Bluetooth Special Interest Group(Bluetooth SIG)は、CES2020会場で次世代Bluetooth Audioとなる「LEオーディオ」を近日リリースすると発表した。LEオーディオは、Bluetooth Audioのパフォーマンスを向上させるだけでなく、補聴器への対応とオーディオシェアリング機能を新たに追加したバージョンになるという。

 その特長は以下の通り。

より高品質で低消費電力の低複雑性コミュニケーションコーデック

 LEオーディオは、高品質・低電力の新しいオーディオコーデックLC3(Low Complexity Communication Codec)を採用した。LC3は、低データレートでありながら高い品質を保持できる点が一番のポイントという。

 LC3の特長について、Fraunhofer IIS(集積回路研究所)のAudio for Communications部門長を務めるManfred Lutzky氏は、「様々なリスニングテストの結果、LC3のビットレートが50%と低い中で、オーディオ品質においてClassic AudioのSBCコーデックを上回ることが裏付けられました。つまり、開発者はこの省電力性を活用することで、さらにバッテリー寿命の長い、あるいは現在の寿命が充分に長い場合はより小型化されたバッテリーを使用して、フォームファクター(形状因子/形状係数)を抑えた製品開発が可能となるのです」と解説している。

マルチ・ストリーム・オーディオによるイヤホン機能向上

 マルチ・ストリーム・オーディオ機能は、スマートフォンなど複数のデバイス間でのオーディオストリーミングによるマルチ配信や独立配信、同期配信を可能にするものだ。

 「マルチ・ストリーム・オーディオ機能により、開発者はワイヤレスイヤホンをはじめデバイスのパフォーマンスをさらに改善させることができます。例えば、よりよい立体音像が経験でき、またシームレスな音声アシスタントサービスも充実、そして複数台のオーディオソースデバイス間の切り替えもスムーズになるのです」と、WiForeコンサルティングのCTO兼Bluetooth SIG補聴器ワーキンググループ議長、Nick Hunns氏は紹介している。

難聴者のためのBluetooth補聴器

 LEオーディオでは、現在のBluetooth補聴器を発展させ、Bluetooth Audioが持つすべての価値を多くの補聴器使用者に提供できる設計となっている。

ブロードキャスト・オーディオ機能によるオーディオシェアリング

 LEオーディオはBroadcast Audio機能もサポートしており、一台の再生機から無制限のオーディオデバイスにブロードキャスト(同時配信)できる機能を備えた。

 パーソナル用としては、スマートフォンにある音楽コンテンツを家族や友人とシェアすることができる。それ以外にも、空港、バーやジム、映画館や会議センターなどの公共施設でBluetoothオーディオをシェアして、情報を共有するといったビジネスでの展開も可能という。ブロードキャスト・オーディオ機能は、オーディオシェアリングというBluetoothの新たな道を切り拓く期待の機能となりそうだ。

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