スウェーデンのオーディオメーカー「audiodo」のCEO Jenny・stromberg氏が来日し、同社の基幹技術である「Audiodo PERSONAL SOUND」の説明と、今後発売予定の同技術搭載モデルのアナウンスを行なった。

来日したaudiodoのCEO・Jenny・stromberg氏(右)と、同VP Sales Tord・Nyblues氏

 Audiodo PERSONAL SOUNDは、昨年Skullcandyから発売されたノイズキャンセリング技術搭載のフラッグシップワイヤレスヘッドホン「Crusher ANC」に採用され、話題を集めたテクノロジー。専用の聴覚テストを実施することで、ユーザー一人ひとりの聴こえ方に合わせたサウンドが楽しめるようになる、いわゆるパーソナルサウンドを可能とするものだ。

画像1: audiodoのCEOが来日し、同社のパーソナルオーディオ技術「Audiodo PERSONAL SOUND」搭載の完全ワイヤレスイヤホンが今年第二四半期に発売されるとアナウンス

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 上記の関連記事にも記した通り、Audiodo PERSONAL SOUNDの測定は、専用アプリを使って行なう。聴覚検査のような音(ピーという音)が6つのトーンと異なる音量で再生されるので、それが聴こえたかどうかを、yes/noで答えるだけ。その測定結果にさらに、audiodoの持つ脳の聴こえ方のノウハウを掛け合わせることで、個々人の聴こえ方に合わせたサウンドにチューニングできる、という仕組みだ。

画像: 「Crusher ANC」の発表会で図示されたAudiodo PERSONAL SOUNDの効果

「Crusher ANC」の発表会で図示されたAudiodo PERSONAL SOUNDの効果

 Audiodo PERSONAL SOUNDの特徴としてJenny氏が強調するのは、補正は左右の耳それぞれに行なわれること、補正はリアルタイムに行なわれること、ボリュームを操作するのではなく周波数帯域(波形)を6分割(6バンド)して補正すること、ダイナミックレンジの圧縮は行なわないこと、などがある。

画像2: audiodoのCEOが来日し、同社のパーソナルオーディオ技術「Audiodo PERSONAL SOUND」搭載の完全ワイヤレスイヤホンが今年第二四半期に発売されるとアナウンス

 本機能はいわゆるソフトウェアがその役割を担っており(つまり専用チップの搭載は不要)、機器への搭載は、ワイヤレスモデルに採用されているBluetoothチップの中に、同ソフト(アプリ)を書き込むことで実装されることになる。個々人のパーソナライズデータは、そのチップの中(ヘッドホン)に記録されるため、再生機器を変えても、同じ効果が得られるのも特徴だろう。

画像: 「Audiodo PERSONAL SOUND」の測定結果。点線が理想で、色付の折れ線が実際の測定値。左右の耳で異なる結果となっているのが分かる

「Audiodo PERSONAL SOUND」の測定結果。点線が理想で、色付の折れ線が実際の測定値。左右の耳で異なる結果となっているのが分かる

 さて、先述のCrusher ANCが同技術搭載の一号機となったわけだが、同モデルの発表会で同社の担当者が語った「完全ワイヤレスモデルへの搭載も可能」が、今年実現することになった。Jenny氏によると、第二四半期にはAudiodo PERSONAL SOUND搭載の完全ワイヤレスイヤホンが発表される予定という。残念ながらメーカーは明かしてくれなかったが、それを皮切りに以後、搭載モデルも広がっていくだろう、とのことだ。価格帯としては、Crusher ANCが¥36,300(税別)ということを踏まえると、300ドル前後のプレミアムクラスの製品になると予測できる。

画像: 「Audiodo PERSONAL SOUND」を初搭載したSkullcandyのワイヤレスヘッドホン「Crusher ANC」

「Audiodo PERSONAL SOUND」を初搭載したSkullcandyのワイヤレスヘッドホン「Crusher ANC」

 ちなみに、同技術搭載モデルには、「intel inside」や「POWERED by HONDA」のように、「audiodo PERSONAL SOUND」のロゴが付与される予定という。

 なお、Audiodo PERSONAL SOUNDはワイヤレスモデルへの搭載をメインに考えているそうで、有線タイプへの搭載の予定はない、ということだ。

 今回は、日本のオーディオメーカーへの同技術のPR(売り込み)のために来日したそうなので、もしかすると、「秋のヘッドフォン祭」のころにはうれしい発表があるかもしれない。期待して待ちたい。

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