画像: DENON PMA-600NE(写真:左) ¥52,000+税 ●定格出力:45W×2(8Ω)、70W×2(4Ω) ●出力端子:アナログ音声入力4系統(RCA)、デジタル音声入力2系統(同軸、光)、フォノ1系統(MM)、 ヘッドホン出力1系統(6.3mm) 他 ●備考:Bluetooth対応 ●寸法/質量:W434×H122×D307mm/7.4kg DCD-600NE(写真:右) ¥47,000+税 ●再生可能メディア:CD ●接続端子:アナログ音声出力1系統(RCA)、デジタル音声出力1系統(光) 他 ●寸法/質量:W434×H107×D275mm/4.3kg

DENON
PMA-600NE(写真:左)
¥52,000+税
●定格出力:45W×2(8Ω)、70W×2(4Ω)
●出力端子:アナログ音声入力4系統(RCA)、デジタル音声入力2系統(同軸、光)、フォノ1系統(MM)、
 ヘッドホン出力1系統(6.3mm) 他
●備考:Bluetooth対応
●寸法/質量:W434×H122×D307mm/7.4kg

DCD-600NE(写真:右)
¥47,000+税
●再生可能メディア:CD
●接続端子:アナログ音声出力1系統(RCA)、デジタル音声出力1系統(光) 他
●寸法/質量:W434×H107×D275mm/4.3kg

音楽の構造をしっかりと描く、驚きのコストパフォーマンス

 デノンのCDプレーヤーDCD-600NEとプリメインアンプPMA-600NEは、同社「HiFiコンポーネント」の新世代(NEW ERA)シリーズとして2500/1600/800とラインナップを拡充してきたNEシリーズのエントリークラスに位置づけられる。と同時に、両モデルは型番こそ変わっているがデノンの誇るロングセラーモデル、DCD-755とPMA-390の実質的な後継機にあたる。DCD-755は2000年発売以降19年間で5回、PMA-390は1991年発売以降28年間で7回のモデルチェンジを繰り返しながら幅広い音楽ファン/オーディオファンに長く親しまれてきた、国産コンポーネントの定番中の定番である。

 DCD-600NEは、その仕様の多くをNEシリーズの上位モデルから引き継いでいる。CDの16ビット信号を32ビット化する独自のアナログ波形再現技術「AL32プロセッシング」と、その32ビット信号をアナログ信号に変換する192kHz/32ビットDACの搭載、回路全体の最短化&シンプル化を徹底した「ミニマム・シグナル・パス回路」、振動抑止構造「ダイレクト・メカニカル・グラウンド・コンストラクション」などがそれにあたる。振動対策としては、スチール製トップカバーの厚みを従来モデル比で14 %アップさせたことやリブ入り高密度フットの採用も効いているという。USB DAC機能やヘッドホン出力を省き、シンプルな単体プレーヤーとして仕上げているのも、CD音質を最優先した結果だろう。

 PMA-600NEにも、上位シリーズから引き継いだ高品質パーツや仕様が多く採用されている。MMカートリッジ対応のフォノ入力と192kHz/24ビット対応デジタル音声入力3系統(同軸×1/光×2)、ブルートゥース機能、サブウーファー出力といった今日求められる仕様をフォローしつつ(アンテナが内蔵タイプという配慮も何気に嬉しい)、一般的なトランジスターの3倍のピーク電流供給能力を持つハイカレント・トランジスターをシングルプッシュプルで使用。そのポテンシャルを最大限に引き出すべく、PMA-800NEと同じ強力な電源回路を搭載する。また、ノイズ対策としてデジタル入力基板をシールドケース内に隔離し、アナログ信号入力時にはデジタル入力回路を完全に停止させるアナログモードを搭載するなど、既発のNEシリーズ同様にアンプとしての音質に注力した製品企画が潔い。

エントリーモデルでも感じる
「Vivid & Spacious」の哲学

 試聴では「ちょっとしんどいかな?」と思いながらもHiVi視聴室リファレンスの大型スピーカーモニターオーディオPL300Ⅱを組み合わせてみたのだが、結論から言うとテンパった感じがいっさいなく、両方買っても10万円以下という価格が信じられないパフォーマンスを聴くことができた。山本浩司さん選曲・構成のSACD/CDハイブリッド盤『東京・青山骨董通りの思い出』からプリファブ・スプラウトの「キング・オブ・ロックンロール」をCDレイヤーで再生すると、硬質な8ビートとその上にふわっと重なる女声コーラスのコントラストがしっかり描き分けられている。ホーンセクションの代用として鳴らされるシンセサイザーのフレーズは、再生システムによっては変に浮いてしまうことがあるのだが、付帯するエコー成分をていねいに再現するのでバックトラックによくなじみ、まったく違和感がない。新世代デノンの掲げる「Vivid & Spacious」というサウンドフィロソフィーの、特に「Vivid」の要素を強く感じさせてくれる再生だ。

 同ディスクからロイ・オービソンの「オンリー・ザ・ロンリー」を再生してみると、こちらではストリングスやコーラスの響きに「Spacious」な雰囲気がたっぷり感じられる。ヴォーカルにはアクチュアルな温度や湿度が備わっていて、クルーナーヴォイスの魅力が生々しく引き出されていると感じた。

 最後にスピーカーをフォステクスのブックシェルフ型モデルGX100BJに替え、PMA-600NEサブウーファー出力(プリアウト)にイクリプスTD520SWをつないで2.1chステレオAV再生も試してみた(プレーヤーはパイオニアUDP-LX800を使用)のだが、ライヴ作品などを骨のあるサウンドで楽しむことができた。

 CDメディアがいまだに根強い人気を持つ日本では買い替え&リスタート組を中心にペアでのニーズが高そうだが、オーディオ/ステレオAV兼用のアンプとしてPMA-600NEを単体で導入するのもアリだと思う。

画像: ↑DCD-600NEはとてもシンプルなCDプレーヤー。デジタルファイルの再生についてはCD-R/RWに記録したMP3、WMA形式のファイルのみ対応する

↑DCD-600NEはとてもシンプルなCDプレーヤー。デジタルファイルの再生についてはCD-R/RWに記録したMP3、WMA形式のファイルのみ対応する

画像: ↑PMA-600NEはデジタル音声入力を装備し、最大192kHz/24ビットの入力が可能。また、Bluetoothにも対応する(コーデック対応はSBCとAAC)のもNE(New Era)らしい

↑PMA-600NEはデジタル音声入力を装備し、最大192kHz/24ビットの入力が可能。また、Bluetoothにも対応する(コーデック対応はSBCとAAC)のもNE(New Era)らしい

画像: エントリーモデルでも感じる 「Vivid & Spacious」の哲学


↑→PMA-600NEのデジタル音声処理回路は、本体後方右手にある。シールドケースに封入されており、ノイズ対策が施される。さらに、デジタル入力を使わない場合にデジタル入力回路の電源を落とす「アナログモード」を搭載。アンプ内でデジタル音声を扱うために、細心の注意が払われている

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