画像: TRINNOV AUDIO AMPLITUDE8 ¥2,400,000+税 ●出力:225W×8(8Ω) ●接続端子:アナログ音声入力(XLR)×8、DB25×1 ●寸法/質量:W443×H186×D502mm/40kg

TRINNOV AUDIO AMPLITUDE8 ¥2,400,000+税
●出力:225W×8(8Ω) ●接続端子:アナログ音声入力(XLR)×8、DB25×1
●寸法/質量:W443×H186×D502mm/40kg

 今般のHiViグランプリで「アンプ部門賞」を獲得したトリノフオーディオ(仏)の8チャンネル・パワーアンプ。2Ω負荷で1200W出力を保証するハイペックス社のクラスDアンプモジュール「Nコア」を、8ch搭載した最新設計の一体型マルチパワーアンプで、電源部はスイッチング方式ではなく、アナログ・リニア回路。4ch×2の巨大なトロイダルトランスを2基搭載し、質量約40㎏を誇る重量級アンプである。入力端子はXLRバランス(×8)と同社製コントロールAVセンターとの連携を想定した8ch一括接続が可能なDB25のみ。RCAアンバランス入力は用意されていないので、注意が必要だ。

 デノン製一体型AVセンターの最上位機AVC-X8500Hのプリ出力と本機を接続(RCA/XLR変換ケーブルを使用)、フロントL/RにモニターオーディオPL300Ⅱ、サラウンドL/Rに同PL200Ⅱ、サラウンドバックL/Rに同PL100Ⅱ、トップミドルにイクリプスTD508MK3をあてた6.0.2再生、すなわちセンターチャンネルとサブウーファーを使用しない設定で本機の実力をチェックした(X8500Hはプリアンプモードに)。

 X8500H内蔵アンプ使用時に比べて力感がどれほど増すのだろうと期待したが、実際には再生音がそういう方向に変化するわけではなく、ダイアローグのニュアンスの再現や微細な環境音を浮き彫りにする情報量の増大に大きく寄与することがわかった。たとえばUHDブルーレイ『ロケットマン』のステージ・シーンなど、舞台上のちょっとしたノイズがクローズアップされることで、エルトンの緊張感が手にとるようにわかるようになったのが興味深い。

 UHDブルーレイ『リメンバー・ミー』で印象だったのは、同一アンプ構成ならではの音のつながりの見事さ。花火が打ち上がる場面は、その軌跡が目に見えるかのようなリアリティを伴なって描写された。ここでは強烈な重低音が含まれているが、LFEをフロントL/R chに混ぜ合わせた設定でも低音が混濁しないのは、本機の実力の高さゆえだろう。

 いずれにしても、ひとつの筐体で8チャンネル分の高品位なパワーアンプがまかなえる本機の魅力はたいへん大きい。同社製AVプリアンプとの連携がまず想定されるが、今回試したような一体型AVセンターの音質強化やステレオスピーカーのマルチアンプ駆動などでの活用も考えられる。スペースセービングを果たしながらマルチチャンネル再生の品位を挙げたい向きには恰好の製品と思う。

画像: 入力端子は同社製プリアンプ専用のDB25か、バランス接続のみ。8chのXLRプリアウトを持つAVセンターは多くはなく、アンバランス/バランス変換ケーブルを用いた接続が想定される

入力端子は同社製プリアンプ専用のDB25か、バランス接続のみ。8chのXLRプリアウトを持つAVセンターは多くはなく、アンバランス/バランス変換ケーブルを用いた接続が想定される

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