2019年の配信事情で、僕の周囲で一番話題を集めたのは、『全裸監督』でも『アイリッシュマン』でもなく、『マンダロリアン』だったかもしれない。というのも、それまで配信にあまり関心を持っていなかった友人まで、『マンダロリアン』を見るにはどうしたらいいのかを気にし始めたからだ。

 本作は、『スター・ウォーズ』シリーズ初のスピンオフ実写ドラマとして注目を集めたことはもちろん、先行して配信が始まったアメリカの「Disney+」(ディズニープラス)ではドルビービジョン&ドルビーアトモスで配信されている点も見逃せなかった。

 そして昨年の12月26日、遂にこの作品が日本の公式配信サービス「Disney Deluxe」(ディズニーデラックス)で楽しめるようになった。現在は第一話が配信中で、本日(2020年1月3日)から毎週金曜日に1話ずつ加わっていく予定という。なお、アメリカでは第1シーズン全8話が配信済みで、今年の秋から第2シーズンもスタートするそうだ。

画像: iPhone6の「Disney THEATER」メニュー画面(左)。1月3日の段階で第二話まで配信がスタートしている(右)

iPhone6の「Disney THEATER」メニュー画面(左)。1月3日の段階で第二話まで配信がスタートしている(右)

 さて、日本の配信元となるディズニーデラックスは月額¥700(税別)の見放題サービスで、『マンダロリアン』はもちろんとして、「ディズニー」「ピクサー」「スター・ウォーズ」「マーベル」などの作品群を楽しめる。ちなみにコンテンツはすべて2Kクォリティで配信されている。

 その再生は、基本的には「Disney THEATER」(ディズイーシアター)というアプリで行なうことになる(PCはブラウザ経由)。そこで、まずは愛用のiPhone6を使って『マンダロリアン』を再生してみる。

 iPhone6という旧型モデルであり、アプリの起動はちょっと待たされたが、本編の再生はスムーズで動きのがたつきもない(家庭内の無線LANにつないで再生)。

 液晶パネルは4.7インチ/1334×750画素というスペックで、映像は2Kからダウンコンバートされていることになるが、切れがよく、コントラスト感も高くてクリアーな印象だ。ダウンコンバート時に輪郭が強調されることもなさそうで、画面サイズが小さいということもあるが、凝縮感のある映像が楽しめる。

 ちなみに音声は英語と日本語吹き替えから選択可能で、字幕も英語と日本語が準備されていた(選べるのは2chのみ)。音声はagブランドのBluetoothイヤホン「TWS01K」を使って聴いたが、セリフが聞き取りやすく、バランスを重視した傾向と思った。

画像: iPhoneでの音声、字幕選択メニュー。英語と日本語から選べる

iPhoneでの音声、字幕選択メニュー。英語と日本語から選べる

 このiPhone6による再生でも『マンダロリアン』がていねいに作られた作品ということは分かるし、ストーリーを理解するのは充分可能だった。でも、それでは『マンダロリアン』を“ちゃんと見た”ことにはならないだろう。

 というのも、いかんせんこの画面サイズでは、せっかくのコンテンツの作り込みが判別できないから。

 先述した通り『マンダロリアン』は4Kのドルビービジョン&ドルビーアトモスで制作されており、ドラマシリーズとはいえセットもCGもかなり本格的だ。しかしiPhoneやPCではそのディテイルが出てこないのだ。

 主人公マンダーのヘルメットや装甲の輝き、さらには戦闘でできた傷のリアリティ、ベビーヨーダの産毛などが見えないので、どうしてもつるんとした印象になりがち。またレイザークレスト(主人公の宇宙船)内部の武器庫のディテイルも判別しづらい。

 本作は西部劇のテイストが魅力だが、こういったディテイルが出てこないとその持ち味も楽しめないのだ。せっかく細部にまで配慮して作られた作品なのだから、やっぱり大画面テレビで再生してこそ、だろう。

 ということで、次回は『マンダロリアン』をホームシアター的に見るにはどの方法がベストなのかを整理してみたいと思う。(取材・文:泉 哲也)

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