StereoSound ONLINE読者の皆さんは、いわゆる“オーディオアクセサリー”についてどのような思いをお持ちだろうか。

 オーディオアクセサリーといえば、電源機器の品質改善やノイズ除去を行なうもの、ケーブルなどの音声信号経路に使用するもの、スピーカーから出る振動を削減したりコントロールするものなどが存在する。

 それらを使用すると、機器の持つ音を底上げしたり、時には音色をより自分好みに変化させられたりする。しかし、このカテゴリーの製品はまさに玉石混交で、中には謳い文句に疑問を持ちたくなるようなプロダクトも存在している。

 筆者はエンジニア出身なので、オーディオアクセサリーには明快な理論と技術的裏付けを求めている。やはりそこには、良質なアクセサリーを上手に使いこなす事で得られる、投入したコスト以上の音質改善効果や音色変化を期待したい。

マグネチックウェイブガイド
High Fidelity Cables

画像: MC-0.5 Helix + ¥120,000(税別、1個)、¥200,000(税別、2個)、¥360,000(税別、4個)

MC-0.5 Helix + 
¥120,000(税別、1個)、¥200,000(税別、2個)、¥360,000(税別、4個)

画像: MC-0.5 ¥60,000(税別、1個)、¥100,000(税別、2個)、¥180,000(税別、4個)

MC-0.5
¥60,000(税別、1個)、¥100,000(税別、2個)、¥180,000(税別、4個)

画像: MC-0.5 Helix +やMC-0.5は、直径5〜6cmの円柱状のアクセサリーで、片方に3ピンの電源プラグが付いている。これを一番効果を発揮して欲しい機器のコンセントの近くに挿すだけで音が変化するものだ。効果をフルに発揮するには1000時間ほどつないでおく方がいいそうだが、そこまで待たなくても確かに音質は変化していた

MC-0.5 Helix +やMC-0.5は、直径5〜6cmの円柱状のアクセサリーで、片方に3ピンの電源プラグが付いている。これを一番効果を発揮して欲しい機器のコンセントの近くに挿すだけで音が変化するものだ。効果をフルに発揮するには1000時間ほどつないでおく方がいいそうだが、そこまで待たなくても確かに音質は変化していた

 今回は、最近聞いたアクセサリーの中でもひじょうに印象に残った製品をご紹介させていただく。米国テキサス州に本拠地を構えるHigh Fidelity Cables社のマグネチックウェイブガイド「MC-0.5」と「MC-0.5 Helix +」である。

 同社は、磁気伝導技術を用いた音声ケーブルや電源アクセサリーなどを得意としており、本国のWebページを見ると、電源ケーブル6種類、スピーカーケーブル6種類、RCA/XLRのアナログラインケーブル、S/PDIFデジタルケーブル、AES3/Digital XLRデジタルケーブルがそれぞれ5種類、そのほかフォノケーブルや電源タップ、ヘッドホンケーブルに仲介するアダプター、更にスピーカーからアンプまでかなり多くのラインナップがある。そして、すべての製品に磁気伝導技術が搭載されているのがポイントだ。

 ここでご紹介するMC-0.5とMC-0.5 Helix +は、どちらもまるで単一乾電池にコンセントプラグを付けたようなユニークな形状が斬新。

 使用方法は至極簡単で、オーディオ機器が接続されている電源タップ等に挿入するだけ。すると、電源タップ内に磁気フィールドが形成され、伝導体の中の電子の流れを凝縮、電流の流れを整える事ができるとされている。

画像: 今回は土方さんの自宅1F試聴室のシステムを使い、「MC-0.5 Helix +」と「MC-0.5」の効果を確認した。アンプやプレーヤーをつないでいる電源タップにそれぞれを挿している

今回は土方さんの自宅1F試聴室のシステムを使い、「MC-0.5 Helix +」と「MC-0.5」の効果を確認した。アンプやプレーヤーをつないでいる電源タップにそれぞれを挿している

 使い方のコツとしては2点ある。1点目は、ブレークインに時間を取ること。例えば、MC-0.5、MC-0.5 Helix +をタップに挿入してからベストな状態になるまでには1000時間ほどかかる。またMC-0.5 Helix +は挿入時間に対して音質変化の立ち上がりが早い事がアドバンテージとされる。

 2点目は、一番効果を発揮して欲しい機器のコンセントの近くにセットすること。本機の本体近くに磁気フィールドを生成するので、例えばアンプの音を改善したいのであれば、電源タップに挿したアンプのコンセントの隣にMC-0.5やMC-0.5 Helix +を取り付ければ、最大の効果が期待できるという。

 自宅1Fに構築した試聴環境は、ソウルノートのプリメインアンプ「A-1」、ディナウディオのスピーカー「Contour 30」、ソース機器はカートリッジにマイソニックラボ「Eminent GL」を搭載したエアーベアリング・リニアトラッキング・ターンテーブル「Holbo」とソウルノートのフォノイコライザー「E-1」を組み合わせた。

 まずはスタンダードモデルのMC-0.5から試した。初めに本機を使用しない状態で、筆者が近代ジャズのリファレンスとしているマーカス・ミラー『レイド・ブラック』と、ダイアナ・クラール/トニー・ベネット『ラヴ・イズ・ヒア・トゥ・ステイ』を再生し、次にMC-0.5を挿入して聴き比べてみる。

画像: ソースにはアナログレコードを使い、ジャズや女性ヴォーカルのLPをじっくり聴いてもらっている

ソースにはアナログレコードを使い、ジャズや女性ヴォーカルのLPをじっくり聴いてもらっている

 先述の通り、本製品はバーンインに時間がかかるが、同席してくれた輸入元担当者によると、挿入後数十分経過すれば少なくない効果が聞けるということだった。今回は30分ほど時間を置いてみたのだが、なんとこれが予想以上の音質変化を聞かせたのである。

 ひと言でいえば「音が濃い!」。レイド・ブラックは、当然マーカス・ミラーの超絶技法のベースが聴きどころなのだが、MC-0.5を使うとゴリゴリとした質感を持ったベースが眼前に飛び出してくる。

 トランジェントは若干減少するものの、少し音が変わるというレベルではなく、明らかに全帯域の色艶と力感が増すから面白い。『ラヴ・イズ・ヒア・トゥ・ステイ』でも同様で、イントロのピアノの色彩感が明らかによくなり、より楽しい音に変化した。

 次にMC-0.5 Helix +を試した。先述の通り、時間に対する音質変化の立ち上がりが早いとされているので楽しみだったのだが、試聴前に抱いていた期待は確信へと変わる。接続後10分程で中低域の色艶が増し、ヴォーカルや楽器がより押し出しの良い表現に変化するのだ。

 マーカス・ミラーのベースはさらにビートが乗る熱いニュアンスになり、ダイアナ・クラール/トニー・ベネットは、まさに血の通ったようなヴォーカルと、若干だがサウンドステージも広く聞こえる。実に力感ある表現で聴かせてくれるのだ。本プロダクトの効果を早く感じたい方はMC-0.5 Helix +が有用だと認識した。

画像: 音の変化にじっと耳を傾ける土方さん

音の変化にじっと耳を傾ける土方さん

 また2製品とも、複数使用すると音の変化量が多くなる。試しに、MC-0.5 Helix +とMC-0.5を同時に使用してみると、音が更に密度に溢れエネルギッシュな方向に変化する。1つ2つと買い足しているファンもいるらしいが、この製品にはいい意味で中毒性があるのであろう。

 オーディオに磁気はダメという既成概念を逆手に取った斬新なコンセプトにたいへん感心したが、2製品が保有する磁気伝導技術は米国特許を取得済であり、明快なコンセプトに基づいていることも筆者にとっては嬉しかった。

 なお、製品をタップから外せば磁気フィールドが解消されてリセットされるので現状復帰が容易なところも評価できる。

 この「小さなボディ」にいろんな可能性を見てしまう、MC-0.5 Helix +とMC-0.5は実に遊べるエポックメイキングなアクセサリーである。オーディオ専門店での評価も高く、Web上でも大きく音が変わったというユーザーの意見が多く見られている。

 実は、筆者もレビューを終えた後に効果の高さが気に入って導入し、音源によって付けたり外したりして変化を楽しんでいる一人となった。やっぱり、オーディオは音がよくなっていく過程が楽しい。今までにないユニークな理論を持つこの2製品をぜひ試してみていただきたい。

画像: 主な視聴システム。スピーカーはディナウディオ「Contour 30」で、プリメインアンプとフォノイコライザーにはソウルノートの「A-1」と「E-1」を使用。レコードプレーヤーはリニアトラッキングタイプの「Holbo」で、カートリッジにマイソニックラボ「Eminent GL」を組み合わせている

主な視聴システム。スピーカーはディナウディオ「Contour 30」で、プリメインアンプとフォノイコライザーにはソウルノートの「A-1」と「E-1」を使用。レコードプレーヤーはリニアトラッキングタイプの「Holbo」で、カートリッジにマイソニックラボ「Eminent GL」を組み合わせている

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