング』未見の方がおられるなら、是非とも家庭劇場2本立て鑑賞をされたい。

SPECIAL FEATURES

  • From Shining to Sleep (4:56)
    • Director Mike Flanagan and author Stephen King talk about the challenges of continuing a modern classic, differences between the two novels, Stanley Kubrick's movie, ending with fire and ice, resurrecting some of the original book's themes, and merging two (or three?) worlds.
  • The Making of Doctor Sleep: A New Vision (13:57)
    • Flanagan and King - along with actor Ewan McGregor, producer Trevor Macy, actresses Kyliegh Curran and Rachel Ferguson, costume designer Terry Anderson, and others - return to speak about the film's development, sending the script to King, continuing Danny Torrance's story, bringing literary characters to life, casting Abra, finding Rose's hat, The True Knot, and more.
  • Return to The Overlook (14:59)
    • Mike Flanagan - with more of the usual suspects, as well as a few new ones - speaks more about his first exposure to Kubrick's film on VHS, rebuilding and tearing down the iconic Overlook Hotel, production design highlights, hunting down a few vintage props, a quick set tour, casting familiar characters with different actors, makeup effects, frivolous nudity, and imitation vs. homage.

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DISC SPECS

TitleDOCTOR SLEEP
ReleasedFeb 04, 2020 (from Warner Bros. )
SRP$44.95 (amazon.com $20.90)
Run Time2:32:01.445 (h:m:s.ms)
CodecHEVC / H.265HEVC / H.265 (Resolution: 4K / DOLBY VISION / HDR10+ compatible)
Aspect Ratio1.85:1
Audio FormatsEnglish Dolby Atmos (48kHz / 24bit / Dolby TrueHD 7.1 compatible), English Dolby Digital 5.1, Spanish Dolby Digital 5.1, French Dolby Digital 5.1, Italian Dolby Digital 5.1, Russian Dolby Digital 5.1,
SubtitlesEnglish SDH, French, Italian SDH, Portuguese, Spanish, Arabic, Danish, Finnish, Greek, Korean, Mandarin (Simplified), Norwegian, Russian, Swedish

FILM SPECS

タイトルドクター・スリープ
2019
監督マイク・フラナガン
製作トレヴァー・メイシー, ジョン・バーグ
製作総指揮ロイ・リー, スコット・ランプキン, アキヴァ・ゴールズマン, ケヴィン・マコーミック
脚本マイク・フラナガン, 《原作》スティーヴン・キング
撮影マイケル・フィモナリ
音楽ザ・ニュートン・ブラザーズ
出演ユアン・マクレガー, レベッカ・ファーガソン, カイリー・カラン, クリフ・カーティス, カール・ランブリー, ザーン・マクラーノン, エミリー・アリン・リンド, ブルース・グリーンウッド, ジョスリン・ドナヒュー, アレックス・エッソー

4K画質評価

解像感★★★★★★★★★ 9
S/N感★★★★★★★★★ 9
HDR効果★★★★★★★★  8
色調★★★★★★★★  8
階調★★★★★★★★★ 9

音質評価

解像感★★★★★★★★★  9
S/N感★★★★★★★★★★ 10
サラウンド効果★★★★★★★★★★ 10
低音の迫力★★★★★★★★★  9

SCORE

Film★★★★★★★★   8
Image★★★★★★★★★  9
Sound★★★★★★★★★★ 10
Overall★★★★★★★★★  9

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