ソニーから、8Kチューナーを内蔵した85型液晶テレビ「KJ-85Z9H」が遂に登場! 市場想定価格200万円前後で、発売は3月7日の予定という。

 ソニーの8K液晶テレビについては、海外では先行して発売されており、先のCES2020でも新製品が参考展示されていたが、それがようやく日本国内で発売されるわけだ。

画像: 本体のフロントビュー。スタンドが取り付けられているあたりのベゼル部(上側と下側)にスピーカーが合計4セット内蔵されている。バゼル部には細かいスリットも付けられており、放熱機構も兼ねているとのこと

本体のフロントビュー。スタンドが取り付けられているあたりのベゼル部(上側と下側)にスピーカーが合計4セット内蔵されている。バゼル部には細かいスリットも付けられており、放熱機構も兼ねているとのこと

 日本国内向けとなるKJ-85Z9Hは、地デジ/4K/8Kチューナーを搭載する。しかもダブルチューナー仕様(試聴用と録画用)なので、裏番組録画も可能。8K放送を見ながら4K放送を録画したり、逆に4K放送を見ながら8K放送を録画できる。

 録画メディアは市販の外付けUSB HDDを使う予定で、どのメーカーのモデルが使えるかなどについては、動作確認が取れ次第ソニーのサイトにアップしていく予定とのことだ。

 さてKJ-85Z9Hはソニー初の8Kチューナー内蔵モデルとのことで、当然画質にも期待が集まる。ソニーもそれはわかっており、「繊細な輝きが生み出す、触れられそうな映像。感じる美しさ」をテーマに、持てる高画質技術をふんだんに盛り込んでいる。

 まず映像プロセッサーには独自の「X1 Ultimate」を搭載。これは同社4Kテレビなどでも使われているデバイスだが、もともとは8K用として開発されたもので、本領発揮ということだろう。X1 Ultimateは、8K映像に対してもリアルタイムに映像を解析し、オブジェクト型超解像やスーパービットマッピングHDR処理、HDRリマスターなどの画質改善効果をもたらす。

画像: 背面は縦横のスリットが格子状にあしらわれている。厚みは本体最大部で12cmで、壁掛け設置も可能

背面は縦横のスリットが格子状にあしらわれている。厚みは本体最大部で12cmで、壁掛け設置も可能

 なおKJ-85Z9HはHDR10/HLG/ドルビービジョンの3つのHDR規格に対応済みで、その8K/HDR映像を再現するために、液晶パネルには直下型LED部分駆動方式であるバックライトマスタードライブが使われている。これはLEDをモジュール単位で独立制御し、高いコントラスト性能を実現するものだ。

 とはいえ8Kという高解像度の液晶パネルでは光の透過率が下がるためにどうしても暗くなってしまう。そこでKJ-85Z9Hでは、8K X-tended Dynamic Range PROを組み合わせて高解像度と高コントラスト再現を目指した。LEDを個別に強力に光らせることで一層の明るさを確保し、光の演出が際立つ映像が再現できるという。

 もうひとつ、8Kテレビとはいえ実際には地デジの2Kや4K放送を視聴する機会も多いことを踏まえ、アップコンバートにも配慮している。採用された8K X-Reality PROでは、新たに8Kアップコンバート専用のデータベースを搭載し、入力信号を高品位な8Kに変換しする。

 これはソニーが長年培ってきたデータベース型超解像の8K版で、8K放送についても一度超解像処理を加えた後、パネルに表示しているそうだ。なお8K X-Reality PROのデータベースは基板上に準備されているようで、そのあたりが4Kモデルで使われているX1 Ultimateとの違いとなる。

画像: サイドビュー。スタンド込みの奥行は約43cm

サイドビュー。スタンド込みの奥行は約43cm

 85インチの8K映像となると、大人数で観ることも考えられる。そこについては、液晶パネルの視野角を広げるX-Wide Angle技術を導入。同時に、音にもそれなりの品質が求められるという発想から、映像と音の一体感を向上させるAcoustic Multi-Audioシステムが搭載されている。

 この方式では、トゥイーター×1+ミッドレンジ×2からなる2ウェイ3スピーカーシステムを、本体ベゼルの上側と下側にL/R用各2セット、合計4システム備え、音像が画面上下の中央に定位するように考えられている。さらに低音用サブウーファーも本体背面にL/R各2基の合計4基を備えることで迫力あるサウンドの再現を狙っている。

 ちなみにKJ-85Z9Hはドルビーアトモスにも対応済みで、アトモス信号が入力された場合は先述の2.2chに変換して再生することになる。もうひとつ、既にAVセンターなどでマルチチャンネル環境を整えているユーザーに向けて、本機のスピーカーをセンター用に使う、センータースピーカーモードも搭載済みという。

 接続端子はHDMI入力4系統とビデオ入力1系統、光デジタル音声出力1系統、センタースピーカー入力1系統、ヘッドホン出力1系統など。HDMI入力のうち「HDMI4」端子は8K/60p/4:2:0/10ビット信号に対応予定なので(後日アップデートにて対応予定。詳細はブラビア商品ページ https://www.sony.jp/bravia/ を参照)、将来8K対応再生機などをつなぐ場合はHDMI4を使うことになる。その他のHDMI入力は4K/60p/4:2:0/10ビット等に対応済みだ。

画像: HDMI入力4のみ8K信号を受け付ける

HDMI入力4のみ8K信号を受け付ける

「KJ-85Z9H」の主なスペック

●画面解像度:水平7,680×垂直4,320画素(8K)
●パネル方式:液晶パネル(85型、トリルミナスディスプレイ、X-Wide Angle)
●バックライト:直下型LED部分駆動(バックライトマスタードライブ)
●HDR方式:HDR10、HLG、ドルビービジョン
●搭載スピーカー:2.2ch(トゥイーター×4、ミッドレンジ×8、サブウーファー×4)
●実量最大出力:80W(10W×8)
●無線LAN機能:IEE802.11ac/a/b/g/n
●接続端子:HDMI入力4系統、ビデオ入力1系統、光デジタル音声出力1系統、センタースピーカー入力1系統、ヘッドホン出力1系統、USB端子3系統、LAN端子1系統、他
●寸法/質量:W191.3×H114.1×D120mm/73kg(本体)、W191.3×H122.6×D43.2mm/75.8kg(スタンド含む)
●消費電力:945W(待機時0.5W)

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