昭和のアイドルの楽曲やグッズから当時の出来事を語り、その魅力を再発見するトーク&歌のイベント「昭和アイドルアーカイブス」の第35回公演が1月20日、神保町の楽器カフェで行なわれた。

 今回のテーマは「松田聖子」ということで、小社 月刊HiViやステレオサウンドONLINEでも健筆をふるっている松田聖子が大好きな、デジタルメディア評論家の麻倉怜士さんがゲストとして出席。音楽という側面から考察した松田聖子の魅力を存分に披露した。

会場には松田聖子グッズも用意された

 イベントは3部構成(3.5部か?)で進み、1部は本イベントの主催者でもある鈴木啓之氏、高島幹雄氏が登壇し、それぞれがおススメの楽曲と、それにまつわる、ある意味カルト的なエピソードを開陳。会場に集まったファンをうならせていた。ちなみに、司会は、元ハコイリ・ムスメの我妻桃実さんが務め、ハコムスリーダー時代を彷彿とさせる見事なトーク回しで、ゲストのコメントを引き出していた。最後は、我妻さんによる「天使のウィンク」(1985年)の歌唱にて締め。

司会の我妻桃実さん

一部登壇の鈴木氏(左)と高島氏

 続く2部はもう一人のゲスト川上きららさんが登場し、彼女の好きな松田聖子の楽曲の再生と、自身による歌唱(カバー)を披露。川上さんは、福岡発のアイドルグループ「うさぎのみみっく!!」メンバーとして、そして昨年よりはソロアイドルとしての活動も行なっており、現在はアルバムのレコーディングの真っ最中という(3月1日発売予定)、これからが有望なアイドルだ。

二部ゲストの川上きららさん(左)

 80年代どころか、21世紀=2003年生まれの川上さんが、なぜ松田聖子を好きなのかという質問には、「昨年から始めたソロ活動で、(松田聖子に)似ているねって言われることが増えたので、誰だろうって検索してみたら、すっごくかわいくて、ビビッと来て好きになった」のだとか。

 彼女が好きな楽曲は「冬のアルバム」(ささやくような歌い方が好き)、「水色の朝」(歌詞が好き)で、最後は「硝子のプリズム」(とってもかわいい曲)をカバーして終了。歌詞の語尾の表現(しゃくり)が素晴らしく、3部の登場の麻倉さんも、その歌唱力を絶賛していた。

 さて、3部はその麻倉怜士さんが登場だ。大学の先生(講師)でもあることから、音楽という側面から見た松田聖子の魅力を、アカデミックに解説していた。と、その前に麻倉さんは、アイドル松田聖子の存在を評して、「かわいい子はいっぱいいる。歌がうまい子もいっぱいいる。けど、両方を兼ね備えているのは松田聖子だけだ」と、力説していた。

画像: 三部は麻倉さんも登壇して賑やかに

三部は麻倉さんも登壇して賑やかに

 さて、魅力研究では歌手・松田聖子の魅力を、声のよさ、音色の多彩さ、表現力(歌唱力)、(歌詞の意味を理解する)読解力といった切り口から紹介。青空のようなクリアーな透明感のある声のサンプルには「スコール」(1980年)を、躍動的な弾力感には「ハートをROCK」(1983年)を、溢れる情感には「愛されたいの」(1982年)というように、言語化したエモーショナルさを感じられる楽曲を取り上げ、再生し、その歌声に聞き惚れながら、デビューから40年を迎えた松田聖子の魅力を、21世紀のいま、神保町で改めて認識していた。

 そんな麻倉さんが、松田聖子を語る上で使ったすべてのエモーショナルを含んだベストオブベストと推す楽曲は、15枚目のシングルとなる「瞳はダイアモンド」(1983年)。麻倉さんの解説を噛みしめながら楽曲を聞いた我妻さんは、「潤いのある声ですね」と的確なコメントをしていた。

 そして、最後はもう一人のゲスト川上さんの歌唱でイベントは終了、という流れなのだが、彼女の選んだ楽曲は、まさかの「瞳はダイアモンド」。どうしようという困った顔も見せていたが、麻倉さんの解説を噛みしめ、麻倉さんが絶賛した歌唱力で、見事に歌い切っていた。

最後は川上きららさんの「瞳はダイアモンド」の歌唱で終了

 なお、次回昭和アイドルアーカイブス vol.36は、2月24日(月・祝)に開催予定という。

昭和アイドルアーカイブス https://twitter.com/showa_idol
麻倉怜士 https://twitter.com/ReijiAsakura
我妻桃実 https://twitter.com/ponyo_mo9
川上きらら https://twitter.com/unm_kirara

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